今までのあらすじ
前作から続きを望んでくださった方々、お待たせしました。
こちらは『獣人メイちゃん』の続きです。
今作のタイトル、『おまわりさん、こいつです! ~獣人メイちゃんはストーカー~』と迷いましたが無難に前作までと揃えたものにしてみました。
大まかなあらすじは決めてあるんですが、細部に関しては見切り発車も良いところです。
途中、ツッコミどころその他が見られた際には、ご指摘いただけると有難いです。
白羊の獣人メイちゃん。
彼女はある日、気付いてしまった。
自分がいま生きているこの世界が、前世でこの上なく愛した『RPGゲーム』に酷似していることを――
このまま前世の記憶通りに物事が進めば、15歳で『ゲーム』の物語が始まる。
そうと気付いて、メイちゃんにはじっとしていることなど出来なかった。
だって、本当に大好きだったのだ。
あの世界観が、あの物語が、あのキャラクターが……!
上手くいけばこの目で、実際にゲームの登場人物たちが生きて、動いて、あのゲームの光景がみられる! 是非とも見たい! このチャンスを逃しちゃならない!
思い立ったら立ち止まれないのがメイちゃんという女の子だった。
彼女は決意した。
前世で愛したあの物語を生で見たい。その為にはゲームの主人公一行を尾行するしかないと。
そう、最終ダンジョンだろうとなんだろうと、ひっそりこっそりバレないようについていくのだ!
メイちゃん、主人公たちの ス ト ー カ ー になります!!
……メイちゃんはゲームに登場しない。
そんな自分が介入したら、ゲームの物語が変わってしまうかもしれないから。
だから、存在を気付かれちゃならない。
気付かれちゃいけないなら、最終ダンジョンだろうとどこだろうと単独で、身を隠しながらついて行けるだけの実力……強さと隠密能力を身に着けなくっちゃ!
そうして、メイちゃんの修行の日々が始まった。
5歳で捕まえた近所の強いお兄ちゃん……師匠が、ゲームに出てきた隠しキャラの幼き日の姿だと気づきもせずに。
ついでに一緒に強くなる! と身を乗り出す勢いで一緒に修行してくれている幼馴染の二人が妙な方向に進化を遂げていくとか思いも寄らずに。
気付いた時には後の祭り。不本意ながらメイちゃんの行動が遠因となって隠しイベントを幾つか潰してしまっていた。師匠なんて前世では怠惰な遊び人を装ったキャラだった筈なのに、なんか気付いたら隠しキャラがやたらと面倒見のいい、勤労意識の高い賞金稼ぎに進化していた。ヒトはそれをバタフライ効果という……。
そして幼馴染は気付いたらなんかちょっぴり危険人物予備軍になっていた。
二人はメイちゃんが大好き(※恋愛的な意味で)なので、どこまでもついていく気だ! だけどメイちゃんはそれに気付いていない! むしろ側で見守る羽目になっている師匠が遠い目をしている。
色々な意味で将来への不安やら心配やら希望を募らせる中、メイちゃんは『ゲーム主人公』と思わぬところで遭遇する。
一度目は何故か夢の中で。
二度目はパパの故郷の村で。
そして三度目。
三度目だけは、狙って時を見計らい、主人公に物陰からひっそり近づいた。
それは『ゲーム』での序章……主人公が少年時に発生するシナリオの真っただ中だった。
ゲーム主人公の心に浅からぬ傷を負わせて序章は幕を閉じる。
本編が始まるまで、この時点であと5年。
誰もがその時までにより強くなろうと藻掻き、足掻いた。
そうしていよいよ。
その時が訪れようとしている――。
あらすじに入っていないメイちゃんの主な功績
・商家の娘さんとタッグを組んで商品開発を行い、一財産手に入れた。
(→世界に『カードゲーム』の概念が爆誕した。ついでに王子様をドツボに嵌めた。)
・師匠、幼馴染と四人で組んで賞金稼ぎをしている内に『白獣』という異名が付けられていた。
(→なし崩しに『チーム名』決定!)
・ひそかに接触してきた竜神セムレイヤ様を捕獲し、ストーカー同盟を結成した。
(→『ゲーム主人公の父親』にして『神』という強い後ろ盾を得た。)
・竜神様に貰った鬣を仕込んで、最強の『竹槍』を手に入れた。よくしなる。
(→この世で最も見た目のしょぼい神器が誕生した。)
・竜の生き残り(卵→幼生)を保護した。
(→見た目始祖鳥の謎生物をゲットした。)
・『序章』で特攻かけてお亡くなりになる筈の『主人公の師匠』を密かに確保した。
(→何故か『教祖様』と崇められることになった。)
・『序章』で壊滅的打撃を受ける筈の『故郷の村』の人々を密かに避難させた。
(→『主人公』はそれを知らないから素直にみんなが消えたと思って更に絶望した。)
・メイちゃんと同じく『ゲーム知識』があるらしい中ボスを牢にぶち込んだ。
(→たぶんその内、本編が始まる頃には脱獄してくる。)