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最終回:A Marine Corps's Pride

あれから5年後。銀狼と呼ばれた英雄は平和ん満喫していた。

乱世が終わり、泰平の世が訪れて5年の月日が経過した。戦で荒れた街や集落は復興し、様々な商人が訪れて活気を見せる。焼け果てた木々は縁々を取り戻し、畑も実りを見せる。


乱世を終わらせた各国は呉、蜀、魏、五胡を中心とした新たな統一国家を建国。


その名は‘‘晋”。


かつてどのような形であれ、信じる道より平和な世界を作ろうとした司馬懿の願いを組んだ名前だ。


そして平和の象徴である‘‘天の御使い”こと一刀を皇帝とし、それぞれ呉を蓮華、蜀を桃香、魏を華琳、五胡を亜瑠刀(あると/姜維の真名)がそれぞれ王として領土を統治し、何か不測の事態があれば連携して対処にあたることとなった。


あれから王の地位を蓮華に譲渡し、俺の妻となった雪蓮とライル自身はというと………。


「すぅ……すぅ……」

「ふふっ……まるで大きな子供ね」


森の中にある小川の川岸にある木陰で雪蓮に膝枕をして心地良さそうに寝息をたてながら寝ていた。


ライルは新国家建国で一刀達の要望で相国の役目を承諾。日々忙しながらも充実した毎日を送っていた。

そんなライルを雪蓮は髪を撫でながら微笑む。


そして横に伸ばされた右腕の中からも小さな寝息が聞こえる。


「……本当に子供が2人いるような感覚ね」


そういいながら少しだけ自然をずらす。愛しきライルの腕の上ではもう一つの宝物が寝息を立てていた。


名前は孫紹 雷伯。真名を‘‘春蓮(しゅんれん)”。


二人して小川で遊び疲れた後の昼寝タイムである。頭を撫でていると不意に手が重ねられた。


「どうしたんだい雪蓮?」

「ふふっ…起こしちゃった?」


いつの間にか目を覚ましていたライル。2人は互いに笑顔で手を握り合う。


「本当に気持ち良さそうに寝てたわね♪私も寝ちゃいそうだったわ♪」

「すまないな、俺達だけで寝てしまって……」

「ううん♪ライルの可愛らしい寝顔を見れて役得よ♪春蓮もよく寝てるしね……」


父親が目を覚ましても心地良さそうに夢の中にいる愛娘。呉の宝でもある春蓮は非常に明るくて人懐っこく、性格も母親みたいに無邪気。ライルと雪蓮にとってまさに宝だ。


「平和だな…」

「そうね…」

「普段が忙しいからな……せめて娘と会える時くらいには平和を満喫しておかないと…」

「相国になっちゃった以前にライルは私の旦那様で春蓮のお父さんだからね♪

そ・れ・に〜♪イチャイチャしてくれないと私も拗ねちゃうわよ〜♪」

「はははっ……拗ねられたら困るな……「ん〜」おっ?」

「あら、起こしちゃった?」


まだ眠いのか、目を擦りながら目覚める。そして寝ぼけながらも辺りを見渡し、ライルの顔を見つけると暫くしてから笑顔となる。


「おはよう春蓮」

「……ととさま〜‼︎おはよ〜ございます‼︎」

「あれ?かかさまには言わないのかい?」

「かかさま〜‼︎おはよ〜ございます‼︎」

「はい、おはよう♪」


元気に挨拶しながら春蓮はライルに抱き、ライルと雪蓮は春蓮の頭を撫でてあげる。

すると春蓮は本当に嬉しそうにきゃっきゃとはしゃぎだす。


「よく眠れたか?」

「うん‼︎あのね‼︎ととさまとおひるねするとぽかぽかするの‼︎」

「あら?いい子ね春蓮は♪お母さんもお父さんとお昼寝するのは好きよ♪」

「わ〜い‼︎かかさまとおそろい〜‼︎」


嬉しそうにきゃっきゃとはしゃぐ春蓮。すると彼女から可愛らしく小さなお腹の音がなる。


「ととさま〜?しゅんれんおなかすいちゃった」

「もうそんな時間か………よし‼︎じゃあ久々にレオンの店で食べるとするか」

「うん‼︎」

「じゃあ春蓮は何を食べたい?」

「う〜んと…えっとね〜………おむらいす‼︎」

「確かにレオンのオムライスは美味いからな………じゃあ俺もオムライスにしよう」

「あっ♪だったら私もオムライスに決定〜♪」

「わ〜い♪ととさまとかかさまとおそろい〜♪」


そういいながらライルは少しだけ雪蓮の膝枕に名残惜しいが立ち上がり、春蓮の右手を繋いで歩く。その際に左手を雪蓮が繋いでいる。


「ねぇねぇととさま〜」

「何かな?」

「しゅんれんね〜♪ととさまだ〜いすき‼︎」

「そうかそうか♪」

「それでね〜♪かかさまもだいすき‼︎」

「あらあら……ありがと♪」

「それでねそれでね♪ととさまとかかさまがなかよしならも〜っとだいすき♪」


娘の無邪気な気持ちに嬉しく感じ、自然と笑顔となるライルと雪蓮。そんな平和な雰囲気を出しながら3人はスレイプニルに乗って建業へと戻る。





乱世が終わり、この国に再び平和が訪れた。だが未だに小規模な賊は出現し、いずれは外界からの侵略も始まるだろう。


だが、たとえ困難な試練が待ち構えていようとも、互いに手を取り合い、協力し合う彼等なら乗り越えていくだろう。


新たな種は地に根を伸ばし、幹を成してやがては実り、新たな命を育む。


この国は確かに始まったばかりだ。だが彼等には強力な味方がいる。始めは董卓軍に仕え、落ち延びた後に呉に帰従し、重要な局面で運命を左右した海兵隊。


彼等は自らの危険を顧みず、国家の危機になると鋭い矛となり、鉄壁の盾ともなる。


そんな彼等を民は英雄と讃える。だが彼等は英雄でなくてもよい。彼等はただ、己の大事なものを守り通す為に……更には大事な存在を守る為に武器を手にする。


そしてライルも雪蓮と春蓮、更には仲間達という代え難い宝物の為に戦い続ける。


それこそが彼の戦う理由。それこそが……………。












‘‘A Marine Corps's Pride”




‘‘海兵隊の誇り”だから……………







今回の話をもちまして‘‘真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”は最終回となります。

投稿開始から実に1年5ヶ月………実に長かったようであっという間の期間でした。これも支えて下さりました皆々様方のお陰であると自負いたしております。


ここに改めまして皆様に感謝の気持ちをお伝えすると同時に、同じ時系列となる新作‘‘真・恋姫†無双 二筋の刀を持つ天の御遣い”の新連載をここに公表させて頂きます。


こんな私でありますが、これからも皆々様方の為にも外史を広げていきたいと思っております。


これからも皆様の変わらぬ声援を何卒宜しくお願い申し上げます。



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