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第35話:諸侯の反応

ライル達が呉に降る。その事実は瞬く間に広まる。

孫呉が天の軍隊を配下に納める。この事件は瞬く間に各諸侯に知れ渡った。その情報は一刀と劉備が治める徐州にも齎されていた。

そして徐州の中心地である下邳城の玉座では劉備軍の重鎮達が集まっていた。


「・・・呉からの情報は以上になります」

「やっぱり・・・ライルさん達は呉に入ったんだね?」

「ご主人様は薄々勘付かれておられたのですか?」

「うん、まあ・・・何となくだけどね」


関羽からの問いに対して一刀は簡単に答える。玉座にいるのは一刀と劉備、関羽、張飛、孔明。他に霞、嵐、恋、ねねの8人だ。

趙雲と鳳統は兵の鍛練で徐州北部にある東海で、表向きには死んだことにされている月は専属侍女長として詠と共に仕事をこなしている。


「朱里ちゃん。他に何かないかな?」

「はい、実は袁術軍に加勢した時に新しい兵器を使ったらしいんですが・・・・・・」

「なあ朱里、どんな兵器なん?」

「はい・・・信じられないんですけど・・・・・・細作によりますと、全身が鋼鉄で出来た火を吐く車に水から出て来て、陸に上がると中から兵士が現れる車。それと剣を振るった音を出す空を飛ぶカラクリらしいんです」

「物の怪かなんかだしよったんかいな・・・ライルは?」

「一刀様は何かご存知なのではありませんか?」

「今ので分かったよ嵐」


その言葉で全員・・・・・・立ちながら居眠りをしている恋と見とれているねねを除いてだが。


「ライルさん達が使ったのは戦車と戦闘車、それにヘリコプターっていう兵器だ」

「お兄ちゃん、それは何なのだ?」

「判りやすく話すと俺の世界の兵器だよ。軍隊では必ず見掛けるんだ」

「はわわ・・・天の国の兵器でしゅか⁉」


天の国の兵器と聞いて孔明は台詞を噛みやすくなる“はわわ軍師”となってしまう。そんな彼女は確かに可愛く、和み役にもなる。


「はいはい、落ち着こうな朱里」

「はぅあ〜」


自分の主に頭を撫でられて喜ぶ孔明。周囲から撫でて欲しいという視線が一刀に集中するが、咳払いをして場を戻す。すると霞と嵐が妙に輝いた表情をし始める。


「ま、ライル等がうち等の仲間にならんかったんはしゃあないけど、それやったらもう一片だけライルと闘いたなってきたで‼」

「うむ‼ライルとは本気の一戦を交えたいものだ‼」


武人としての誇りが疼いたのか、2人の背後には真っ赤な炎が燃えているように見えた。すると何時の間にか目を覚ました恋が2人の裾を引っ張って注目させる。


「なんや恋、起きとったんかいな?」

「・・・霞と嵐、ライルと闘うの、ダメ」

「呂布?」

「・・・ライルは恋の大事な家族・・・霞と嵐も恋の家族。家族は仲良くしなきゃダメ」


いかにも恋らしいことを言いながら2人を見る恋。その純粋な瞳は破壊力抜群で、その状態でお願いをされると、いつもこちらが折られざる得なくなる。


「はぁ〜、確かにせやな。本音ゆうたら勝てるとは思えへんからなぁ」

「うむ・・・・・・」

「しかし・・・当面は呉の動きには注意を払う必要があるのは事実。細作には優秀な者を向かわせましょう」

「任せるよ愛紗」


そういうと隣国である呉の対応を話し合う。




一方で予州西部にある許昌。この街は“乱世の奸雄”こと曹操が最初に魏の首都に定めたことで有名で、実際にこの世界の曹操もこの街を中心地としている。

そして許昌城のとある一室。2人の女性がいた。1人はツインテールにウェーブを掛けた金髪をした少女。そして全身から“覇気”を醸し出している。彼女こそが魏王とも覇王と称される曹操 孟徳だ。


「そう・・・あの部隊は呉に降ったのね?」

「ああ、今朝方呉から帰還した細作からの報告だ」

「その者に十分な報酬を用意しておいて、出来るだけ奮発を」

「わかっているさ、華琳(かりん/曹操の真名)」


曹操のことを真名で、なおかつタメ口で話している長身の女性が報酬を容認する。

曹操と同じく金髪だが、膝まで伸びる髪を束ねて、黒いノースリーブのハイネックシャツと紫紺の服を身に纏った大人の女性。彼女の名前は曹仁 子考。


魏では攻撃よりも守備や防衛を得意とされ、今の今まで彼女の防衛を破られたことがない。そのスタイルから“魏の大盾”の異名を持つ。


「だけど・・・この鉄の車はともかく、空を飛ぶカラクリはにわかに信じ難いわね・・・」

「だが実際に壊滅した袁術軍はこれらの兵器に甚大な損害を受けたらしい。しかもあの男の部隊には損害無し。孫策軍にも被害は最小限に抑えられたみたいだ」

「季琳(きりん/曹仁の真名)、呉への細作には優秀な者を向かわせて。可能ならその兵器の設計図を・・・・・・」

「分かった。早速選別をしにいく」

「任せたわ。それよりも今夜・・・」

「私にそんな趣味はないと何時も言っているだろ?」


そういうと曹仁は曹操の執務室から退出する。暫く見送ると曹操は微かに笑っていた。


「面白くなって来たわね・・・私の誘いを断って呉に組する。・・・・・・ライル・L・ブレイド・・・・・・いつか必ず私の前にひれ伏せさせて見せるわ」


強敵出現に闘志を燃やす曹操。自らの覇道を成就させる為に必要なのは野心。曹操は窓から魏の牙門旗を眺めるのであった・・・・・・・・・。

孫呉の一員として迎え入れられたライル率いるウルフパック。活動拠点構築中に1人の人物が派遣される。


次“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[群狼の巣]


新たな仲間が加わる。


キャラクター設定

曹仁 子考

曹操を支える武将の1人で、“魏の大盾”という異名を持つ防衛のスペシャリスト。

魏の中では珍しく百合属性を持たず、曹操からの誘いを軽く断る。

性格は冷静で、余程の事でも無い限りは怒りに任せることはない。


愛用する得物は斬馬刀“(あまつ)

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