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第54話:打ち上げ

徐州攻防戦後の打ち上げ。ライルもそれに参加する。

徐州攻防戦が劉備軍の圧勝で終結したその日の晩の支城内部にある中庭が騒がしかった。


「にゃははは〜♪もっと飲もうなぁ〜♪」

「わだしはよってないじょ〜♪」

「ははははは‼もっと酒ぇ〜♪」

「おっ‼いい飲みっぷりじゃねえか♪」


一角では手に酒が入った壺を片手に完全に出来上がっている霞と嵐と白蓮と露蘭が次々と酒を飲み込んでいく。特に嵐は舌が回らなくなっている程に出来上がっているようだ。


「詠ちゃ〜ん・・・あのねぇ・・・・・・ご主人様もぉ・・・ライルさんもぉ・・・私のものだと思うのぉ〜・・・・・・しょれにゃのに・・・他の女の子と仲良しなんだよぉ〜」

「ちょっと誰よ月にお酒飲ませたの⁉月はすっごく酒癖悪いんだから‼」


こちらでは酔っ払ってなんだかとんでもない爆弾発言をしている月殿に詠が絡まれていた。

月殿が酔っ払っている姿なんか、妙にレアな気がするが・・・・・・。


「ハグハグ・・・モグモグ・・・おかわりなのだ‼」

「(モキュモキュ)・・・・・・おかわり」

「れ・・・恋よ・・・・・・こ・・・これも食べてみないか?」

「恋殿ぉおお‼おかわりなのですぞぉおお‼」

「はわわ・・・鈴々ちゃんも落ち着いて食べてくだしゃい‼」

「あわわ・・・ま・・・まだたくしゃんありましゅから‼」


更にもう一角では張飛殿が凄い勢いで次々と食べ物を平らげ、孔明殿と士元殿がはわわ軍師とあわわ軍師になって制止し、恋の無垢な食事を前に関羽殿とネネがほおけていた。


俺は植えられている木にもたれかかりながら手にしているホットコーヒーを口にする。なお、終戦後にこんな出来事があった。


捕らえた捕虜の中に申し出があったのだ。

“袁紹が文醜と顔良を捨て駒にした”と・・・・・・。

俺はすぐにその捕虜と共に2人に伝えるが、互いを解放するように詰め寄られ、捕虜の話を聞いて最初は信じられないと言い返して来たが、自分だけ真っ先に逃げ出した袁紹の話をして、それが真実だと悟った2人は呆気に取られた。


一刀の判断で2人は被害者という位置づけになり、今は見張りが常時監視しながらも客間で気持ちを落ち着かせている。

そのまま劉備軍に降るのも良し。身分を捨てて2人の故郷でもあるここ徐州で暮らすのも良し。後は2人が決めることだ。


そんな事を考えていると不意に人の気配。振り向いてみると一刀と劉備殿が歩み寄って来た。


「こんなところでどうしたんですか?」

「やあ一刀君。それに劉備殿も・・・」

「ライルさんも一緒にたのしもうよぉ♪今日はライルさんも主役なんだから♪」


劉備殿はそういいながら俺の迷彩服の裾を掴んで彼女達のところに引っ張っていく。それに戸惑いながらも、コーヒーをこぼさずに後に付いて行く。


「みんなぁ〜、ライルさん連れて来たよぉ〜♪」

「はぅあ〜・・・・・・はっ⁉・・・ご主人様⁉姉上⁉」

「にゃはぁ〜♪ライルのおじちゃんなのだ‼」

「ようやく来られましたか、ライル殿」

「はわ・・・ライルしゃん」

「ち・・・ちあ・・・・・・」

「やっときたかぁ・・・まあまあ飲め」


最初にほうけていた関羽殿が正気に戻り、続けて張飛殿、趙雲殿、孔明殿、士元殿、白蓮の順で挨拶してきた。

しかし張飛殿・・・・・・確かに前の世界では30歳だったが、この世界ではまだ24歳だ。おじちゃんは勘弁願いたい・・・。


「ライルぅ〜♪一緒に飲もうなぁ〜♪」

「ひっく・・・ライルぅ」

「(モキュモキュ)・・・ライル、みんなで一緒にご飯、食べる」

「兄貴‼こっちで一緒に飲もうぜ‼」

「恋殿がどぉおおおおしてもというのですから、“仕方なく”いれてやるです‼」

「ライルしゃ〜ん・・・」

「早く来なさいよね‼」


続いて霞、嵐、恋、露蘭、ネネ、月殿、詠が歩み寄って来た。というか最初の2人は完全に出来上がっているし、恋は肉まんを片手に、酒癖が悪い月殿に至っては俺に抱きついて、上目遣いで見上げて来た。

恋もそうだが、こんな月殿の表情も破壊力絶大で可愛すぎる。

俺は彼女達に連れていかれながら腰掛ける。


「なあなあライルぅ〜そんなん飲まんとうち等と酒飲もうなぁ〜」

「霞・・・俺が酒を飲めないのは知ってるだろ?」

「知っとるで♪」

「ふふっ・・・霞はライル殿に夢中のようだな」

「なっ⁉・・・ち・・・・・・趙雲殿⁉」

「にゃに⁉ライルは誰にも渡しゃんじょ‼」

「ライルは恋のもの」


霞のじゃれあいを見て趙雲殿がからかって来て、何故か知らないが嵐と恋が俺の背中に抱きついて来てとんでもない爆弾発言を言い放つ。

しかも無意識だろうが俺の背中に2人の胸が当たっているので、正直に言うと恥ずかしすぎる。


「にゃははぁ〜おじちゃんは人気者なのだぁ♪」

「張飛殿・・・一応は言っておくが・・・・・・」

「にゃ?」

「俺はまだ24歳だよ」

『えぇえええええええ⁉』


俺の年齢を聞いた全員が驚愕した。その反応に俺は呆気に取られながら少し落ち込む。


「ライルさんってまだ24だったんですか⁉」

「一刀君・・・それはどういう意味なのかな?」

「うっ⁉いえ・・・・・・ライルさんが年上なのは予想で来てたし・・・なによりも落ち着いた雰囲気だから・・・」

「つまり老けていると?」


俺は笑顔で一刀に話しかける。


「いえ・・・・・・いやいやいや‼むしろ落ち着いた雰囲気ですからかっこいいですし、男としても憧れますよ‼」

「ふっ・・・そういうことにしておくよ」


ささやかな仕返しを成功させ、俺は近くにあった焼売を頬張る。中々美味だ。


「ふふっ・・・それでライルさん」

「なんでしょうか?」

「改めてなんだけど、力を貸してくれて本当にありがとう」


いきなり劉備殿に礼を言われて少し困惑してしまう。

確かに彼女達にとって、俺達の徐州救援は感謝されることだが、俺達の目的は袁紹を蹴散らして、上手くことが運べば奴を地獄に叩き落とすことだ。

最も、戦後処理が完了したら一旦補給と休息と報告の為に呉に帰還するが・・・。


「それでね。お礼に私達の真名を預かってほしいの」

「真名を・・・・・・よろしいのですか?」

「うん♪」


そう言われると彼女達を見渡す。みな賛成の表情をしており、関羽殿も反対ではなさそうだ。


「・・・分かりました。喜んで預からせて頂きます」

「うん♪私は桃香っていうよ♪」

「ライル殿・・・私は貴殿を誤解していた。だから謝罪の意味も込めて我が真名・・・愛砂を預けたい」

「鈴々は鈴々なのだ‼おじちゃん‼」

「我が真名は星。この真名をそなたに託す。ライル殿」

「あ・・・あの‼わ・・・私は朱里でしゅ‼・・・はぅあ・・・噛んじゃった」

「あわわ・・・ひ・・・雛里でしゅ‼」


劉備殿を始め、重鎮達からそれぞれの真名を預けられた俺。素直に嬉しいものだ。


「ふっ・・・ライル・ローガン・ブレイド。確かに皆さんの真名を預からせて頂きました」


そういうとコーヒーが入ったカップを掲げて、それをいっきに飲み干した。


「それと桃香殿」

「はい?」

「一刀君から聞きました。おめでとうございます」

「えへへ〜♪早く生まれないか楽しみになんだよ♪」

「戦後処理が完了しましたら、我らは呉に帰還しますが、お子さんが産まれましたらすぐに伺わさせて頂きます」

「うん♪」


そういうと桃香殿は満面の笑顔で答えて来た。俺もいつかは自分の子供と共に食事を取りたいものだ。そんなことを考えながら、カップに新しいコーヒーを注ぎ、再び胃に流し込んだ・・・・・・・・・。

徐州攻防戦が行なわれていたその頃、イリーナは保護を受けている軍師の七乃に頼まれて美羽の面倒を任されていた。

そこにシャオも加わり、イリーナは久々にあるものを作ることにした。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[蜂蜜好きな少女達]

天の知識を披露する。

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