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第77話:大反抗作戦

連合軍による猛反抗。開始される。

烏巣が陥落したことはすぐに両陣営に伝わった。連合軍はそれに加えて救出した張郃から袁紹に関する情報を入手する。


それによれば、袁紹軍の中に張郃のように袁紹のやり方に反発を抱く将兵が多く、尚且つ各地に兵を分散させ過ぎている。加えて最前戦に配備されている兵の大半が空腹で、ろくに戦えない。


更に攻城兵器も数は揃っているが、コストの大幅削減で質はかなり悪く、扱う兵士もろくに訓練されていない。予想以上に袁紹軍の内部は纏まっていないようだ。


その情報を基に曹操は大反抗作戦実施を決意。夜明けと共に包囲部隊に対して攻撃を開始した。

先手はやはり俺達だ。城壁に陣取っていたM2重機関銃にM224 60mm軽迫撃砲による攻撃で敵の井闌や衝車、投石機を集中的に攻撃。


いくら精度が低いとはいえ、投石機等は歩兵部隊に対して脅威であることに変わらない。

巨大な石が飛来してくるなど、想像するだけでも恐ろしくて仕方がない。


その効果は絶大だ。井闌の上にいた弓兵は倒壊の際に落ちて、衝車も縄が切れて杭の下敷きになり、投石機も投石直前に装填していた岩に敵が踏み潰される。


そんな状態が開始されて7日。攻撃を仕掛けられた袁紹軍は各地で敗走を続け、俺達も担当地域である右翼戦線である白馬に対して攻撃を仕掛けていた。


「一気に攻め上げろ‼遮蔽物に身を隠しながら仕留めろ‼」

『了解‼』

「南郷‼12人を連れて回り込め‼敵を誘い込むから待ち伏せしろ‼」

「了解です中佐‼分隊‼俺に続け‼」

『了解‼』


南郷はHK416+M320A1を手に2個分隊を率いて、敵の退却予想進路に先回りする。

俺も試験運用を行なっている100発入りC-MAGとAN/PVQ-31Bを装着したM27 IARを構えて敵に発砲する。敵は攻撃範囲に飛び込む前に銃弾の雨に晒される。


「ウルヴァリンからウォーハンマー‼グリット2-5-2、1-7-1に砲撃を要請‼目標は白馬東部の敵部隊‼」

<ウルヴァリン、こちらウォーハンマー‼了解です中佐‼グリット2-5-2、1-7-1‼効力射‼砲撃開始‼>


後方に布陣しているウォーハンマーに砲撃を指示して遮蔽物に身を隠しながら砲撃を伺う。その数秒後、空気を切る音と共にM888が落着。抵抗を続ける敵や逃げ出そうとしていた敵部隊構わず吹き飛ばす。


既に白馬の大半は占拠が完了して、残っているのは東部だけだ。

既に多数の敵を仕留め、中には降伏する敵も相次いだ。降伏してきた敵の処置は孫呉海兵隊の千里率いる第1大隊が後方で対象する。

戦場で捕虜というのは邪魔な存在だ。何しろ捕虜を後方に護送するにも、安全を確保するのも、監視するにも人手がいる。要するに戦闘を実施する兵員を割かなければならない。


そこで、第二次大戦のアフリカ戦線で行なわれていた方法を思い出して実行した。


捕虜を一度に獲得した場合、武装解除した敵を味方後方部隊がいる方角に歩かせる。これなら仮に逃げ出そうとしても身を守る術はなく、やがては餓死なり衰弱死なり、勝手に死んで行く。


生きたければ逃げずにただ後方部隊がいる方角に歩いて行くしかないのだ。


「中佐‼偵察隊から報告‼川岸に最後の投石機を確認‼凌統将軍の第4大隊が被害を受けてます‼」


俺はM27を発砲しながら丘を駆け上がり、その場で伏せて構える。AN/PVQ-31Bに映し出されたのは、北部に展開している第4大隊に攻撃を仕掛けている投石機があった。


「あいつを潰すぞ‼第1小隊はついて来い‼第2小隊は援護射撃‼他は引き続き敵を殲滅しろ‼」

「了解です中佐‼」

「第2小隊‼中佐達の突撃を援護しろ‼」


そういうと俺と第1小隊は交互支援を行ないつつ、遮蔽物に身を隠しながら前進。第2小隊はそれをHK416やHK417 DMR、Mk46 Mod1等で援護射撃を行なう。


いくらこの時代の戦闘とはいえ、どこから弓兵が攻撃を仕掛けてくるか分からない上に、弓は殆ど音を発さないから、普通の狙撃兵よりもたちが悪い。


そう思っている矢先、さっそく弓兵の姿を見つけた。幸いなことに発見した俺に向けられていて、素早くM27の照準を合わせてトリガーを弾く。撃ち出された弾丸はしっかりと敵に命中して、敵弓兵の死体は坂を転がり落ちた。


しかしこのM27は撃ちやすい。この戦闘で判明したデータを基に改良を施して、部隊の正式軽機関銃として採用するつもりだが、これならアサルトライフルとしても活躍出来るだろう。


「手榴弾‼」


やがて投石機の近くにある溝に飛び込むと、M67を取り出し、投石機の使用兵士目掛けて投擲。

手榴弾の存在を知らない敵はそれに気がつくはずもなく、爆発により吹き飛ばされた。


確認するとM27を構えながら前進。投石機に重傷を負ってもたれ掛かる敵に素早く発砲。せめてもの慈悲だ。せめて頭部を撃ち抜いて楽にしてやる。


「オールクリア‼」


投石機を制圧して、俺はポーチからMk3A2攻勢衝撃手榴弾を取り出す。

この手榴弾は爆風や破片で攻撃をするではなく、起爆の際に発生する衝撃波で攻撃する物だ。だから掩蔽壕や資材の破壊などに使用されることが多い。

手榴弾のピンを抜いて、そのまま投石機に投げ込む。


「爆発するぞ‼」


警告すると再び溝に飛び込み、爆発に備える。数秒後に手榴弾が起爆して、発生した衝撃波で投石機を吹き飛ばし、辺りに残骸が降り注ぐ。流石に目の前に本体の丸太が降り注いだのは肝が冷えた・・・・・・。


「こちらウルヴァリン‼投石機を破壊した‼現状を報告してくれ‼」

<こちらオーバーロード。投石攻撃の停止を確認。孫策様の本隊が西部エリアを制圧。敵は降伏を始めました>

「了解した‼このまま掃除を続ける‼ウルヴァリン out‼」


通信を終了させるとC-MAGをP-MAGに交換してM27を構え直す。


「よし‼あと人押しだ‼そのまま残敵を掃討するぞ‼」

『了解‼』


再び俺達は抵抗を続ける敵を駆逐する為に部隊に合流する。それから暫くして中央線戦を一刀率いる劉備派遣軍。左翼戦線の延津を曹操軍が制圧。


これで黄河を挟んで南側を連合軍、北側を袁紹軍が布陣する形となり、両軍は来る決戦に備えて軍備の再編成を執り行う。俺達も完全に占領した烏巣へ補給を行なう為に移動して行った・・・・・・・・・。

戦いは再び膠着状態に陥る。その間に部隊の再編成を実施して、ライル達も次の戦いに備えて身体を休める中、ライルに曹操が訪ねて来る。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[赤兎馬]

ライルに新たな相棒が生まれる。

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