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第5話:針路を洛陽へ

俺達の前に現れたのは女性の張遼と華雄。やってきた目的は予想できていた・・・

俺達の前に現れた武将の張遼と華雄。別にそのこと自体では驚かないが、2人が女性でしかも中々の美女ということには驚かされた。

名前を聞いて驚愕した俺達に張遼が恐る恐る話しかけてきた。


「な・・・なあ・・・・・・うちら名乗ったんやから、自分等も早よぅ名乗ってえな・・・」

「えっ・・・・・・ああ・・・失礼した」


ようやく正常に戻った2人はすぐに踵を鳴らして直立不動の姿勢を執り、敬礼をする。


「自分はこの傭兵団“ウルフパック”の指揮官を務めるライル・L・ブレイドだ」

「自分はウルフパック副官を務めるアレックス・ヴォード」


今度は俺達も名乗るが、なにやら彼女達は困惑した表情をしている。


「雷・・・・・・なんだと?」

「ライルだ。文化も名前の特徴もまったく違うからな。気兼ねなくライルと呼んでくれ」

「ふ〜ん・・・変な名前やな。それに自分等が着とる服装の柄、なんやシミみたいやな♪」


恐らくは俺達が着ているデジタル迷彩服のことだろう。迷彩服の発祥は狩の時代から存在するが、それは偽装というよりも保護色という意味合いが強い。

その為、迷彩服を知らない彼女達から見て迷彩服はシミで汚れた服にしか見えないだろう。


「それで、俺達に何の用だ?」

「ああ、洛陽に来た商人から貴様達の噂を聞いてな、異国の傭兵団がここ河東に駐留しているといっていたからやって来たのだ」

「ほんでな、そいつがいうには何や自分等、結構強いらしいやん」


強いかどうかは分からない。確かにジーンから武術が武将級にまで強化されていると聞かされているが、実をいうと俺達自身も実際はどうなのか分からない。何しろこれまでに交戦したのは哨戒中に出会した6人の賊から旅商人を救い出しただけである。

恐らくはその商人から聞いたのだろう。


「そんであんた等にちょっと聞きたいねんけど、自分等ってどっかと契約しとる?」

「いや、この国に来てまだ日が浅いから何処とも契約を結んではいないが・・・・・・」

「それなら話が早い。ライルとアレックス。貴様等も董卓様に仕えないか?」


大体の予測はしていたが、内心でその言葉に驚かされる。何しろ名高い張遼と華雄からスカウトされているのだから。


「張遼と華雄。一つ聞きたい。なぜ我等を?」

「貴様等は袁紹が諸国に配布した轍文を知っているか?」

「君達の主が洛陽に暮らす民を苦しめているから倒そうというやつか?」

「せや、あのアホんだらのせいで連合組まれよるし、月・・・やなかった。董卓はんの信頼ガタ落ちやねん」

「うむ。このままでは民にまで戦火が飛ぶ恐れがあってな。董卓様はそれを凄く恐れておいでだ。だから我々は武に覚えがある者を司州各地から集めているのだ」


彼女達からの話では素晴らしいことにも聞こえるが、民を守るのに民を戦わせるという矛盾になりかねない。何気に気になったので俺は聞いて見ることにした。


「一つ聞きたい。君達は司州各地から兵を集めているといったな?」

「せやで」

「それは志願制か?それとも徴兵制か?」


これが俺が気になったことだ。彼女達の答えがもし徴兵制だったら即座に追い出す。例外を除いて民を守るのに民を戦わせるやり方をしていたら今までの情報が誤りということになる。


「・・・・・・あんた、まさかうち等が無理やり戦わせてると思っとるんか?」

「ということは志願制か?」

「当たり前や!!うち等は袁紹みたいに無理やり戦わせたりせえへん!!」

「董卓様は民の意見を尊重している!!戦いたいものだけを迎え入れ、戦いたく無いものは誘わない!!」


俺の質問に対して彼女達は声を張り上げて否定する。しかしその否定が董卓に関する情報が真実だと物語っている。


「失礼した、だが悪気があって質問した訳では無いのだ。分かってくれ」

「いや・・・うちもついカッとなってしもうた。すんまへん」

「・・・・・・悪かった」


俺と彼女達は気まずそうに謝る。だがこのままではいつまで経っても平行線のままだ。ひとまずは俺たちから歩み寄ることにした。


「このままでは纏まらない。ひとまずは董卓殿への謁見を頼む。協力するかはその後で構わないか?」

「うち等はそれで構わんで」

「うむ、貴様等も董卓様を見られたら挙手して参加したくなるはずだ!!」

「なら少し待ってくれ。野営地の撤去が完了したらすぐに隊列に加わろう」


そういうと俺達は野営地を直ぐに撤去して、張遼達の隊列に加わって移動を開始する。俺たちの次の目的地は帝都洛陽・・・・・・

張遼と華雄の案内で洛陽に向かうライル達。その洛陽でライルは彼女達と出会う。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

第6話:董卓


心優しい少女がライルを動かす。

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