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第46話:緑に降る騎士

深夜に送り届けられた露蘭。彼は提案に乗る。

白蓮と露蘭を送り届け、俺は一刀達に事情を説明する為、城の玉座に案内される。


「久しぶりやなぁ〜ライル♪」

「しかしお前達が呉に降るとは・・・」

「ライル・・・また会えて恋、嬉しい」

「ふっ・・・ふん‼ネネは別に久しぶりに会えて嬉しいわけじゃないですぞ‼」

「へぅ・・・ライルさん・・・」

「ま・・・まあ・・・・・・元気そうじゃないの」


元董卓軍のメンツが久しぶりの再会にそれぞれのリアクションを見せる。特にネネと詠殿は素直ではない。


「初めて会う方もいるようだから、名乗らせてもらう。俺は孫策軍配下ウルフパック指揮官のライル・L・ブレイド。見知りおきを」


ひとまずは霞達の歓迎を置いてもらい、踵を鳴らして敬礼をする。

劉備軍の中であった事があるのは一刀と関羽のみだ。


「鈴々は張飛 翼徳なのだ‼」


これには流石に驚かされた。張飛といえば劉備を兄と慕った歴戦の猛者で、張飛は二十騎の部下と共に川に拠って長坂橋を切り落とし“燕人張飛、これにあり‼俺と雌雄を決したい奴はいるか‼”と大声でよばわると、曹操軍の数千の軍兵は敢えて先に進もうとはせず、このために劉備は無事に落ち延びることができたという記録が残されている。


確かに前向きで大胆極まりない行動をしそうだが、外見は元気活発少女だ。


「我は性は趙、名は雲、字を子龍という」


趙雲が何か企てていそうな笑みを浮かべながら自己紹介する。

三国志演義で絶大な人気を誇る趙雲で最も有名なのが張飛と同じく“長坂橋の戦い”だろう。

劉備が曹操の大軍に追われて逃走した時、荊州の当陽県長坂で、趙雲は劉備の息子阿斗(後の劉禅)を自ら抱え、また甘夫人(劉備夫人)を保護したとされる。


この世界の趙雲はなにを考えているのか読めない癖のある雰囲気だが、印象からすれば“雲”だろう。


「あわわ・・・初めみゃして‼性は諸葛、名は亮、字は孔明でしゅ‼」

「あわわ・・・龐統・・・字は士元でしゅ‼」

「「はうっ(あうっ)・・・噛んじゃった・・・・・・」」


・・・・・・なんだ?・・・この小動物みたいな子達は・・・・・・。


孔明と士元といえば劉備に仕えた二大軍師であり、それぞれ[臥龍]と[鳳雛]という異名を持っている。


この2人の印象を例えるのなら、孔明が“慌てん坊”で士元が“恥ずかしがり屋”だろう。実際に孔明は噛んだことで少し慌てているし、士元は一刀の後ろに隠れている。


どうでもいいが、この世界のロリッ子には“噛む属性”がデフォルトで備わっているのか?


「そして・・・そちらの桃色の髪をした御仁が劉備殿ですか?」

「はっ・・・はい‼劉備 玄徳といいます‼」


いきなり指名されて慌ててお辞儀をしながら挨拶する劉備。劉備の逸話は言わずものだろう。

しかし目の前にいる“超天然少女”のようなイメージを持つ少女が劉備・・・・・・確かに一緒にいるだけで暖かい気持ちになりそうだ。


「それでライルさん・・・白蓮ちゃんを助けてくれて・・・本当にありがとうございます‼」

「俺からも礼を言わせて下さい。本当にありがとうございます」

「俺も袁紹のクソッタレがやったことが許せなかっただけだ。礼など必要はないよ」

「それでもありがとうございます。白蓮は俺達にとって掛け替えのない仲間なんですから・・・」


仲間と言われて白蓮は嬉しいのだろう。照れ隠しのように頬を書きながら顔を背ける。


「それはさておき、何でライルさんはここに?」

「ああ、明日に本命が到着するんだが、白蓮と露蘭を先に救出した俺達が先遣隊として先行してな・・・明日には分かるが先に言っておく。我等孫呉は劉備軍との同盟締結を提案する」


同盟締結という言葉に全員が驚愕する。


「詳しくは明日に俺の隊と共に周瑜殿からの使者が到着する。孔明殿、君のお兄さんだよ」

「はわわ・・・千里お兄さんでしゅか⁉」

「それと魯肅という文官だ。明日に到着するから、詳しい内容はその時に・・・・・・」

「分かりました。今はひとまずおいといて・・・夏侯覇さん」

「んっ?なんだい?」

「夏侯覇さんはこれからどうしますか?よかったら曹操軍にまで送り届けますが・・・」

「冗談はよしてくれよ。今更戻ったって華琳が何て言うかわかんねえしな・・・」

「それは以下用か?」

「俺って昔は華琳の親衛隊にいたんだけど・・・やたらに規律が厳しすぎるし、百合百合しいのは苦手なんだよなぁ・・・」


そういいながら露蘭は表情を苦々しくする。親衛隊なら規律が厳しすぎるのは分かる。けれども百合百合しいのは俺も苦手だ。

彼は性格的に自由を愛しそうだから、過度に縛られるというのは我慢出来ないだろう。


「なら私達の仲間にならない?」

「姉上⁉」

「俺を・・・仲間に?」

「うん♪」


そういいながら劉備はまぶしすぎる位に無垢な笑顔をして答える。配下としてではなく仲間とは・・・。


「俺も桃香に賛成だ」

「鈴々もなのだ‼」

「夏侯覇殿は武にも長けていると見た・・・私個人としても興味がありますな」

「私も賛成です。今は少しでも力を蓄えないといけないから、夏侯覇さんが加わって頂けると大助かりです」

「(コクリコクリ)」


劉備達は関羽を除いて賛成みたいだ。


「霞達はどう?」

「うちも構えへんで、それにうちとえらい気が合いそうやしな♪」

「桃香様や一刀様が望まれるのでしたら従うまでです」

「・・・恋も構わない。家族、また増えて嬉しい」

「恋殿が仰るのでしたら構わないですぞ‼」

「私も構いません・・・ねえ、詠ちゃん?」

「月がこう言ってるんだし、私も戦力が加わるんだったら構わないわよ」


霞達も賛成の意向だ。それを聞くと一刀は関羽に話しかける。


「愛紗はどう?」

「わ・・・私は皆がそういうのでしたら構いませんが・・・」

「じぁあ決まりだね♪」


どうもこの世界の関羽は見る視野が少し狭いようだ。まあ、まだ16歳かそこらと考えれば納得の理由ではあるが・・・・・・。


「それでどうかな?」

「う〜ん・・・・・・あんた等は悪い奴等じゃ無いみたいだし・・・・・・・・・分かったぜ、あんた等の仲間に加わるぜ‼」

「うん♪それと私のことは桃香って読んでね?」

「分かった♪だったら俺もあんた等に真名を預けるよ。真名は露蘭っていうんだ。よろしくな♪」


これで夏侯覇こと露蘭の劉備軍入りが決定した。その後も簡単な打ち合わせが行なわれて、詳しい軍議は明日に持ち越されることになった。

俺も劉備からあてがわれた客室に案内され、本隊の到着まで待機する事になった・・・・・・・・・・・・。

白蓮と露蘭が劉備軍の仲間に加わる事になった次の日。ようやくアレックスが指揮するウルフパック本隊が到着した。

同盟締結が進められる中、不釣り合いの空気が流れる。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[同盟締結]

色んな意味で苦戦する。

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