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第98話:ベトナム

ライルの元フォースリーコン隊員としての能力が発揮される。

交州は中国の南方の、海にまで出た一帯の地域。黄巾残党や旧十常侍推進派、旧袁術・袁紹軍、山越で構成された反乱軍が交州正規軍と隣国であるチャンパ王国(現在のベトナム南部)と戦闘状態だ。

そんな連中が便乗して呉への越境が盛んになってきており、今の処は損害は出ていない。


しかしいずれは呉の脅威になりえる。


交州太守の士燮 威彦は呉への帰従を条件に反乱軍鎮圧の手助けを要請。雪蓮殿はそれを受諾。

俺はハンターキラーを率いて高度6,000ftからHALO降下を実施。

広がる森林地帯を周辺警戒を厳にしながら鬱蒼とする草木を掻き分けながら前進。敵拠点とルートを片っ端から探し回っていた。


「相変わらずジャングルは視界が悪いな」

「視界範囲は大体30mってところですね?」

「ああ、下手をすれば数m先も見えない。こんなジャングルは久しぶりだよ」


こんなジャングルは本当に久しぶりだ。鬱蒼とした森林にきみ悪い動物の鳴き声。加えてジャングル特有の蒸し暑さ。


しかしハンターキラー専用装備として採用したA-TACS FGカラーのコンバットシャツとコンバットパンツ、LBT 1961Aスタイル ロードベアリング チェストリグ+パーソナルボディアーマー、CQCホルスター、ブーニーハット。

加えて同色にカモフラージュされたSCAR-L CASVやSCAR-H CASV等が周辺の色に同化しており、走ったりこちらから仕掛けなければ気づかれないだろう。


「しかしまさか一番最初にベトナムに踏み込んだアメリカ人が俺達とは・・・」

「まさに第零次ベトナム戦争ってところですね」


となりで12ゲージポンプアクションショットガンのM870 MAGPULを手にしたクラウドがそこそこシャレにならない発言をする。


しかし彼のジョークも言えてる部分がある。

間接的ではあるが今後の作戦展開はチャンパ王国を支援する形になり、チャンパ王国という南ベトナム軍と交州正規軍と共に交州反乱軍という北ベトナム軍を殲滅させる。

まさに1,800年前のベトナム戦争だ。


「中佐、向こうから足音です」


ポイントマンがハンドシグナルで停止を指示するとすぐに全員がその場に伏せる。


すると少し離れた切り拓かれた道から続々と反乱軍兵士が行軍していく。馬に乗った者や荷物を担いで同行する敵兵。規模的には一個中隊規模だろう。

俺もSCAR-L CASVを構えながらその場に息を潜める。


「全ハンター。敵の数が多過ぎる。やり過ごせ」

≪了解≫


部隊に交戦禁止を命じ、敵の動きを注意深く伺いながら不測の事態に備える。


去年と違って俺達の火力は増加している。40mm6連装グレネードランチャーのMk13やMk16とMk17に合わせて採用したMk14、SCAR-L CASVをベースに軽機関銃としたSCAR-HARM、SCAR-HのスナイパーモデルであるSCAR-SSRという銃火器だ。


敵は俺達に気付くことなく、全ての部隊が通過して行く。それから少ししてから慎重に立ち上がる。


「オールクリア」

「ビンゴですね中佐。奴等のホー・チ・ミンルートだ」

「ああ、間違いなくこの先に敵拠点があるな」


これまでに発見した敵拠点とルートは全て交州全域の地図に記録しているが、このルートは記録に無い。加えて奴等の進路には記録している敵拠点は無い。


「よし。追跡する。音を立てずに茂みを進むぞ。ハンター2、ポイントマンだ」

『Rog(了解)』


奴等の先に拠点があると踏んだ俺達はすぐに森の中を隠れながら移動を再開させる。途中で敵のパトロール部隊を目撃したが、気付かれる前にナイフで仕留めたり、サプレッサーを装着したSCAR-SSRでヘッドショットで仕留める。


もちろん死体はすぐに草むらの中に隠す。その内の何体かの下に安全ピンを抜いて信管を短くしたM67を置いておく。

こうすることで敵が死体を発見した時に、動かした瞬間に爆発するブービートラップ(間抜けの罠)の出来上がりだ。


追撃開始から暫くして、俺達は草むらに身を隠しながら双眼鏡で先にあるものを伺う。


「いいぞ、見つけた」

「かなりでかい部隊だ・・・」

「規模は二個師団かそれ以上ですかね?」

「間違いなさそうだぜポー。投石機のパーツに連弩、歩兵に弓兵に槍兵・・・。オンパレードだ」

「攻撃準備だな・・・」

「地図にマーキングしました」

「どう考えても呉への攻撃準備だな・・・・・・夜になったら仕掛けるぞ」

「攻撃ですか?」

「そうだ。敵指揮所を破壊する。明日になれば移動するかもしれんし、攻撃を遅延させられる」

「やれやれ・・・まあ、敵大将を始末すれば敵は混乱するでしょうね」

「ハンター3はレイヴンを飛ばせ。敵本陣の位置を探し出してくれ」

「了解」

「夜まで残り8時間だ。本陣確認後、2人ずつの2時間交代で休め」


敵の攻撃予測が呉であると踏んだ俺達は夜襲に備えてその場に留まる。攻撃開始までの時間はあと8時間・・・・・・。

交州反乱軍による呉攻撃を遅らせる為に夜襲を仕掛けるハンターキラー。

再び闇に潜みながら敵本陣を焼き払う為に忍び寄る。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[夜襲]

ならず者集団にお灸を据えてやる。

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