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第21話:狼達の怒り

ライル達による袁紹軍殲滅。虎牢関で報復が開始された。

袁紹軍による非人道的行動に怒りを爆発させた俺達と董卓軍。その勢いは尋常では無い。


「この野郎‼よくも仲間を‼」

「千倍にして返してやるぞ‼」

「くたばりやがれ‼クソッタレ‼」


一般将兵達も仲間の仇を討つ為に全力を尽くしていた。そして董卓軍の最前列では董卓軍三武将が暴れまわっていた。


「あんたら絶対に許さへんで‼覚悟しぃや‼」


霞は敵集団に飛び込むと舞い踊るかのように敵を切り刻む。敵はあまりの速さに防御が追いつかず、次々と命を散らして行く。


「部下達の無念‼貴様等の命で償わせてやる‼」


速度で霞に劣る嵐は金剛爆斧を縦横無尽に振り回し、敵の身体を次々と叩き潰す。

猛将にて良将。

董卓軍の中で誰よりも自分の部下を大事に思い、それでいて部下達も彼女を信頼する。

その部下があのような仕打ちにされたのだ。許される訳が無い。


「お前達・・・・・・恋を本気で怒らせた‼」


普段は表情を変えない恋でさえも、今回は別だ。全身から凄まじい殺気を発生させ、その凄まじい“眼”で敵を睨みつけると、動けなくなった敵の身体を細切れにしていく。

その光景はまさに“真紅の呂布”。“鬼神”の名に恥じぬ動きだ。


「A中隊は中央‼B中隊は右翼‼C中隊は左翼から回り込め‼半包囲状態で敵を追い込め‼」

『Yes sir!!』


俺達も袁紹軍に対して凄まじい程の銃撃を加えていって次々と仕留める。戦闘開始から10分しか経過していないが、見る限りでは袁紹軍は確実に数を減らしている。

規模からして数は10万を超えているだろうが、虎牢関の地形では思うように動けない。

対して俺達は董卓軍と合わせても5000人弱だが、地の利も奏して次々と敵の命を刈り取る。

降伏してきた敵には即座に頭を撃ち抜き、負傷して動けなくなった敵には頭を踏み潰した。

そんな連中を見て練度や士気で大きく劣る袁紹軍は恐れていた。


「ひっ・・・ひぃいいい‼」

「化け物‼化け物だぁ‼」


袁紹軍は恐怖に駆られて1人が逃げ出すと、そこから周囲に感染していき、やがては全員に感染した。


「ライル‼あのボケ共が逃げ出したで‼」

「分かっている‼逃がしはしない‼」


そういうと無線に手を掛けると直ぐに通信を行なう。


「ウルヴァリンからウォーハンマー‼グリット1-7-3、3-0-9に砲撃を要請‼目標は退却中の袁紹軍‼クソッタレ野郎共を吹き飛ばせ‼」

<ウルヴァリン、こちらウォーハンマー‼了解です‼1-7-3、3-0-9‼効力射‼砲撃開始‼>


交信した相手は虎牢関の後方に待機していたM224 60mm軽迫撃砲を運用する部隊だ。

この迫撃砲は他の迫撃砲と比べても威力が小さい上に、平均が5kmから8kmに比べても3.5kmと短い。

しかし重量が二脚装着時でも21kgしかなく、かなりの軽量化が施されている上に、緊急時には1人でも運用出来るように設計されている。海兵隊にとって頼もしい近接砲撃になる。

撃ち出されたM888 60mm榴弾はしっかりと敵の後方に弾着して、爆発と同時に敵が次々と吹っ飛んでいく。

やがて董卓軍も回り込むことに成功して、袁紹軍は完全に退路を絶たれた形となった。

その袁紹軍は武器を構えていたが、完全に怯んでいた。


「お・・・・・・おい⁉完全に囲まれたぞ⁉」

「うるせぇ⁉そんなの分かってる⁉」

「逃げられない上に降伏しても殺される・・・・・・一体どうすりゃいいんだよ⁉」

「うるせぇって言ってるだろうが‼自分で考えろ‼」


袁紹軍兵士は互いに責任をなすりつける。すると1人の兵士が手にしていた槍を捨てて、予備の短剣を取り出して、自分の喉元に突きつける。


「そうかよ・・・・・・董卓の兵を・・・否・・・・・・袁紹みたいな愚者に付いた時点で俺達の命運は尽きてたんだな・・・だったら好きにさせてもらう‼」


そう叫ぶとその兵士は自分の喉を切り裂いて自決した。それを見た他の兵士達も同様に自分の喉を切り裂いたり、自分の身体に突き刺して次々と自決した。

この判断はある意味で正しい。何しろ自決しなかったとしても待ち構えているのは、修羅のような連中からの惨劇。

ならば幾分かはマシな地獄に向かった方がいいという判断だ。

やがて数分も経たない内に残ったのはさきほど死体を切断した武官6名。こんな奴等に部下を動かす必要はない。俺達はそれぞれの柄物を手にして突撃する。


「これで最後や‼死に晒せボケェ‼」


霞は一気に懐に飛び込むと右腕を斬り落とすとそのまま一回転しながら首を刎ねた。


「地獄で部下達に苦しめられろ‼」


嵐は金剛爆斧を回転させながら両腕を斬り落とし、敵を空高く舞い上がらせ、落ちて来たところを、渾身の一撃で叩き潰した。


「弱い奴・・・・・・死ね」


恋も目に見えない動きで両腕両脚を切断して、地面に落ちる前に胴体を切り捨て、最後に鼻より上を斬り落とす。


「獣には・・・無様な死に方が似合いだ‼」


レオンは龍舌を縦に振り下ろし、文字通り一刀両断にして、返り血を浴びながら仕留める。


「地獄に落ちやがれ‼」


アレックスも髑髏を構えながら飛び込み、身体を回転させながら首を刎ねた。その光景はまさに“死神”という名前に相応しい。


「Die you son of a bitch!!(くたばれクソッタレ‼)」


思わず英語で叫びながら神斬狼を額と腹に突き刺して、そのままこじ開けるように敵の身体を切り裂いた。


俺達の足下にはおびただしい血が流れ、身体中にも返り血がこびりついて、見る者によればその姿は阿修羅とも思える。

殲滅を確認した俺達は武器を空高く掲げて部下を見る。


「「「「「「勝鬨を挙げろ‼‼」」」」」」

『うぉおおおおおおおお‼‼‼』


勝利した俺達は地面が揺れる程の勝鬨を挙げた。その声は連合軍最後尾や洛陽にまで響いたとされる。

袁紹軍がやらかした愚策は後に[虎牢関の悲劇]と称され、袁家滅亡を加速させるキッカケとなる。更に連合軍でも指示した袁紹のただでさえ少かった信頼は地に落ち、もはや袁紹に従う陣営は無かった・・・・・・・・・。


袁紹軍を完膚無きまでに殲滅したライル達。そして洛陽でもようやく動きがあった。



次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”


[灯台下暗し]



裏の首謀者、尻尾を表す。

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