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第60話:白い証

ライルと一刀。2人の友情が芽生える。

徐州における俺達の任務は完了した。残った戦後処理は劉備軍に任せ、海兵隊は呉に帰還していく。

全ての機材を撤去していき、次にエストック隊、ソードブレイカー隊の順で帰還していき、最後にバハムート隊が残った。

本陣である下丕城の前には撤収準備を進める俺達と、見送りをしにきた劉備軍が集まっていた。しかし・・・・・・、!


「ご主人様はどちらに行かれたのだ⁉」

「ご主人様ぁ〜‼」


一刀の姿が無かったのだ。桃香と愛紗達が辺りを見渡して呼び掛けるが返事がない。しかし俺はなぜいないのかは知っている。その様子を少しだけ笑いながら伺っていると空中強襲部隊の中尉が話しかけて来た。


「中佐、全隊員の搭乗が完了しました。いつでも離陸可能です」

「分かった。それより“あれ”は?」

「曹長が手伝ってますから、もう終わるでしょう」

「彼女達の驚く姿が目に浮かぶよ」

「俺は逆に妙な反応になりそうな気がしますがね・・・・・・しかも桃色の・・・」

「それは一理あるな、だが若い内に青春を堪能させてやるのもありだぞ。カーク中尉」

「あなたは何処ぞの親父ですか?」


俺の言葉に黒人海兵隊員のカーク・ランバート中尉が呆れながら失笑してしまう。彼との付き合いもそこそこ長く、ウルフパック創設時から行動を共にしている。

そういう会話をしていると愛紗が歩み寄って来た。


「ライル殿、ご主人様を見なかったか?」

「まあまあ、そう怖い顔をしなさんなって。その内に分かるからさ」

「何がだ?・・・・・・えっと・・・」

「カーク・ランバートだ。カークでもランバートでも好きな方で呼んでいいよ」

「ならばカーク殿。いずれ分かるとはどういう意味だ?」

「それはだな・・・ねえ中佐」

「そうだな、中尉」


俺達が話を濁らせると愛紗は分からない顔をする。そこへ桃香達も歩み寄って来た。


「ねえねえ愛紗ちゃん。ライルさん達と何を話してるの?」

「にゃははぁ〜。愛紗とおじちゃん達が仲良しなのだ♪」

「ほう、愛紗も中々隅に置けないな」

「こ⁉・・・こら⁉鈴々⁉星」


鈴々と星にからかわれて愛紗は顔を少しだけ赤くしながら折檻するが、2人は追いかけて来る愛紗から逃げる様に移動する。

俺達はそれを失笑しながら眺めているとスーパーシースタリオンの影にいた曹長がでて来た。


「おっ?出来たか?」

「あれ、どうかしたのライルさん?」

「ああ、ちょっとしたサプライズがな・・・」

「はわっ、ライルさん。“さぷらいず”ってなんですか?」

「驚くって意味だよ」

「驚く?なあ、ライルの兄貴。何が驚くってんだ?」

「見てのお楽しみだ。・・・・・・出て来ていいぞ一刀‼」


俺がそういうと全員がスーパーシースタリオンの影から出て来た一刀に視線を固定させた。


「に・・・・・・似合ってるかな?」

「わあ〜‼」

「なっ⁉」

「お兄ちゃんカッコいいのだ‼」

「これは・・・凛々しい姿ではないか」

「はわわ⁉」

「あわわ⁉」

「ほ・・・北郷・・・・・・なのか?」

「めっちゃカッコええやん一刀‼」

「なっ・・・・・・なななな⁉」

「ご主人様・・・・・・真っ白」

「ふ・・・ふん‼恋殿よりかっこいいなどと絶対に思ってないですぞ⁉」

「へぅ〜////」

「はぅ⁉////」

「すっげえ‼」


全員がそれぞれのリアクションを見せて驚いてくれた。なにしろ一刀が着用しているのは海兵隊の制服の一つであるクラス“B”ホワイトドレス。

肩には元帥の階級章に俺と同じ数の略章、襟元には彼の牙門旗である十文字だ。

この制服は俺が前に言った祝いの品であり、あの後にジーンに頼んで用意させたのだ。


「よく似合ってるじゃないか」

「そうですか?」

「ああ、むしろ似合い過ぎだぜ♪」


確かによく似合っている。普段着と化している聖フランチェスカ学園の制服が白だからだろう。

制服のおかげで彼は巷で“天の御遣い”と称される英雄になれているから、白がかなり強調されているホワイトドレスなら、より説得力が増している。

というよりも本当に似合いすぎだ。


「ライルさん、ありがとうございます」

「気にするな。だが無闇に着るのはやめてくれよ。その服はどちらかというと式典や謁見とかの制服だからな」

「・・・でしょうね」


これを普段着にしたら素っ裸でHALO降下をさせてやる。


「中佐、離陸準備が整いました」

「了解だ・・・・・・それじゃあ、俺達は呉に帰還する。世話になったな」

「ライルさん達こそ、本当にありがとうございます」


俺と一刀は互いに右手を出し合うと、自然に握手を交わした。


「桃香殿。お子さんが生まれたら直ぐに駆けつけるからな」

「はい‼ライルさん達もだよ‼」


俺は軽く敬礼をしながらスーパーシースタリオンに乗り込むとロードランナーが後部ハッチを封鎖。

離陸用意が整うと機体はゆっくりと上昇していき、建業がある方角へと進んで行った。


「行っちゃいましたね」

「ああ、そうだね」

「初めて会った時は怖い印象だったけど凄く優しい人達だったね?」

「またおじちゃん達と会いたいのだ‼」


飛行していくスーパーシースタリオンを見送りながら、一刀達は暫くしてからその場を離れる。しかし彼等は再び肩を並べて闘うことになる。

それも近い内に・・・・・・・・・。

袁紹軍撃退を成し遂げ、建業に帰還したライル達。帰還と同時に冥琳から待ち望んだ言葉が聞けた。

次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[Wu Marine]

次世代の部隊の足掛かりが成る。

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