散りゆく花
雨の滴が
柔い花びらの上
どっかり落ちる
花散らしの雨は
容赦なく降り
風は枝から花を
軽々引き離す
一枚また一枚
道は花びらで埋もれた
踏まなければ進めない
柔い花びらは
健気なまま踏まれてゆく
咲き誇れば豪華絢爛
こちらに
うっとりため息つかし
滴一つ風一吹きで
地面に落ちる儚さは
美しい時間の短さと
止まれないきびしさを
物語る
いつまでも咲き誇れない
いつかは地に落ちる
それでも毎年花咲く
繰り返し繰り返し
怯むことも嘆くことも
浮かれることもなく
あたたかさがある限り