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第57話:銀狼による臥龍と鳳雛の個人授業

軍師。それは好奇心の塊。



*申し訳ありません。無理矢理感があります。

袁紹軍を撃退して2日、劉備軍による戦後処理は俺達の手伝いもあって順調に進んでいた。

損害といっても支城や集落跡に目立った損害はなく、財産分与も開戦前に退避させていたので略奪されずに済んだ。


戦死者も乱戦の際に発生した少数を除いて出ておらず、むしろ降伏した袁紹軍兵士の処理に手を焼いている。


袁紹軍捕虜の大半は奴が敷いた過度な徴兵制により無理矢理駆り出された農民で、年齢が一桁の子供もいればとても戦えるとは思えない老人もいた。

孫呉でも徴兵制だが、社会貢献や余程の事情、徴兵対象者が15歳以上で40歳以下以外なら兵役に就くことはない。希望があれば特例として就けるが・・・・・・。


俺は部隊の野営陣地で朱里ちゃんと雛里ちゃんから頼まれてある事を実施していた。


「はわわ・・・・・・それで、他には⁉」

「あわわ・・・・・・お・・・教えて下しゃいでしゅ⁉」

「まあ、少し落ち着け。教えるからさ」


彼女達の頼み事とは“戦術の講義”だ。本来ならたとえ同盟関係にあっても特例でも無い限りは戦術は教えてはならない。

もし同盟が突如として白紙に戻され、教えた戦術の改良版を使われたらまさに本末転倒だ。


それ等を考えて最初は断ったのだが、2人は両腕を掴んで頼み込み、それでも断ると少し半泣き状態で見上げてきた。

そんな反則的な可愛らしさをされると、こちらが折れざる得なくなる。

仕方が無いので対抗策が充分に揃っている戦術のみを伝授することにした。


「はわわ・・・ライルさんって、やっぱり凄いでしゅ」

「(コクリコクリ)」

「俺が?・・・なんで?」

「だってライルさんは将軍としても優秀なのに軍師としても凄いです」

「あわわ・・・で・・・ですから兵士としても将軍としても軍師としても出来るし、孫呉の皆さんからも頼られてます・・・」

「過大評価だよ。俺は孫呉に忠誠を誓った海兵隊員だ。兵士てしての責務を果たしてるだけだ」

「あの・・・ライルさん達がよく言う海兵隊っていうのは天の軍隊の名称ですか?」

「海兵隊か?」


尋ね返すと2人は可愛らしく頷く。ハタから見たら本当に可愛らしい光景だ。

俺はシスコンでもなければロリコンでもないが、千里の気持ちも分かるような気がする。


「海兵隊っていうのは、俺達が所属していた軍隊の一組織だよ」

「一組織・・・ですか?」

「ああ、俺達がいた軍隊は“アメリカ軍”といってな、前世・・・・・・天界では世界最強の軍隊とも呼ばれてたよ」

「あわっ⁉せ・・・世界最強でしゅか⁉」

「そうだ。恐らくはこの国の人間が束になっても勝てないだろうな」

「はわわ⁉」


当然だろう。この世界の兵器で最大射程の兵器といえば投石機位だ。

確かな戦術と充実した装備があれば一個遠征打撃群でも勝利することが出来る。


「因みに、海兵隊はアメリカ軍全体の中で2番目に小さい組織だ」

「「しょうなんでしゅか⁉・・・噛んじゃった」」


本当になんだ?・・・・・・この可愛らしい小動物は・・・・・・。


「まっ・・・・・・まあ・・・アメリカ軍には海兵隊を含めて合計5つの組織があってな。海兵隊の総兵力は予備役も含めて24万と言われてたよ」

「はわわ⁉小さくても24万⁉」

「驚いたか?」

「しゅごいでしゅ‼」

「あっ・・・あの・・・・・・なんだかすごい予感しかしないんですけれど・・・全体はどれ位でしょうか?」

「全体かぁ・・・・・・ざっと200万かな?」


その数を聞いて二人は開いた口が塞がらなかった。恐らくは俺達みたいな兵士が200万もいる姿を想像したのだろう。

俺達なら別に複数の国家が合併すれば実現可能なへいりょくだが、この世界にとったら漢王朝始まって以来の脅威になる兵力だ。


「そうだ、2人に渡す物があったの忘れてたよ」


あることを思い出し、俺はデジタル迷彩服の腕ポケットから“ある物”を取り出して二人に渡す。

2人はそれを受け取って広げてみると、驚愕してしまった。


「はわわ⁉こ・・・・・・これは⁉」

「しゅごいでしゅ⁉この国の地図でしゅ‼」


俺が渡したのはこの漢王朝の地図だ。前々から思っていたことだが、この世界の地図はお粗末極まりない。だから俺達はジーンから地図の原稿を全体と各州の地図を送ってもらい、食物繊維で出来た紙でコピーしていった。


「あ・・・あの‼こっここれ・・・貰ってもいいんですか⁉」

「構わないよ」


2人は本当に嬉しそうに地図を大事そうに丸める。


「さて・・・すまないが俺も仕事に戻らないと・・・」

「はわわ・・・」

「あわわ・・・」


俺が席を外そうとした瞬間に2人は物足りない雰囲気を醸し出しながらこちらを見上げてくる。

頼むからそんな目で見ないで欲しい。俺は溜息を吐きながら2人の頭を撫でてやる。


「すまないな、この続きはまた今度な?」

「あぅあ〜・・・ナデナデされましたぁ〜」

「(コクリコクリ)」


気持ち良さそうに顔を綻ばす2人。それを堪能したいという気持ちに駆られそうになったが、俺は一息ついてテントから出ていった。

キャンプ・ヴェアウルフ内に設けられている室内射撃場。

レオンと基地守備隊の一部が訓練で使用していた。狭い室内に何処から出るか分からない標的。それらをターゲットにひたすら射撃訓練を行なう。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[ファイアトレーニング]

銃弾が降り注ぐ。

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