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第75話:ハンター2

ハンター2の刃が反射する。

烏巣周辺にいた敵部隊の排除にはさほど時間が掛からなかった。何しろ殆どが居眠りをしていたり、ちょろまかした兵糧を食べていたり、仲間と雑談をしていたりしていて、全体的に隙だらけだったからだ。


中佐が指揮するハンター1とこの俺・・・・・・ダニエル“ダン”ウィキニッド上級曹長が指揮するハンター2も同様に音を立てずに次々と仕留めていく。


俺のチームはハンターキラーの中でも少し変わっている。特殊部隊だから射撃の実力は屈指ではあるが、射撃よりも白兵戦が得意だ。


ハンター2-1こと俺はコンバットナイフ。

ハンター2-2ことポー・リーチェン曹長は三節棍。

ハンター2-3ことレニー・マクダナル一等軍曹はトマホーク。

ハンター2-4ことクラウド・レインディー二等軍曹はグルカナイフの二刀流だ。


そして俺達は内部に潜入すると中佐達と別れ、パッケージの確保へとむかった。


<ハンター3-3からハンター2。そちらにタンゴ1が接近>

「敵が来る。隠れろ」


そういうとすぐに近くの物陰に身を潜める。3人も何をしているのかすぐに同じように身を隠す。

その直後に少し先から槍を持った敵兵が姿を現し、俺達の前を通過して行った。すぐに俺はクラウドにハンドシグナルで命令すると、彼はグルカナイフを腰の鞘から取り出し、それを構えながら背後に忍び寄ると一気に飛び付き、口を塞ぐと鋒を敵の喉元に突き付けた。


「⁉」

「静かにしろ。騒げば分かるよな?」

「(コクリコクリ)」

「よし、手短に聞く。張郃という将が幽閉されてる筈だ。何処にいる?」

「ぐ・・・・・・この先の・・・扉の先にある地下牢に・・・」

「見張りは?」

「ご・・・・・・5人だ・・・」

「そうか、ならば最後の質問だ。お前は幽州戦に参加したか?」

「ああ、・・・・・・さ・・・参加した・・・」

「わかった・・・・・・・・・だったら死ね」


そう尋ねると敵兵の声帯を切断して、敵は苦しみながらゆっくりと地面に倒れる。

もし参加していなかったら同情の余地はあったが、幽州戦に参加していたとなると話は別だ。幽州におけるこいつ等の行動には俺も我慢ならない。

死体を影に隠すとすぐに合流する。


「パッケージはこの先の地下牢らしいです」

「見張りは?」

「少なくとも5人はいるそうです」

「分かった・・・・・・。ハンター2-1からハンター1」

<こちらハンター1-1。感度良好>

「状況報告。パッケージの位置を確認。パッケージは地下牢」

<了解だ。直ちに急行して確保せよ>

「了解です中佐。ハンター2-1 out」


中佐への通信を簡単に済ませ、3人に振り返る。


「目標はこの先の地下牢だ。見つからずに移動する。いいか?」

「分かった」

「了解なのー」

「なあなあ、あんさん何で独り言ゆうてたん?」

「あぁ、こいつは通信機って言ってな・・・・・・遠くの相手と会話する道具だよって・・・・・・そんな目で見てもあげないよ?」

「ガーーーン‼⁇」

「・・・・・・・・・・・・」


予想の斜め上を行くリアクションに流石に対応が追いつかない。好奇心に駆られるのはよく分かるが、流石にここまでは予想していなかった。


「・・・・・・先にいくよ?」


ひとまずはパッケージ確保を優先させたいので、部下を連れて地下牢に続く階段を見つけだし、それを音を立てずに降りて行く。


階段を降りてすぐ側に部屋があったので覗き込むと、中に敵が一名。しかも出てこようとしていたので少し下がって隠れる。


幸いにも敵は反対側に移動して行ったが、それは俺達の進路でもある。


「ポー。出番だ」

「了解。武器をお願いします」

「音は立てるなよ“マスター”」

「分かってるって、“アサシン”」


ポー・リーチェン曹長に指示するとクラウドと同じように音を立てずに忍び寄る。


「‼」

「ふんっ‼」


タイミングを図ると一気に飛び掛り、足を蹴って態勢を崩すと首締めの態勢から一気に敵の首をへし折った。


ポーは琉球空手と中国武術で黒帯を有する実力者であり、ウルフパックでも中佐達と共にCQCの教官を担当している程だ。だから相手の首をへし折るくらい造作も無いことだ。


「正面クリア」

「了解だ。前進する」


敵を仕留めると俺も先頭に移動してMP7A1を構え、ポーが左手を俺の肩に置いてその後ろには楽進達。後部にはレニーにタクティカルベルトを掴まれながら最後尾でMP7A1を構えるクラウド。


特殊部隊におけるカバリングの基本姿勢だ。こうすることで互いの位置を把握出来ると共に不意の遭遇戦にも瞬時に対応できる。

暫く薄暗い廊下を進んでいると曲がり角の先に扉の前にいる敵兵。数は左右に1名ずつだ。


ハンドサインで敵の存在を知らせ、楽進達も何となく意味は理解したようだ。ポーとクラウドに待機命令を出すと俺はコンバットナイフ、レニーはトマホークを取り出し、俺が一気に飛び出すとレニーもトマホークを投擲。


「ん?」

「なん・・・・・・」


敵が気付いた時には既に頭にトマホークが食い込んで死に絶え、残りの一人も喉にコンバットナイフが貫通して声を発せられず、苦しみながら死んで行った。

制圧すると全員を呼び、扉の左右に位置して、MICH2001のAN/PVS-18を起動させてMP7A1を構える。本来は突入の際にM84を使用するのだが、隠密行動重視なので使用は出来ない。

俺はタイミングを図ると扉を一気に蹴破り、なだれ込むように室内に突入。

中には油断しきっていた敵兵4名と椅子に鎖で縛られている女性。


突入すると瞬時に照準を合わせて4.6mm弾を額に撃ち込み、瞬時に室内を制圧。どうやらここは拷問部屋のようだ。至る所に趣味の悪い拷問器具がおかれている。

俺達はフラッシュライトで顔を照らしながら歩み寄る。


「そのまま、お前の名前は?」

「ち・・・張郃・・・・・・儁乂」

「一つ前の主の名前と出身地は?」

「韓馥・・・生まれは冀州河間郡鄚」


中佐から渡された詳細書は一致している。間違いなさそうだ。俺は楽進達を呼ぶと彼女の縛られている鎖を外す。


「張郃様ですね?」

「あ・・・あんたは?」

「自分は楽進。曹 孟徳様配下の者です。右が李典、左が于禁。あなたを助けに参りました」

「た・・・・・・助けに?」

「詳しい話は後です。まずはここを出ないと・・・」

「・・・かたじけない」

「2、4。先行しろ」

「了解」

「了解です隊長」


指示を出すとクラウドとポーが先に出口へと向かう。脱出路の確保だ。

歩けない張郃を左右から于禁と李典が支えて移動する。そして地下牢から出るとすぐに脱出地点へと向かう・・・・・・・・・。


無事に張郃を救い出し、全ての兵糧にC4を仕掛けたライル達。脱出する直前で敵に見つかる。張郃を援護しながらライル達も脱出地点へと向かう。

次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[脱出]

任務成功に突き進む。

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