第200話番外編:メイド
200話到達記念。ライルと雪蓮の相思相愛をご覧下さい。
とある晴れた日の話だ。俺が遠征中に溜まっていた書類の整理に明け暮れていた頃、連日で執務室兼自室にて仕事をしていた。
何しろ反乱軍との戦いで孫呉海兵隊にも多数の戦死者が出てしまい、部隊の再編成が急務だ。
「ふぅ・・・ようやく7割方は片付いたか・・・流石に多いな・・・」
ある程度であるが片付けた書類を分けると俺は背凭れに凭れ掛かり、目の疲れを解す。ぶっちゃけいえばここ3日間はずっとこんな状態が続いているのだ。前の世界での事務仕事がお遊びに思える位の量だ。
しかし量が多いほど俺が期待されていると実感させられるので無下には出来ない。
ある程度目を解して背伸びをすると残りを片付ける為に事務仕事に復帰しようとするが、不意に扉がノックされた。
「ライル〜♪いる〜?」
「雪蓮か?・・・いいよ入って」
「おっじゃましま〜す♪」
「どうしたんだい?雪蓮・・・なっ⁉︎」
雪蓮が入って来て俺は彼女の服装に思わず仰け反りそうになった。
なにしろ彼女の今の格好はいつものチャイナ服ではなくフリルのついたミニスカート仕様のメイド服。加えて髪をポニーテールにして赤い縁の伊達眼鏡をかけている。
「ねぇねぇ♪どうライル⁉︎似合ってるかしら?」
「あ・・・・・・あぁ・・・す・・・凄く・・・可愛い・・・」
「やった♪」
「そ・・・それより・・・それどうしたんだ?」
「これ?昨日なんとなく物置を漁ってたら箱に入ってたのよ♪」
そういいながら彼女は俺の腕に抱きついて来た。しかも豊満な胸の谷間や太ももを見せつけているので目のやり場に困ってしまう。
いつもとは違う彼女の姿に俺は真っ赤にしてしまうがよく見たら裾の辺りにタグらしきものが見えた。
よく見ると・・・。
‘‘MADE IN ALEX”
「・・・・・・・・・・・・」
俺は暫く考え込んで、結論に達した結果・・・。
(あのやろ〜‼︎‼︎‼︎)
・・・・・・生きてきた中で最も相棒の野郎を吹き飛ばしてやりたいと心から思った。そうとは知らずその張本人はと言うと・・・・・・。
「あれ⁉︎冥琳に着せたかったメイド服がない⁉︎たしかここに閉まっておいたんだが何処いったんだ⁉︎」
倉庫から雪蓮が持って行ったことを知らないで隅々まで探していた。
「ふふふっ♪前にレオンのお店に行った時に行った時に聞いたけど、これって天の国じゃ侍女が着る服よね?」
「あっ・・・ああ・・・・・・」
「だったらぁ〜・・・今日のライルは私の‘‘ご主人様”ってことになるわね♪」
「えっ⁉︎」
「むふふっ♪ねぇライルも嬉しいでしょ?今日は私を好きなようにしちゃっていいんだからね♪」
俺は思わず息を飲んでしまった。雪蓮は俺を誘惑するように目の前で胸元を見せつけて、加えて寄せて来ている。最近はずっと仕事づったから雪蓮と触れ合う時間は無いに等しく、本音をいえばイチャつきたい。
だがまだ仕事が残っていたので出来るならそちらを片付けてからだ。
「えっと・・・ごめん・・・・・・まだ仕事が残っているからな・・・また後でにしてくれないか?」
「えぇええ〜⁉︎ブーブー‼︎いいじゃない⁉︎仕事なんで後回しにしちゃいなさいよ〜⁉︎」
「ダメなものはダメだ。それに仕事が終わったら存分にイチャつけるんだから我慢しろ」
「ブーブー‼︎私はいますぐライルとイチャイチャしたい〜‼︎」
「はぁ・・・・・・子供かきみは?」
若干だけれども呆れながら俺は筆を進める。なかなか構ってくれなあ雪蓮はしばらく可愛らしく頬を膨らませて拗ねていたが、やがて何か閃いたような顔をして俺の背後に歩み寄る。
気にはなったが仕事に集中させると不意に後頭部に柔らかい何かが当てられた。
「うわっ⁉︎し・・・雪蓮⁉︎」
「な〜に?」
「そういうのは後にしてって言ったでしょ⁉︎」
「あら?私がただこうしてるだけだし、ライルは気にしないでお仕事してていいのよ♪」
「あ・・・あのねぇ・・・」
「ほらぁ〜♪頑張れ頑張れ〜♪」
そういいながら雪蓮はより強く抱き付いてきて胸を押し当ててくる。とてもじゃないが集中できない。しかしそれでも反応を示さない俺に彼女は俺に顔を向けながら膝に座ってきた。
「ちょ・・・み・・・見えないんだが・・・」
「あらあらぁ〜♪すごく肩が凝ってるみたいですねぇ〜ご主人様♪」
「ご主人様ってね・・・とにかくどきなさい。前が見えないよ・・・」
「あんっ♪もぅご主人様ったら♪そんなに腕を動かしちゃあぶないわよ♪」
そういいながら雪蓮はメイド服のボタンに手をかけ、ゆっくりとメイド服の上を脱ぎ出す。
「ほらっ♪ライルが動くから服が脱げちゃった♪」
「き・・・君が自分から脱いだんだろ?」
「ふふっ♪どう?その気になった?」
「た・・・頼むからちゃんと服を着てくれ・・・流石に目の行き場がない・・・」
「ブー・・・・・・固いわねぇ・・・・・・じゃあ・・・」
今度は不敵な笑みを浮かべながら両手を俺の頬にあてて、顔を自身の顔に近付けてきた。
「・・・その気にさせてあげる・・・」
「しぇれ・・・ん・・・・・・」
反論を与えないように雪蓮は俺の顔を近付けて深く唇を重ねてきた。
「んん・・・ちゅ・・・んはぁ・・・ライ・・・ル・・・ん・・・」
「ん・・・ちゅ・・・んん・・・・・・」
口の中で、別の生き物のように動き回る雪蓮の舌。
最初こそは驚いたが彼女の感触には勝てず、俺も目を閉じて手を彼女の後頭部と腰に廻すとより深く彼女の舌に自身の舌を絡ませる。
やがて息苦しくなったのか雪蓮は顔を離す。彼女をみつめる俺の口から、知らず知らずのうちに溜め息のような息が漏れた。
「どうしたの?溜息なんか吐いちゃって」
「いや、雪蓮が綺麗だって改めて思ったのとそんな雪蓮の魅力に、あっさり負けちゃった自分が、少し情けなく思ったんだよ」
「ふふ♪そんな風に考えなくてもいいのよ♪好きな人と口づけ出来るのは、女の子にとって幸せなのよ♪」
「そこは・・・否定しないな」
「それより〜・・・・・・その気になった?」
「・・・・・・・・・その気にならない方がおかしいよ」
そういいながら今度は俺から彼女と唇を重ねて同時に舌を絡ませる。それを望んでいた彼女は特に驚いたりはせず、待ち焦がれていたかのように積極的に舌を絡ませる。
もう仕事は後回しでもいいや。今は愛しい雪蓮と触れ合いたい。
その後に俺達は朝まで何度も愛し合い、朝に起こしに来た華蓮には驚かれ、仕事が終わっていなかったことで冥琳には雪蓮と一緒に怒られてしまったというのは言うまでもなかった・・・・・・・・・。
次回から本編に戻ります。