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第36話:群狼の巣

自分達の基地を建設中にライル達に新たな仲間が訪れる。

俺達が孫呉に降って2週間が経過した。俺達は現在、建業と浦口を挟んだ長江の真ん中に点在する潜州島にいる。

ここには孫策水軍の拠点の一つである潜州水城がある。元は水軍の活動拠点の一つだったが、部隊が寿春城に転属となったので、冥淋殿が俺達に提供したのだ。

もちろん過半数は参道してくれていたが文官・・・特に初老の連中が反対していた。

そこを好きに手を加えてよいというお墨付きも貰ったので、現在は城の補修作業と施設の建築及び解体、防衛体制の強化に励んでいる。


「司令部の監視装置の設置はどうなった?」

「警報装置の接地は完了です。網膜スキャンと監視カメラも保安室に接続しました」

「了解だ。大体の作業は完了だな・・・昼休憩の後にアラートの試運転を行なう。伝達が完了したら昼食にしよう」

「了解しました」


部下に指示を出すと部下は伝達する為に駆け出す。作業を3つに分けており、俺が指揮するA中隊は主に警備設備の設営だ。

アレックスのB中隊は設備の構築と防御兵器の接地。

レオンのC中隊は雪蓮殿がよこしてくれた職人達と共に内部にある港設備の改良と水門と城壁の強化。

全体的な作業が完了が完了したら、最後に城外にトラップを設置していく。これが全体的な作業の流れだ。


「お〜い、ライル」


振り向くとホットドッグを頬張るアレックスがこちらに歩み寄っていた。


「よう、そっちも昼休憩か?」

「ああ。ヘリポートと格納庫の設置は完了だ。休憩が終わったら訓練設備を建築する。そっちは?」

「こっちは概ね完了だ。作業が遅れている所に人を回すよ」

「助かる。レオンの方も明日までに完了するらしい。車両を搬入させるか?」

「そうたな・・・一先ずはヘリを先に駐機させよう。水上輸送部隊に伝達しておく」

「あいよ。それより今日だったよな?」

「何がだ?」

「あのな・・・冥琳殿から軍師が派遣されるだろ?」


アレックスがそういうと数日前に行なわれた打ち合わせの内容を思い出す。

確か俺達の孫呉参加に反対している雪蓮殿の祖母である孫静が筆頭としている、保守派連中を納得させる為の処置らしい。表向きでは監視だが、実際は保守派連中の情報を俺達に中継する為の架け橋だ。


「失礼します。ライル将軍とアレックス将軍ですか?」


名前を呼ばれて振り向くと、青年が1人いた。

金髪のショートウルフカットに“呉”の漢字が入った赤色のベレー帽。黒の内着の上に金色のラインが入った赤色の袖無しロングコート。白一色のズボンに騎馬用ブーツと思われる履物を身につけ、背中には僧がよく持っている錫杖と槍が合わさったような得物を背負っている顔立ちが整った好青年の印象が強い。


「君は?」

「はい、周瑜様の命を受けてライル様の下に派遣されました性は諸葛、名は瑾。字を子瑜と申します」


諸葛瑾と名乗る青年は揖礼の姿勢をして挨拶をする。


「君が冥琳殿が言っていた軍師か。俺が部隊を率いているライル・L・ブレイドだ」

「副官のアレックス・ヴォードだ。貴官の就任を歓迎する」

「はい。それと今後はご遠慮なく私の事を千里(せんり/諸葛瑾の真名)とお呼びください」

「はい。宜しくお願い致します」


なかなか礼儀正しい青年だ。


「一つ聞きたいのだが、もしかして徐州の劉備軍にいる諸葛亮 孔明の兄か?」

「はい、孔明は私の妹です。ご存知なのですか?」

「直接は会ったことはないがな・・・どんな子なんだ?」

「はい、とても出来がいい妹で料理も上手いし頭もいい。しかも可愛らしい上に慌てた時の反応なんかはそれはもう・・・・・・」


妹の事になった瞬間に彼は自慢話を始めた。妹思いのいい兄とも思えるが、少しだけ引いてしまう。


「そ・・・・・・そうか・・・そんな立派な妹が配下にいるんだから・・・天の御遣いも幸せだろう・・・・・・・・・な?」


一刀の話になった瞬間に彼の反応が急に変わった。それも自慢話がパタリと止んで、彼は俯いている。


「・・・そうなんですよね・・・・・・天の御遣いって吹いている何処ぞの男に仕えてるんですよ・・・・・・しかも妹は可愛いから・・・」


何やら彼の背後に黒い炎が見える気がした。


「・・・朱里はとっても可愛いから、性欲に駆られたケダモノ状態の野郎が・・・あんなことや・・・こんなこと・・・まさかそんなことまで・・・・・・」

「あ・・・あの・・・・・・千里君?」


ドン引きの状態で何とか俺が話しかけるが、その瞬間に彼は上を見上げる。それも物凄い殺気を込めてだ。


「だぁあああああああああ‼‼こうしちゃいられねえ‼朱里が魔の手に掛かる前に助けださねぇと‼」

「「‼⁉」」


いきなり口調が凶暴になって俺とアレックスは空いた口が塞がらなかった。すれと彼は背中の錫杖“翡翠杖”を手にして徐州がある方向を見て走り出した。


「お・・・おい⁉何処に行くんだ⁉」

「決まってらぁ‼可愛い妹をクソッタレから救い出すんだよぉ‼」

「ちょ・・・⁉おま・・・⁉」

「しゅりぃいいいいいいいい‼いまお兄ちゃんが助けにいくぞぉおおおおおお‼‼」

「「とにかく落ち着けぇええ‼⁉」」


その後、バーサーカー状態に突入した千里を気絶させて場を納めた。そして2人からの印象は合致した。


“超極度の妹バカ”だと・・・・・・・・・。

業務の一つである訓練を行なう南郷と訓練担当官達。そこに雪蓮殿達が強烈な助っ人を連れて来た。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[女性版ハートマン軍曹]

鍛練に珍事件が起こる。


キャラクター設定

諸葛瑾 子瑜

冥淋殿に仕えている将来が有望視された軍師。文武両道に加えて才色兼備の持ち主で、性格も紳士的なので性別を問わず人気が高い。


軍人としての使命感も厚く、雪蓮殿達からの信頼も厚いが妹である孔明のことになるとあり得ない位に暴走して口調も凶暴化する。

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