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第215話:城壁を超えろ

侍と鈴が血路を切り開く。

魏の水軍に対する火計は見事に成功した。既に水軍の鎮圧はほぼ完了し、残存戦力もこちら側の水軍が掃討に向かっている。


俺が率いる海兵隊の上陸部隊第1陣と思春率いる水軍強襲部隊は後退した敵の本陣がある烏林へと夜間強襲を仕掛けたが、敵は待ち構えて必死の抵抗を見せていた。


「そのまま撃ち続けろ‼︎敵に反撃の隙を与えるな‼︎」

「怯むな‼︎あの城壁を突破すれば曹操の頸まで一直線だ‼︎」

「了解大尉‼︎」

「盾をもっと持って来い‼︎このままじゃ狙い撃ちにされるぞ‼︎」


俺達は防柵に大盾を添えて即席の防壁を作りながら魏兵に応戦。対する魏兵も城壁を盾にしながらこちらに弓矢や投槍、更には投石機を使ってこちらに火薬入りの火玉を放って反撃する。


「くそっ⁉︎流石に反撃が厳しい‼︎」

「大尉‼︎こちらの負傷者は17名‼︎このままでは作戦遂行に支障が⁉︎」

「分かってる‼︎だがあの城壁を突破しなきゃどうにもならん‼︎思春‼︎」

「なんだ⁉︎」

「魚油爆弾はまだあるな⁉︎」

「ああ‼︎余分に持って来ているからな‼︎」

「ありったけ投げろ‼︎援護してやるから奴等を唐揚げにしてやるんだ‼︎」

「言われるまでもない‼︎甘寧隊‼︎持てる魚油を敵に投げ付けてやれ‼︎」

『応っ‼︎』

「マリーンズ‼︎3カウントで一斉射撃‼︎敵を釘付けにして投擲の機会を作れ‼︎」

『Hooah‼︎』

「ポーは投擲後に6パックを斉射‼︎魚油に引火させろ‼︎」

「了解です師匠‼︎」


俺と思春の指揮で敵の攻撃を防ぎながら準備をする。海兵隊でもHK416やHK417、Mk46Mod1、M27IARなどに新しい弾倉を送り込み、それぞれが準備する。


「3‼︎…2‼︎…1‼︎…撃てぇ‼︎」

『ウラァアアアアアア‼︎‼︎‼︎』


一斉射撃の号令で敵の城壁に多数の5.56mm弾と7.62mm弾が撃ち込まれ、その放たれた銃弾で次々と敵兵が倒れていく。


「今だ‼︎投げつけろ‼︎」


敵の攻撃が怯んだのを確認した思春は部下に魚油入りの壺を投擲させ、次々と城壁外部や内部に叩きつけられる。


「ポー‼︎今だ‼︎」

「喰らいやがれ‼︎」


魚油が散らばった瞬間、ポーは身を乗り出してM32を連射。撃ち込まれた40mmHE弾は城壁内部や側壁へと命中して爆発。その爆炎で魚油に引火し、辺りの敵兵を生きたまま焼き殺していった。

それに加えて僅かな隙が生まれ、俺はMKA1919A1を背中に預けて愛刀の政宗を抜刀すると鋒を敵に向けた。


「今だ‼︎全軍突撃‼︎前へ‼︎」

「承知した‼︎我が旗を掲げよ‼︎甘 興覇‼︎これより修羅の道へと突入する‼︎」

「大尉と甘寧将軍に遅れるな‼︎後に続けぇ‼︎」


俺と思春、ポーを先頭に全員が声を挙げながら城壁へと突撃を開始する。火傷したり何とか生き残った敵兵、投石機による阻止攻撃で被害は出るが城壁手前の急勾配となっている坂に同行していた工兵隊がハシゴを掛けて、それを使用して兵士が次々と城壁へと上がる。


俺達も部下から長槍を受け取り、それを両手でしっかり掴むと………。


「飛ぶぞ‼︎うぉらぁああああ‼︎」

「はっ‼︎」

「そらぁあ‼︎」


棒高跳びの要領で地面に突き刺すと槍のしなりと反動を利用して一気に飛び越える。

城壁内部は既に入り乱れており、敵味方がそれぞれ斬り合いをしていた。俺も敵が固まっている箇所を見つけ、飛び越える為に鞘へ納めていた政宗の柄に手を添えて氣を送り込む。


「南郷流単刀心眼術二の型‘‘雷鳴”‼︎」


流派の技である対集団戦用の型‘‘雷鳴”を繰り出す。氣が込められた斬撃で着地点にいた敵兵を切り裂いた。


「鈴の音色は…貴様等を黄泉道へと誘う道標と心得よ‼︎」


思春も着地したと同時に鈴を鳴らし、逆手に持った鈴音に加えて彼女へあげたフレイル‘‘弔鐘”で敵の頭を砕き、素早さと力と技術の3拍子を合わさった戦いをする。


「師匠と一緒に戦えてるんだ‼︎悪いが手加減してやれねぇぞ‼︎」


ポーは百足に氣を流し込んで強度を極限までに高め、そのまま向かって来る敵兵の頭を粉砕。

直後に七節棍と五節棍へと切り離し、五節棍で敵の足に絡ませて転倒させてから七節棍で頭部を貫く。

俺達は次々と向かって来る魏兵を斬り伏せ、味方部隊が城門を開門するのを援護する。やがて思春の部下が城門に取り付き、城門を開放していく。

そこからまだ外にいた生き残り部隊と後続が内部に突入していき、抵抗を続ける魏兵を駆逐していった。


「大尉‼︎味方部隊が突入を開始しました‼︎」

「よし‼︎作戦成功だ‼︎…思春‼︎後続の部隊と交代だ‼︎負傷者をかき集めろ‼︎」

「分かった‼︎」

「南郷‼︎」


呼ばれた方角を見ると後続を指揮している少佐がMk46 Mod1を携行しながらこちらに駆け寄っていた。


「よくやった大尉‼︎これで橋頭堡を確保できた‼︎」

「ありがとうございます‼︎…曹長‼︎」

「Sir!!」

「部隊の指揮を任せる俺と思春は少佐と共に前進する‼︎」

「了解です‼︎」

「任せたぞ‼︎」


ポーに部隊の指揮を一任すると俺と思春はそのまま少佐の指揮下へと入る。


「よし‼︎このままレオン達と合流してライルの支援に向かう‼︎」

「了解‼︎」

「分かった‼︎」

「いくぞマリーンズ‼︎」

『Hooah!!』


愛馬であるスレイプニルと共に別ルートより前進している中佐の下へ向かう為にMKA1919A1を構えて俺達は前進する。


激戦の中、俺達海兵隊はそれぞれの役割を全うするために只管前へと前進する…………。






上陸部隊の右翼でも激戦が繰り広げられていた。レオンと明命率いる機動打撃部隊と孫呉海兵隊第3、第4大隊は魏の精鋭である青州兵との戦闘に突入していた。

次々と味方が倒れていく中、レオン、明命、優龍、百合の4人は任務を全うさせる。


次回‘‘真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[42高地攻防戦]

小さな丘を巡って両軍が凌ぎを削る。

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