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第211話:前哨戦

魏による電撃戦。アレックスのB中隊も防衛ラインを死守する。

一刀達の方は上手くいったようだ。ハンター3からの報告によれば水軍の指揮官であった張允と蔡瑁が処断され、現段階でまだ後任者が決まっていないとのことだ。


まさか正史の諸葛亮が成し得たとされる逸話の一つを完璧にまでやり遂げるとは思わなかったが、それでも敵の指揮系統にダメージは確実に与えられた。

指揮系統への攻撃はこれで達成され、現段階で残っている難題は‘‘東南の風”に‘‘連環の計”、それに‘‘大火計”。指揮系統を攻撃できても残り3つが機能しなかったら俺達の敗北は決まってしまう。

だが既に下準備はできている。後は朱里ちゃん、千里、夏雅里ちゃんが‘‘諸葛一族奥義”というのが仕上れば猛反撃に打って出られる。


俺達は魏軍の動きを警戒して前衛の船団で指揮を執っていたが、曹操軍の一部がこちらに向かって来ているとの報告を受ける。

Mk46 Mod1を背中に背負いながらMk153 SMAW-NEで敵小型上陸艇を片っ端から撃沈していく。


「奴等に取り付かれるな‼︎水際で確実に撃沈しろ‼︎」

「17隻目撃沈‼︎くそっ⁉︎まだ来るぞ‼︎」

「船首に連弩を載せた奴を優先して叩け‼︎」


俺の指揮するB中隊は担当区画の右翼を担っている。中央には相棒のA中隊と雪蓮殿率いる孫策軍本隊、左翼にはレオンのC中隊だ。

孫呉海兵隊と水軍は他の地点で攻撃開始までの間は出陣が不可能。だからこの部隊は俺達だけで対処するしかないのだ。


SMAWの空チューブを取り外し、新しい弾頭チューブを装着させて照準を向かって来る敵船に合わせてNE弾頭をぶっ放す。


「更に後方より敵小型船多数‼︎動きが止まりません‼︎」

「弾幕を絶やすな‼︎露檮は足が遅い‼︎射程内に飛び込んできた奴等を一網打尽にしろ‼︎」

「少佐‼︎第4分隊損害大‼︎戦死者はありませんが負傷者多数‼︎救援要請が来ています‼︎」

「軍曹‼︎第5分隊を連れて第4分隊の支援に回れ‼︎」

「了解です少佐‼︎分隊続け‼︎」

「オーバーロード‼︎こちらアイアンマン‼︎前方に敵船多数‼︎火力が不足していてこのままでは上陸される‼︎大至急増援を寄越してくれ‼︎」

<こちらオーバーロード‼︎無理です少佐‼︎現在広範囲で魏軍の猛攻を受けています‼︎陸路からも魏軍の奇襲でサイクロプス隊が対応しています‼︎>

「なら火力支援だ‼︎座標アルファロメオ6-5-2-6-0-8に迫撃砲を頼む‼︎」

<それなら可能です‼︎オーバーロードからウォーハンマー‼︎座標アルファロメオ6-5-2-6-0-8に火力支援‼︎>

<こちらウォーハンマー指揮官了解‼︎座標アルファロメオ6-5-2-6-0-8‼︎効力射‼︎砲撃開始‼︎>


HQに待機しているウォーハンマーが後方よりM224で阻止砲撃を実施。砲弾が次々と船団に降り注ぎ、直撃を受けた船はそのまま沈没していく。

SMAWを置いてMk46を向かって来る先登に照準するとトリガーを引いてそのまま木片と変える。未だに向かって来る露檮に攻撃を加えるが何かがおかしい。


(おかしい……奴等にしては安直過ぎる…)


心の中で不自然だと感じていると、部下が慌てて報告しにきた。


「少佐‼︎敵の強襲部隊が出現‼︎側面を突こうとしています‼︎」

「くそっ⁉︎どこから現れた⁉︎」

「奴等撃沈した船を盾にしながら回り込んだようです‼︎数は凡そ20‼︎」


不意打ちのようだ。俺達の隙を突く為に前衛部隊の一部をぶつけて来て、その間に赤馬で側面に回りこむつめりのようだ。


「くそっ⁉︎こいつら全部囮か⁉︎」

「少佐⁉︎」

「伍長‼︎ジャベリンはあるか⁉︎」

「はい‼︎いつでも撃てます‼︎」

「すぐに持って来い‼︎上陸されたら厄介だ‼︎一気に殲滅するぞ‼︎」


そう指示すると特技兵の伍長は物資の中からFGM-148Bジャベリンを担いで来て、赤馬がいる方角にしゃがむと操作を開始する。敵の先頭にレーザーファインダーを照射してミサイルに情報を送り込む。


「目標ロック‼︎いけます‼︎」

「よし‼︎撃て‼︎」


発射ボタンが押されてミサイルチューブからミサイルが発射される。

ジャベリンには2種類の攻撃パターンがある。目標目掛けて一直線に飛来するダイレクトアタックモードと、目標の真上より急降下するトップアタックモードの2種類だ。

更にジャベリンは射手の誘導ではなく完全なFier And Forgetが採用されていて、ミサイル発射後はミサイルが自動的に目標へ飛来していく。


そして今回はトップアタックモードにしており、ミサイルは射出されてから少し離れるとロケットが点火し、そのまま急上昇。高度150mに達すると急上昇を開始し、そのまま一気に目標の赤馬に命中。それを中心に周囲の赤馬にも爆風や破片で損害を与えられた。


「目標命中‼︎いい腕だ‼︎」

「続けて撃ちます‼︎…ぐはっ⁉︎」

「伍長⁉︎」


新しいミサイルチューブに交換し再び攻撃しようとした直後、伍長の右肩に弓矢が突き刺さった。

俺はMk46を乱射しながら急いで伍長に駆け寄る。


「大丈夫か伍長⁉︎」

「いてて…くそ……右肩をやられました…」

「ここは任せろ‼︎お前は後方に下がれ‼︎」

「す…すみません」


そういうと伍長は右肩を抑えながら後方へと下がる。俺もすぐに伍長のジャベリンを手に取り、残りの赤馬に照準を合わせると発射ボタンを押した。


発射されたミサイルはトップアタックで目標の赤馬へと飛来していき、そのまま命中。うまく排除することに成功した。


「敵強襲部隊撃破‼︎」


これで敵の不意打ちを防ぐことが出来た。ジャベリンをその場に置いて残りの敵にMk46で攻撃を加え、やがて強襲が失敗したことに気が付いた敵船団が退却を始めた。


「少佐‼︎敵が引き上げて行きます‼︎」

「アイアンマンからオーバーロード‼︎敵の船団が退却を開始‼︎撃退した‼︎」

<了解ですアイアンマン‼︎>

「報告する‼︎こちらの弾薬は底を尽きかけている‼︎負傷者28名‼︎戦闘力が低下するも継続は可能‼︎アイアンマン out‼︎」


報告を終了させると俺はMk46に新しいマガジンBOXに交換させる。

前哨戦は連合軍が魏軍を撃退したことにより終結したが、こちらも損害は大きかった。何しろ俺達にも50人近くの負傷兵を出し、水軍にも軍船が何隻が撃沈されてしまったからだ。


結果は痛み分け。


もしこの状況が続くようであれば持久戦でこちらが敗北する。

一途の不安を感じながら俺達は部隊を再編成し、防御態勢を構築させる。だが俺達の‘‘切り札”はまだ敵に知られていない。

その時が来るまで何としても防衛ラインを死守してやる……………。



戦局は膠着状態に陥っていた。両軍前哨戦で損害がある部隊の再編に努め、偵察を中心に動いていた。

そこで千里と朱里、夏雅里達はある準備を始める。

この先に待つのは勝利か?

それとも敗北か?


次回‘‘真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[朱千夏]

諸葛3兄妹、心を一つにして奇跡を起こす。

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