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第45話:仁徳王と白馬の再会

一刀達の前に飛来したオスプレイ。そこから現れた人物に驚かされる。

桃香と一緒にいた時に聞こえて来た奇妙な音。この時代にはあからさまに不釣り合いな機械音・・・ローター音に感知して、俺は白い寝間着のままで帯に神龍双牙を差し、急いで城の中庭に向かった。


「ご主人様‼何事ですか⁉」

「敵なのかお兄ちゃん⁉」


桃香に呼びつけられて愛紗や鈴々、星、朱里、雛里、恋、霞、嵐、ネネ、月、詠という劉備軍重鎮達も駆けつけて来て、敵襲を知らせる銅鑼も鳴り響いた。

そして全員が夜空を見上げると、信じられない光景が広がっていた。


「なんやなんや⁉あのでっかい鳥みたいなんは⁉」

「物の怪か⁉」

「・・・・・・・・・」

「どんな奴でも恋殿の敵ではないのですぞ‼」

「へぅううう〜・・・詠ちゃん・・・」

「大丈夫‼月は守るんだから‼」


全員が見上げた空にあったのは漆黒のカラーリングにローターを上に向けてヘリコプターのように滞空している軍用機、オスプレイだ。


「ご主人様‼あれなんなの⁉」

「姉上はお下がりください‼危険です‼」

「はわわ・・・ご主人しゃま⁉」

「あわわ・・・鉄の鳥でしゅ⁉」

「みんな落ち着いて‼敵じゃなさそうだ‼」


そういうとオスプレイはゆっくりと中庭に着陸して、独特のエンジン音が小さくなるとやがてローターが回転を停止した。

全員がそれぞれの得物を手にして警戒し、俺も両手に神龍双牙を手にしてゆっくりと歩みよる。


「中にいる人‼すぐに出てくるんだ‼」


そういうとオスプレイの後部ハッチがゆっくりと音をたてて開いて行く。


「一刀‼下がるんや‼」

「ご主人様⁉」

「みんな待って‼」


俺が制止するとハッチが完全に開き、周辺から焚かれている松明の明るさで人影が映し出される。

そしてそこにいたのは洛陽で別れた俺と同じく異世界から来た海兵隊員だ。


「北郷君‼」

「やっぱりライルさん‼」

「ライルやて⁉」

「ライル⁉」

「・・・ライル」

「あいつですと⁉」

「へぅう、ライルさん⁉」

「あいつが何でここに⁉」


俺も含めて全員が驚愕する。なにしろ目の前に孫策軍に参加したライルさん達が軍用機に乗ってやって来たのだ。

ライルさんはゆっくり歩み寄ると俺に踵を鳴らして敬礼をして来た。俺も敬礼で返すとけいを解いた。


「夜分遅くにすまない。火急の任務が有ってな」

「任務ですか?」

「そうだ、話したいんだが・・・すまないがまず全員に武器を降ろさせてくれないか?」


そう言われて皆を見ると、愛紗達が武器を構えたままだった。特に愛紗に関しては警戒心が強く感じられる。


「愛紗、ひとまずは武器を下げてくれない?」

「・・・・・・ライル殿、なぜ貴様がここにいる?」

「それは話させて頂くが、まずは偃月刀を降ろしてくれ。話そうにも話せない」


ライルさんから敵意が無いと悟ったのか、愛紗は警戒しながらも偃月刀を降ろした。


「これで降ろしました。けれども何でライルさん達はここに?」

「実は君達にまた保護して欲しい人物がいる」

「なっ⁉そんなことでこんな夜分に来たのか⁉無礼にも程があるぞ‼」

「落ち着いて愛紗・・・それでその保護して欲しい人は?」

「直接会った方がいいだろう・・・・・・出て来て大丈夫だ‼」


ライルさんが叫ぶと同じ装備を身に付けた部下の人達に守られながら、出て来た女性に俺達は驚きを隠せなかった。


「まさか⁉」

「北郷・・・・・・」


死んだと思われていた白蓮が現れたのだから。そして彼女の姿をみて桃香は涙を流しながら駆け寄って来た。


「白蓮ちゃん⁉」

「桃香・・・」

「白蓮ちゃ〜〜ん‼‼」


白蓮の名を叫びながら桃香は彼女の胸に飛び込んで行く。白蓮もそれに少し戸惑いながらしっかりと受け止めた。


「うぐっ・・・・・・ひく・・・よかったぁ・・・・・・白蓮ちゃん・・・生きてた・・・・・・死んじゃったって聞いてたから・・・ひっく・・・」

「桃香・・・ああ・・・ライル達が助けてくれてなかったら今頃は袁紹に殺されてた・・・」

「ライルさん・・・これは一体・・・・・・」

「孫策軍の細作が彼女が捕らえられているという情報を掴んでな・・・・・・民や捕虜に対して大虐殺したというのも・・・」

「それは聞いてます・・・・・・あの女には必ず罪を償わせてやる」

「俺達も同じ意見だ。詳しい話は中でいいか?」

「はい、玉座に案内します」

「頼む。それともう1人頼めるか?」

「もう1人?」

「そうだ・・・露蘭」


そういうとライルさんは露蘭っていう人を呼んで、俺の前に駆け寄って来た。俺と少し年上という感じがする人だ。


「なんだ、ライルの兄貴?」

「君の事を紹介しようと思ってな・・・その前に北郷君に言っておくが、くれぐれも驚くなよ?」

「驚く?」

「すぐに分かる・・・・・・露蘭。この少年が劉備軍を纏めている1人で、“天の御遣い”と呼ばれている北郷 一刀殿だ」

「初めまして、北郷 一刀です」

「あんたが噂の御遣いかぁ・・・・・・俺は夏侯覇 仲権ってんだ。よろしくな♪」

「・・・・・・・・・・・・はい?」


予想通りの反応を見せて俺は固まってしまう。なにしろ時系列的にも存在がおかしい夏侯覇がいるのだ。当の夏侯覇は何故固まっているのか理解出来ずに頭をかしげている。

そんな状況から何とか脱出して、兵達を宿舎に戻すと俺達はライルさんを連れて玉座に向かった・・・・・・・・・。

劉備軍に白蓮と露蘭を保護させたライル達。そのすぐにライル達は行動の理由を説明する。

次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[緑に降る騎士]

魏の名門出身者。仁徳王に降る。

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