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第206話:寿春撤退戦

寿春からの撤退。殿を務める優龍が魏軍に立ち塞がる。

某等が蜀との合同軍事演習より戻った直後、寿春がある揚州一帯が騒がしくなっていた。


曹操軍による揚州侵攻。


第二次呉魏衝突である。曹魏は万全の状態で我が国に戦いを挑んで来たようであり、兵の質や数、加えて大量の兵器に軍馬。その予測兵力は50万と予測されている。


対して我が軍は国境にて大敗を喫し、揚州防衛の要である寿春城も陥落寸前となっていた。


見事としか言いようがない位に完璧な電撃戦だ。これに対して孫策様は少しでも多くの命を救う為に寿春からの撤退を決意。我ら孫呉海兵隊が味方の背後を守る殿の役割を担うこととなった。


完全に不意打ちの状態であったが、海兵隊の即応性により予想よりも兵員の損失は低い。しかしそれは孫呉海兵隊と孫呉陸軍であり、国境を警戒していた孫呉水軍の部隊は完全に壊滅した。

彼等の死を決して無駄には出来ない。某も地破豪斧を手に向かって来る魏兵を次々と仕留めていった。


「ぬぅ…敵の勢いが衰えぬ‼︎」

「将軍‼︎寿春からの部隊が橋を渡り終えました‼︎後は我々だけです‼︎」

「承知した‼︎お前達も逐一橋を渡れ‼︎味方を見捨てたりするな‼︎」

「御意‼︎」


友軍部隊が橋を渡り終えたという報告を受け、副官に部下達を渡らせるよう命じる。


まずは軽歩兵が橋を渡って対岸から弓による援護を行ない、順をおって他の部下達も続々と橋を渡っていく。

敵もそれを阻止する為に弓兵を前に出して来たが、某がいち早く気が付いて弓兵部隊に斬り込んだ。


「そうはさせん‼︎」


地破豪斧で敵の弓兵を吹き飛ばし、その勢いに任せて敵の頭を掴むとそのまま残りの弓兵に投げつけた。


「某は丁 承淵‼︎貴様ら魏に我等の仲間をやらせたりはせぬ‼︎」

「て…丁 承淵だって⁉︎」

「‘‘孫呉の牙門旗狩り”⁉︎」

「落ち着け‼︎奴は1人だ‼︎討ち取れば褒美が出るぞ‼︎束になって掛かれ‼︎」


地破豪斧の鋒を敵に向けながら覇気を当てる。敵は暫く動けなかったが、それもすぐに終わる。敵指揮官によって我に返った敵兵が一斉に襲い掛かって来たからだ。


「うぉおおおお‼︎」

「ぎゃっ⁉︎」

「爆せろ‼︎」

「ぐはっ⁉︎」


向かって来る敵兵の刀を力任せで叩き折り、そのまま回し蹴りで敵を蹴り殺して周りにいた敵兵を巻き込む。

その回転による反動を利用しながら手甲で敵を殴り倒す。近接戦闘では勝ち目が無いと判断した敵は再び弓兵に攻撃させようとするがそうはいかぬ。


「これが避けられるか⁉︎」


手甲内部に取り付けてあるカラクリにより、そこからつぶてが打ち出される。打ち出された石は敵兵の身体を貫通し、さらに後ろにいた敵を仕留める。


「将軍‼︎渡り終えました‼︎」


背後から橋を渡り終えた副官と部下達の姿。弓兵が弓を構えてこちらを狙っていた弓兵を射抜いてゆく。


副官が某に渡るよう促すが敵の状況を見る。既に周辺には多数の魏兵の死体が転がっていたが、まだまだ背後から敵の増援部隊が迫っている。


いまここで某が渡れば敵に追撃の機会を与えてしまう。そう判断した某は斬り掛かって来た敵を仕留めると地破豪斧を構えるとそのまま橋に投げ付けた。


「なっ⁉︎し・・・将軍⁉︎」

「行け‼︎仲間を守り通せ‼︎」


某が投げた地破豪斧は架け橋を回転しながら文字通り粉砕していき、最終的には対岸に深く突き刺さった。

その直後に橋は音を立てながら川へと崩れ落ち、破片はそのまま下流へと流されて行った。

これで某の退路はなくなったが、少なくとも敵の進撃速度を遅らせることは出来た。


「ふ・・・ふん‼︎見上げた覚悟だ‼︎だが丸腰で我等に勝てるとでも⁉︎」

「某は誓った‼︎必ずや愛しき呉の大地を守り通すと‼︎それがたとえ某の身体が滅びようとも貴様等のような輩から守り抜くとな‼︎」


手甲を構えながら敵に威嚇する。


「せめてもの情けだ‼︎苦しまずに討ち取ってやる‼︎」

「来い‼︎1人でも多く我が黄泉の国へとの旅立ちに付き合わせてくれる‼︎」

「貴様1人で行きやがれ‼︎」


敵は一斉にそれぞれの得物を手にし、そのまま斬り込んできた。 討ち取られる覚悟で構えるがいきなり敵の身体が次々と細切れになる。敵はいきなりの状況に唖然となり、某は川をみる。


「優龍‼︎」

「ライル将軍‼︎」


黒い小舟に取り付けられた船首の銃を操るライル将軍だ。今の攻撃はライル将軍が某を守る為に行なわれたものだ。

ライル将軍は攻撃を行なって敵を釘付けにしている。その間に小舟は川岸で停泊し、某も反応してそれに飛び乗った。


「ライル将軍‼︎なぜこちらに⁉︎」

「お前のことだ‼︎自己犠牲を払っても仲間を逃がすと思ったから迎えに来たんだよ‼︎」

「では⁉︎他の部隊は⁉︎」

「友軍は無事だ‼︎お前達が粘ってくれたおかげで千里達も離脱した‼︎後はお前が離脱したら作戦成功だ‼︎」

「…感謝します‼︎」

「例は後だ‼︎ダン‼︎フルパワーで離脱するぞ‼︎早くこの地獄から脱出だ‼︎」

「Hooah!!」


操舵手をしているダン殿は小舟を操り、水面を走るように離脱させる。脱出を許さないのか魏兵の弓兵が弓と弩を構えていたが逆にライル将軍達の銃撃により仕留められる。


その後、某はライル将軍達が回収した部下達と生きて再会出来た。寿春を始めとした揚州一帯を失うという事態に陥ったが、当初の目的である兵力の救出という目的は達成された。


我等は必ず揚州を取り戻すという決意を心に秘めながら建業へと帰還した。




曹操軍は揚州一帯を平定させる為に進軍を停止。同時に我が軍に降伏勧告を告げる使者を建業に送り出して来た……。

寿春陥落から暫く、曹操から送られて来た降伏勧告。時を同じくして使者として赴いた諸葛亮からの共闘要請。

降伏という意見が多い中、雪蓮は決断する。


次回‘‘真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[Surrender or Resistance]

孫呉の未来を見据えた決断が下る。

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