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第9話:飛将軍

仕合の最終戦。ライルVS恋との仕合が幕を下ろす。

華雄と張遼との仕合に勝利した俺は出会った呂布こと恋との仕合をする事になった。駐屯地に戻ってそろことをアレックス達に話したら“応援に行く”と言うのだが、面白半分。特にアレックスの場合は絶対に個人的に尊敬している恋と会いたいがためだろう。そして恋との仕合が行なわれる次の日。


「・・・・・・・・・・・・」

「ライル、どうした?」


もはや言葉が出ない。というよりも完全に呆れてしまう。何しろ俺が今いる場所から右を見れば・・・・・・。


「恋どのぉぉ!!そんな優男なんてやっちゃえなのですぞ!!」

「あぅぁ・・・ら・・・ライルさんも恋さんも怪我の無いように・・・」

「なあなあ嵐、どっちが勝つと思う?」

「ライルの強さは明らかに私達を超えているが、相手は呂布だ。流石に敵わないだろう」


董卓軍の面子と将兵、侍女が観戦に来ている。ここまでは昨日と同じだ。だが次に左を見ると・・・


「中佐!!頑張って下さい!!」

「中佐の実力を呂布ちゃんに見せてやって下さい!!」


ウルフパックの面子が観戦している。流石に部隊を洛陽城にぞろぞろと入城させる訳にはいかないので、ライル達の駐屯地で仕合を執り行うことになったと賈詡殿が使いを出して来たのだ。


「アレックス・・・・・・」

「まあ、いいんじゃないか?親睦を深めるってことでな。しっかし・・・・・・目の前にいる女の子があの呂布とはな・・・」

「それを言ったら董卓殿もだろ?」

「三國志の知識が自信なくなってくるな・・・・・・」


確かにここまでイメージが覆されると、幾ら三國志に精通していても自信がなくなる。しかし当の恋はこちらを不思議そうな表情でこちらを伺う。


「ライルに恋、そろそろ始めるけど準備はいい?」

「(コクリ)」

「・・・・・・いつでもいいですよ」


ほぼ諦めた表情で賈詡殿に返事する。恋も担いでいた方天画戟を構える。方天画戟は三國志演技でも呂布 奉先が愛用したことでも有名であり、かつて黄巾党の親衛隊3万を単騎で壊滅させた際にも使用していたとされている。

俺も神斬狼の刃を出して臨戦態勢を執る。方天画戟と神斬狼の攻撃範囲には決定的に方天画戟が有利。一応は神斬狼は乱戦に有効だが相手は呂布奉先。そう簡単に勝てるとは思えない。


「準備はいいわね・・・・・・・・・それじゃ、始め!!」


賈詡殿の号令と同時に先手必勝として俺が仕掛けるが、数歩手前で恋がそれを阻止するように戟を振るうが素早く反応して直ぐに後方に小さく飛んで回避。着地したら勢いよく斬りかかるが、恋も回転しながら右の神斬狼を弾き、そのまま回転しながら俺を攻撃するが、俺もすぐに左の神斬狼で受け止める。

予想した通り、華雄と張遼と比べても凄い強さを誇っている。恋にしか持たない野生の勘と華雄の力、張遼の素早さが一つになっている感じだ。それを俺は何とか追いついている状況だ。

しかし一番驚いているのは董卓軍の方だ。最速を誇る張遼でも恋には敵わなかったのに、俺は対応できている。


「・・・・・・すごいわね・・・」

「恋どのぉぉ!!やっちゃえなのです!!」

「へぅぅぅ〜・・・け・・・怪我しないかな?」

「・・・ライルって何者なんや?」

「あいつが強いことは知っているが、まさかこれ程とは・・・」


軍師の賈詡殿と武将の2人は俺の実力に改めて驚き、董卓殿は怪我をしないかどうか心配になり、陳宮殿こと音々音(ねねね/陳宮の真名。通称ネネ)は愛する恋にのみ応援する。

一方で自分達の上官である俺をウルフパックの海兵隊員は俺に応援する。


「ハァッ!!」

「!!」


俺の神斬狼が彼女を捉えたと思ったが、恋はすんでのところで飛び上がり、凄まじい勢いで戟を振り下ろす。それを何とか防いだが、着地と同時に少しだけ態勢を崩した俺に戟を振るう。

流石に避けきれないと判断した俺は後方に飛び上がりつつ神斬狼を重ねることで攻撃の威力を相殺したが、それでも吹き飛ばされる。


「恋どのぉぉ!!好機なのです!!」


ネネの言う通り、誰もが恋の勝利を確信した。だが俺は神斬狼の刃を収容しながら一回転して着地。同時に恋の懐に飛び込み方天画戟の柄を掴んで右肘で彼女の顔に一撃。

そのまま無意識に引き戻す彼女の力を逆に利用して押し倒し、再び起動させた神斬を彼女の喉元に突きつける。


「そ・・・・・・それまで!!勝者はライル!!」


その瞬間、海兵隊員を中心にギャラリーから大歓声が浴びせられる。あの天下無双と呼ばれた呂布に勝利したのだ。


「恋、大丈夫か?」

「・・・・・・うん、大丈夫」


そう言うと恋は表情を変えずに答える。無表情というのは武人にとって必要なのかも知れないが、恋の場合はある種の病気だ。


「よかった」


そう言いながら俺は思わず恋の頭を撫でていた。恋はまるで小動物のように気持ち良さそうに顔を綻ばさせる。もちろんその直後にネネから飛び蹴りが飛んで来たが。

その後、恋に勝利した俺は董卓軍に客将として雇われることになり、張遼と華雄、董卓殿、賈詡殿から真名を預けられた。

董卓軍に協力する狼の群れ。後の戦で存在を有名にすることになる・・・・・・。

恋との仕合に勝利して、はれて董卓軍の客将になったライル。すぐに洛陽で有名になり、董卓軍の一員として民からも慕われる。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”


第10話:警邏の様子


ひと時の平和に心を安らがせる。




※次回から2話連続でウルフパックの詳細と使用する銃火器のリストを公開致します。

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