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第218話:意志

曹操を追跡するライル。彼は一刀と共に決着を付けるために駆け抜ける。

千里の祈祷成功をキッカケとして開始された連合軍による大反抗。サイファーと祭殿による火計も成功し、アレックス達も部隊を逐一戦線に投入していく。

対する魏軍は予想すらしていなかった俺達の猛攻により大損害を蒙り、ダン率いるハンター3と劉備軍による後方撹乱により退路もズタズタにされたことで混乱していた。


愛馬のスレイプニルを駆り、残敵を次々と仕留める俺は最終ターゲットである曹操の捜索に全力を注いでいた。


「そこを退け‼︎逃げるなら今のうちだぞ‼︎」

「ぐあっ⁉︎」

「ぎゃっ⁉︎」


立ち塞がる敵をショートグレイブやHK416で確実に仕留めていく。偵察機であるレイヴンからの情報では曹操は全軍に退却命令を出したようであり、奴自身も逃亡を開始。


予測逃亡ルートは二つある。


一つは夏口とを経由して遠回りしながら汝南に向かい、そのまま許昌へと帰還するルート。


もう一つは乱戦となっている華容山を突破し、南郡より北進して樊城を経由して新野へと向かうルートだ。誰もが曹操の脱出先が許昌だと思うだろうが、相手はあの曹操。そんな単純なルートは使わないだろう。


だから俺は華容山へと全力で向かっていた。この先に曹操がいる。そんな気がしたのだ。


「ウルヴァリンからストーム‼︎曹操は発見できたか⁉︎」

<こちらストーム‼︎だめです中佐‼︎大乱戦の影響で曹操を捉えることが出来ません‼︎>

「くそっ⁉︎奴が山を越える前に捕縛しなきゃならないのに‼︎…イリーナは引き続き曹操の索敵を実施せよ‼︎ウルヴァリン out!!」


レイヴンでも索敵は困難のようだ。俺はスレイプニルの速度を更に速め、立ち塞がる敵を踏み潰しながら華容山へと入っていく。

華容山は既に星達が魏軍と激戦を繰り広げている最中であり、辺りからは劉備軍兵士と曹操軍兵士による釜競り合いが繰り広げられていた。

加えてそこから時折聞こえてくる4.6mm弾と5.56mm弾、7.62mm弾の発砲音。すぐにこれがハンター3による射撃だということが分かった。


すかさず左手でHK416を構えつつ前進していると、見慣れた人物がいた。


「一刀‼︎」

「ライルさん‼︎」


増援としてやって来ていた一刀だ。俺は近くにいた敵兵をHK416で仕留めつつ、一刀に近付く。


「戦局は⁉︎」

「こちら側の圧倒だ‼︎曹操軍は各地で敗退している‼︎そっちは⁉︎曹操を見たか⁉︎」

「東で愛紗達が夏侯惇達を押さえてます‼︎少し前に曹操が西に逃げたらしいです‼︎」

「案内できるか⁉︎」

「逃げた経路なら‼︎」

「乗れ‼︎」


そう促し、一刀は敵を斬り伏せながらスレイプニルに跨る。それを確認したらすぐにスレイプニルを走らせ、西へと急行する。


「一刀‼︎どっちだ⁉︎」

「最後に目撃されたのはこの先の関です‼︎」

「ストーム‼︎指定箇所にレイヴンを回せ‼︎」

<了解です‼︎>


イリーナにレイヴンを回すよう指示して、俺達も大急ぎで関へと向かう。向かって来る敵を俺はショートグレイブ、一刀は心龍双牙で斬り伏せ、時には手榴弾を放り投げて集団を一網打尽とする。


暫くしてからその関が見えて来たが、俺達は若干の衝撃を受けることとなる。


「くそっ⁉︎関が⁉︎」

「道が閉ざされている……」


関は追撃を阻止する為に崩落されていて、落石にて門が封鎖されていた。流石にここからの追撃は不可能と判断した俺は無線に手を向かわせる。


「ウルヴァリンからストーム‼︎追撃ルートが塞がれた‼︎別のルートはあるか⁉︎」

<待って下さい‼︎…………ありました‼︎そこから200mほど戻って下さい‼︎そこから獣道で反対側に回り込めます‼︎>

「了解だ‼︎out!!」


すぐに馬を翻し、急いで来た道を逆走する。200mほど進んだ地点に到着して周囲を警戒しつつ、獣道を探すが幸いにもすぐ見つかった。

俺は一刀にアイコンタクトを送り、一刀も意味を理解したようで頷く。


それを確認してスレイプニルを獣道へと突入させる。辺りは薄暗く、所々で枝がはみ出ていたがそれをかわしつつ、獣道を離脱した。


「獣道を抜けた‼︎曹操は確認できたか⁉︎」

<確認できてます‼︎曹操は近くにいます‼︎そこから北に約400‼︎ですが周辺には魏兵が展開しています‼︎>

「居場所さえ分かればこっちのものだ‼︎後は奴を捕まえてチェックメイトを掛けるぞ‼︎」

<了解です中佐‼︎ご武運を‼︎>


ようやく曹操を捕捉できた。俺達は通り過ぎる敵兵を無視しながら前進。一日で千里を駆け抜けると言われる赤兎馬のスレイプニルなら数十秒で到着する距離だ。


敵兵を薙ぎ払いながら前進し、やがて開けた場所でその姿を確認できた。


「見えた‼︎」

「見つけたぞ曹操‼︎」


こちらの存在に気が付いて振り向く曹操。そしてその護衛には厄介なことに牙刀。奴はこちらに赤龍偃月刀を掲げ、曹操の退路を死守しようとしていた。

そして小声で何かを話すと曹操は振り返って駆け出した。それに反応して一刀も心龍双牙を薙刀にしてスレイプニルから飛び降りて後を追いかける。


「逃がさない‼︎」

「させぬ‼︎」


一刀に向かって振り下ろされる偃月刀の刃。俺も急いで飛び降りて駆け寄り、HK416でその一撃を受け止めた。


「ライル殿‼︎」

「お前の相手は俺だ牙刀‼︎」

「ライルさん⁉︎」

「いけ一刀‼︎俺がこいつを抑える‼︎お前は曹操を………奴を捕らえろ‼︎」


そういいながら俺は牙刀を蹴り飛ばし、ロアレシーバーにまで至った攻撃で使用不可となったHK416を放棄し、ショートグレイブを構える。

一刀はそれに頷くと急いで曹操を追うが、牙刀も黙ってはいなかった。


「行かせぬ‼︎」

「お前の相手は俺だといった‼︎」

「くっ……ならば貴公を討ち倒して曹操殿の下に向かわせて貰うぞライル殿‼︎」


そういいながら赤龍偃月刀を構える牙刀。対する俺もショートグレイブを回転させて状態を確かめると中腰になって構え直す。


運命の地…赤壁。そこで互いの意志を掛けた決闘がいま始まる…………。




遂に曹操を追い詰めたライルと一刀。だがライルは一刀に曹操を任せて、牙刀との決着を付ける為に踏み止まる。

祖国の為、大義の為、家族や仲間の為。それぞれの意志が交わり合う中、ライルと牙刀による互いの誇りを掛けた闘いが始まる。


次回‘‘真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[誇り]

ライルと牙刀。最後の一騎打ちが始まる。

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