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第187話:馬超と王異

錦と妖花。因縁ある2人が遂に対峙する。

レオンのウォーランス隊とアレックス率いるウルフパック本隊が茶子山の反乱軍施設を破壊した丁度その頃、漢中の定軍山では戦いが始まった。


夏侯淵が率いてる魏は定軍山で守りを固めてて、あたし達は麓から攻めてる形になってる。飴里が考えた策は、まず定軍山の麓にある拠点を制圧して魏の注意をそっちに向けさせ、その間に定軍山の隣にある天蕩山を奪取。

それが巧くいったら飴里がご主人様から前に聞いた“策”ってやつが一気に魏の本陣に雪崩れ込むらしい。


あたしと星は白馬に跨り、十文字槍の“銀閃”と直刀槍“龍牙”で敵を薙ぎ払いながら前に進んでた。


「行っくぜぇえー‼‼悪鬼の魏軍‼あたしの槍に貫かれやがれ‼」

「我は常山の趙 子龍‼我が名を聞き恐れぬ者は掛かって来い‼怯む者なら早々に立ち去れ‼」


辺りには剣や槍を構えた曹操軍があたしと星に仕掛けて来たけど、はっきり言えば弱い。敵はあたしの槍で吹っ飛ばされたら、麒麟に蹴散らされたりもする。

中には悲鳴をあげながら逃げ出す奴だって出始めた。


この調子だったらあたし達だけで本陣を陥落させられるんじゃないのか?


そう考えてると隣にいる星が龍牙を構えながらあたしを見て来た。


「翠、あまり油断していると足元を掬われるぞ」

「どうしたんだよ星?」

「うむ・・・先程から気になっていたのだが・・・敵兵の動きがおかしい」

「動き?」

「本陣の目と鼻の先だというのに、こうも容易く懐にまで飛び込めた・・・何かあると考えた方がよいだろうな・・・」

「あぁ〜・・・・・・そういえば確かにそうだけど・・・あたし達はあたし達の役割をやらなきゃな」

「ふふっ・・・愛しいお方の為にかな?」

「なっ⁉なななななな何いってんだよ⁉なんで飴里がそこで出て来るんだよ⁉」

「おや?私は一言も飴里殿だなどと言っておらぬが?」

「「★■※@▼●∀っ⁉(翠語発動中)」


戦の最中だってのに星は⁉だけどそれはすぐに元に戻されることになる。いきなり飛んで来た一本の弓矢。それに素早く反応した星は龍牙で叩き落とし、あたしも矢が飛んで来た方角に視線を送る。


「まさか本当に錦と昇り龍が来るなんてね・・・」

「張郃か⁉」


そこにいたのは城壁の上で弩を構えた張郃。右からも誰かが出てきたのでそちらに向くと・・・。


「たった二人でここまで乗り込んで来るとは・・・流石は趙雲殿と馬超殿だ」


「徐晃もかよ⁉」


赤龍偃月刀を構えた徐晃。そして・・・・・・。


「あぁ・・・・・・ようやく会えた・・・」


正面を振り向くとあたしは言葉を失った。そこにいたのはかつての親友だったけど、今は敵同士になった・・・。


「そ・・・・・・(そう)


・・・・・・王異。


「ふふふ・・・恋にも似たこの気分・・・・・・馬超・・・会いたかった・・・この時をどれだけ待ち望んだか・・・」

「あんた・・・・・・蒼・・・なんだよな・・・」

「えぇ・・・あなたに一族を殺され、復讐に囚われた哀れな女・・・」


そういいながら蒼は背中から筆架叉を取り出し、逆手で構えるとあたしに向かって掛け出した。それに反応して麒麟から飛び降り、龍牙でその攻撃を受け止めた。


「西涼の死神・・・・・・この時を幾度となく望んだか・・・一族の仇・・・・・・覚悟‼‼」

「くっ⁉」

「翠⁉」

「貴殿のお相手は私が承るぞ‼趙雲殿‼」

「くっ⁉徐晃⁉」


あたしと蒼。星と徐晃の一騎打ちが始まった。

蒼は筆架叉を左右で2回ずつ斬りつけ、左側で薙ぎ払うとそのまま右側の持ち方を変え、鋒をあたしに突き出してきたけど、銀閃でそれらを全て防ぎ、少し距離をおいて石突を地面に突き刺し、それを支柱にしながら一回転。


反動を利用しながら振り下ろすがこいつは蒼に防がれる。立て続けに石突で横っ腹を狙うけど右側の筆架叉で防がれ、すぐに刺突するけど防がれる。

そのまま勢いで穂先と石突を交互に薙ぎ払うが全て防がれて、その合間に蒼は力を込めながら右側の筆架叉で振り下ろし、あたしがそれを避けると今度は左側の筆架叉で振り下ろす。


すかさず刺突を見舞うけど逆にお腹に蹴りを食らって少し吹き飛ばされる。


「逃がさない‼大人しく散って‼」

「やめろって蒼⁉」

「死神がその名を口にしないで‼それに私は蒼じゃない‼」


睨み合いながらあたしは蒼にやめるよう促すけど、逆に斬り掛かってきてあたしと力比べになる。


「蒼という子は死んだわ・・・私の名前は王異・・・・・・西涼の死神に家族を殺され・・・ただ復讐の為だけに生きてきた・・・そして・・・・・・」

「えっ⁉」


蒼は回転しながら後ろに飛び上がり、着地と同時にあたしに凄い速さで斬り掛かって来た。


「死神の首こそが・・・・・・私が望む唯一のもの‼」

「がっ⁉」


蒼は両方の筆架叉で振り上げ、銀閃を吹き飛ばすとそのままあたしの腹に蹴りを見舞って来た。

あたしはそれをモロに受け、地面に倒れてしまった。そこに蒼が上に跨り、鋒をあたしに向けて来た。


「一族の仇・・・ふふっ・・・これで・・・・・・」


蒼はあたしの首に筆架叉の鋒を向けて・・・・・・。


「終わりよ‼‼」


あたしはそれに思わず目を瞑ってしまう。


(ごめん・・・・・・蒲公英・・・ご主人様・・・・・・)


鋒があたしの喉に迫る。


(飴里‼‼)


最後に飴里に会いたかったな・・・・・・。あたしは死を覚悟するけど、いつまでたっても攻撃がこない。気になったので恐る恐る目を開けてみると・・・・・・。


「何とか間に合ったようだね」


蒼の筆架叉を白虎で受け止めている飴里の姿があった。

それを見た蒼はすぐにあたしからどいて距離を置く。


「か・・・飴里」

「あなた・・・何者?」

「俺は徐 元直。どこにでもいる・・・軍師兼武将だよ」

「か・・・飴里⁉なんであんたがここにいるんだよ⁉策ってのはどうなったんだよ⁉」

「それなら心配ない。何とか間に合ってくれたからね」


そういいながら飴里は天蕩山を見る。あたしも気になったので振り向くとそこには・・・・・・。


「俺の義弟と義兄達がね」


天蕩山の山頂には“十文字”と“純白の夏侯旗”が靡いていた・・・・・・・・・。

長沙本城での戦いは進んでいた。ハルバート隊の奇襲を受けて動揺する反乱軍を駆逐しながらライルは孫静確保へと急行する。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[ファイアストーム 中編]

反乱軍との戦いが終幕へと向かう。

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