右腕が疼く……
「家畜だあ?いい度胸じゃねえか!いくぜおらあッ!!」
ミーナはチンピラのようなことをいってつっ込んでいく。
「食らいな!火の槍!!」
王冠をかぶったゴブリンが何かつぶやくと盾をもった王族ゴブリン(ゴブリンロード)が4匹集まり、火の槍を止めた
「何だとッ!?」
間違いない。王族ゴブリンを使役するあれはゴブリン王だ!!中級冒険者パーティでもレイドしないと苦しい相手だ……
「チノウガヒクイ……ショセンカチクカ……」
ゴブリン王は蔑むように笑う
「コロセ……」
ゴブリン王がつぶやくと、杖をもった王族ゴブリン(ゴブリンロード)が呪文を唱え火の玉を飛ばしてきた。
ミーナが危ない!!
「お姉ちゃん任せて!闇の壁!!」
ミーナの前に漆黒の壁が浮かび上がり、火の玉を飲み込んだ
「助かる!!」
ナイスだリリア!
「でも連発されたらきついよ!私の魔力じゃ持ちこたえられない!!」
闇の壁は魔法に対して高い防御力を持つがMP消費が激しい……
「カコメ……」
すると僕らの後ろから剣をもった王族ゴブリンが4匹現れた。退路を塞がれた。
どうする……
……
「ミーナさん、リリア、まずは王族ゴブリンから殺ります!確実に行きましょう」
「リリアあれを頼む!」
「任せて!闇の手」
すると剣を持った王族ゴブリンの足元から紫色の手が現れ、彼らを拘束する
「ギギギッウゴケナイ」
するとミーナが槍に力を込め、大きく横薙ぐ
「真空真一文字!!」
後ろの王族ゴブリン4匹の首がはじけ飛ぶ!
さすがLv40超え冒険者だ!言わなくてもこちらの動きに答えてくれる!
僕の右腕も吹き飛んだけどな!!
実のところ、ゴブリン王自体の戦闘力はあまり高くない。問題は奴の指揮能力の高さだ!
「カチク……ヤルナ……タノシイゾ……」
グヒャヒャとゴブリン王はいやらしく笑う
てか後ろにめっちゃ冒険者の死体あんじゃん!怖ぇぇー
すると、盾持ちが、王と杖持ちを守るように、ジリジリと前進してきた。後ろから火の球を放ってくる!
リリアの闇の壁で防御しながら、ミーナの火の槍で反撃するが、盾持ちに全て防がれている……このままじゃ壁際に追い込まれて火葬される!ジーザス!!
……!!あの盾持ちを乗り越え、杖持ちを殺ればいいんだ!なら……
僕は馬ゾンビをアイテムストレージから取り出す!何故か僕はアイテム枠らしくストレージに入れられる!
「いっけえー!」
馬ゾンビをゴブリン王に向けて突進させる。
「ギャウウッ」
馬ゾンビは盾持ちに止められ、ゴブリン王には届かない……
「ムダダ……ショセン……カチク……。ワルアガキハヨセ……」
ゴブリン王は下卑た笑いを浮かべる……
「ミーナさん!!」
ミーナは僕が叫ぶや否や盾持ちに止められた馬ゾンビをジャンプ台にして、飛び上がる
「ウオオオオオオッ!火の槍!!」
空中でミーナは火の槍を2回放ち、2匹の杖持ちの頭を吹き飛ばす!!
「動かないでッ!闇の手」
リリアの呪文で盾持ち4匹の動きが止まる
「コムスメガアアアアア!!」
ゴブリン王は懐からナタを取り出し、ミーナに迫る!
まずい!着地でミーナは無防備だ、このままじゃ……なんてな!
「自在に動くタナカの右腕」
僕の右腕が横から飛び出し、ゴブリン王の攻撃を邪魔する
「ナンダ……コノウデハ……ウットウシイ……」
杖持ちを殺られた時点で既に勝負はきまっていたのだよ
「よくやったカスゾンビ!まとめて燃えろ”紅豪炎の槍”」
紅豪炎の槍がゴブリン王と盾持ち4匹を業火で包み込む
ギャアアアアアアアッ!!!!!!僕の右腕がああああああああああ!!!!!
「ソンナ…バカナ……ワレガ……マケルナンテ……」
ゴブリン王と盾持ち4匹は消し炭となって倒れた
そして僕の右腕も消し炭になっていた……




