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海桜に雪芒と  作者: 藤泉都理
一巻 天と地のせいめい編
2/66

天と地のせいめい 一




 見ていたい。

 幸せになってほしい。

 幸せにしたい。






 何時かこの想いを言葉にして届けられる日が来るのだろうか。
















 『扇晶せんしょう国』。



 かたり、かたります。



 疫病、食糧難、異常気象、戦争、虫や動物の暴走、原因不明のナニカ。

 一つの災厄が新たな災厄を呼び、時には総てを引き起こす。


 そうして或る一つの大陸中に災厄が広まって数年経った或る日。

 数十ある小国の内の一つ『扇晶国』の国王。

 神の加護を受けた扇で以てして、数か月で災厄を薙ぎ払う。


 それでも、痛ましい現実が各々を蝕む中、奮起した八ヶ国の小国、加護と幸福を受けんと国王に跪く。


 どうか、私たちの国をあなたの国と統合させて下さい、と。


 こうして小国九ヶ国が集まって、今の『扇晶国』となった。


 小国九ヶ国は『扇晶国』に統合された後、それぞれの国名を『道名』と改め、昔の境界線をそのままにそれぞれの王族が統治しており、統合する以前、小国だった頃の『扇晶国』の領土が王都と決められた。


 むかしむかしのおはなし。


 いいや、昔語りとするにはまだそう時間は経っていないとか。仔細を知る者が少なくなっただけだとか。傷はまだ癒えていないとか。そう口にする者も少なからずいる時代に入った弦歌げんか六六七年がこの物語の始まりの年。




 そうそう。『扇晶国』の国民たちは生まれた時に白い扇を我が子に贈るそうだよ。

 災厄除去と幸福招来の願いを込めて。












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