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第181話:スコーピオン3

武久の指揮下でスコーピオン3が臨検に向かう。

中佐達とレオン大尉が別戦線で敵を攻撃しているその頃、建業から長江より下流へ進んだ一帯。南郷大尉率いる航空隊と甘寧将軍率いる孫呉水軍強襲部隊から派遣された特殊部隊“孫呉水軍強襲陸戦部隊”通称“SEAL,s”がそこに向かっていた。


<こちらジャンヌ1、集落の住民の集合が完了。全員を広場に集めました>

<了解したジャンヌ1。敵勢力からの抵抗はあったか?>

<抵抗はありません。こちらの要請に素直です>

<了解。集められたら臨検を開始せよ>

<ジャンヌ1了解>


俺達スコーピオン隊から降下した臨検部隊が数カ所の集落に臨検を実施し始める。報告によれば集落の幾つかが奴等の拠点らしく、物資や兵員を隠蔽しているらしい。


そこで大尉と甘寧将軍はこの地域一帯に孫呉治安維持法戦時特例第7条を可決。空と陸からによる臨検部隊を投入した。


<グレイブ1からスコーピオン3。ポイントEにてジャンヌ4を降下させろ。レイヴンからの情報で動きが見られないようだ>

「こちらスコーピオン3、了解。ポイントEに向かいます」


大尉からの指示を受けて目標地点である約6km先の集落にナイトホークを飛ばす。集落上空に到着するがやはり動きが見られなかった。機長は外部スピーカーを使用して集落に呼びかける。


「市民の皆さん。こちらは孫呉海兵隊第0大隊航空隊です。孫呉治安維持法戦時特例第7条に基づき集落への臨検受け入れを命じます。

速やかに家から出て来て下さい。出て来ない場合は臨検を強行します」


機長が呼び掛けをするが一向に動きが見られない。仕方が無いので機長は大尉に無線報告をする。


「スコーピオン3からグレイブ1へ。ポイントEへの呼び掛けを実施しましたが、姿が見られません。強制臨検の許可を願います」

<了解したスコーピオン3。SEAL,sがそちらに向かっている。到着まで上空で警戒せよ>

「了解しました大尉。交信以上」


上空待機が出たことでナイトホークが上空で旋回しながら警戒をする。俺も機体側面のM134Dを構えて周辺を見渡すが、いまだに何も見当たらない。


「機長、敵が仕掛けてきたら攻撃しても?」

「そうならないことを祈っていろ。出来るなら手荒なことはしたくない」

「民間人を巻き込む可能性がありますからね。敵がいないことを祈りたいです・・・・・・うわっ⁉」


俺が副長に返信しようとした瞬間、俺のすぐ側に一本の弓矢が飛来して跳ね返された。


「どうした⁉」

「機長‼攻撃を受けました‼くそ⁉ふざけやがって‼敵が仕掛けてきやがった‼」


俺達が下を見下ろすと家から武装した敵部隊が続々と出現してきて、何人かは弓を構えてこちらに攻撃してきている。


「こちらスコーピオン3‼集落から敵部隊が出現‼攻撃を受けました‼」

<了解したスコーピオン3。反撃を許可する。敵を片付けろ>

「了解グレイブ1‼・・・ガナー‼」

「Wilco!!Open Fier!!」


機長と大尉からの攻撃許可を受けて俺はガトリングガンのバレルを回転させながらトリガーを引く。6本の銃身から放たれた7.62mm弾の雨が敵に降り注ぎ、敵の身体を遮蔽物ごとミンチにしてやる。


「ふざけやがって⁉アリみたいに飛び出てきやがった‼」

「掴まれ‼上昇する‼」

<こちらTEAM4のジャンヌ7‼集落の北西部で敵と交戦‼>


SEAL,s TEAM4に随伴しているジャンヌ1-7から戦闘開始の報告を受ける。


<敵の数が流石に多い‼上空から航空支援を要請する‼>

「了解した‼待ってろジャンヌ7‼すぐに向かう‼」


味方部隊からの支援要請を受けてすぐに北西部へと向かう。地上では孫呉水軍と反乱軍が戦闘を開始させており、僅かながらも随伴しているジャンヌ7が携行しているHK416やM27 IAR、HK417から放たれる発砲音が聞こえていた。


「派手にやってやがるな・・・ガナー‼片付けろ‼」

「了解‼喰らいやがれ‼」

「間違っても味方を撃つなよ‼部隊がやられたら作戦は失敗だ‼」

<こちらジャンヌ7‼城壁と城門付近にいる反乱兵共を片付けてくれ‼>

「了解‼」


ジャンヌ7からの指示で俺は薙ぎ払うように二箇所に展開している敵部隊を攻撃する。高度を少しだけ下げて見える敵兵を片っ端から始末していく。


<いいぞスコーピオン3‼そのまま撃ち続けろ‼>

「了解‼ガナー‼奴らをぶっ殺せ‼」

「分かってます‼だけど数が多過ぎます‼」

「スコーピオン3からグレイブ1‼敵の数が多過ぎます‼火力不足により増援を要請‼」

<こちらグレイブ1、無理だスコーピオン3。各地で戦闘に突入して手が回らない。現戦力で対処せよ>

「了解‼」

<ダンテ、目標が見えるか?>

<ターゲットの山です‼>

<了解だ、殺っちまえ>


大尉に増援を要請したが却下され、仕方なく俺達は引き続き高度を下げつつ敵を仕留めていく。

その間にも敵は撃ち落とすつもりなのか、こちらに弓矢を放ってくる。しかし当たったとしても微かな傷を付ける程度であり、逆に俺が操作するM134Dの餌食となっていく。


<こちらジャンヌ7‼礼をいう‼>

「また何かあれば駆けつける‼頑張ってくれ‼」

<了解だスコーピオン3‼交信終了‼>


敵は俺達の攻撃に怯んだようであり、ナイトホークは高度をあげながら集落へ戻る。

俺もM134Dで敵の固まっている辺りを攻撃にしていく。


ほんの少しだけ降下をしつつジャンヌ4の降下地点を確保する。一番デカイ建物の周辺を片付けるとナイトホークらラペリングロープを地面に垂らすとジャンヌ4の隊員がそれを掴む。


「ジャンヌ4‼降下地点だ‼」

「ロックンロール‼Go、go、go‼」


ジャンヌ4が一気に次々と地上へと降り立ち、8名の隊員が降下したらロープを切り離して直衛に就く。

敵はどうやら先程の建物を本部にしているようであり、窓から弓兵がこちらとジャンヌ4を攻撃してきていた。


<こちらジャンヌ4‼敵を纏めて始末できるか⁉>

「任せろ‼ガナー‼」

「くたばりやがれ‼」


建物の前でホバリング状態で停止すると窓に布陣している弓兵達に対して弾丸の雨を浴びせる。

貫通した壁は瞬く間に穴だらけとなり、そこから瓦礫が辺りに散乱していく。


<こちらジャンヌ4‼敵の攻撃がやんだ‼一気に目標制圧にかかる‼>

「了解だ‼こちらはこのまま周囲を警戒する‼」

「機長‼10時方向に敵増援‼」

「確認‼仕留めます‼」


ナイトホークの機体を俺が敵増援に対して攻撃出来るように向きを変え、照準を合わせるとそのまま薙ぎ払う。


「くそっ⁉多方面から敵増援‼」

「残弾数のこり僅か⁉」

「スコーピオン3からグレイブ1へ‼多方面から敵増援がジャンヌ4に急行中‼こちらは残弾数のこり僅かのため増援を要請します‼」

<ジャンヌ7、そちらの位置は?>

<城門を突破‼市街地に突入してそちらに向かってます‼>


無線内容で城門がある方角を見るとSEAL,sが武器を掲げながらこちらに向かってきていて、やがて背後から敵に対して不意打ちを仕掛ける。

背後からの攻撃で敵は混乱状態に陥り、反撃もままならない状態で討ち取られていく。


<こちらジャンヌ7‼さっきの礼を返しに来たぞ‼>

「助かった‼感謝するぞジャンヌ7‼」


俺達はそのまま周辺に展開している敵を次々と仕留めていき、5分弱で建物に突入したジャンヌ4から建物制圧の方向。俺は残弾数のこり僅かのM134Dの銃口を向けながら辺りを見渡す。


「こちらスコーピオン3、撃ち方やめ」

「機長、辺りの制圧は完了したようです」

「スコーピオン3からグレイブ1。ポイントEの制圧は完了。燃料弾薬補給いちど帰還します」

<こちらグレイブ1。了解だスコーピオン3、そちらの警戒はこちらで引き継ぐ。補給完了後に戻って来てくれ>

「了解です大尉・・・・・・・・・なんだ?」


機長が機首を変えた瞬間、何かを見つけたようだ。建設中の建物の中に向きをこちらに向けている物体・・・・・・。


「まずい⁉バリスタだ‼」

「回避だ‼回避しろ‼」

「くそっ⁉」


機長が急いで回避行動を取り、俺もM134Dの残った弾丸全てをぶち込む。敵はその攻撃で倒され、バリスタも粉々に吹き飛んだが弾みで馬鹿でかい弓矢の一部が回転しながら放たれ・・・・・・。


「危ない⁉」


俺達の処に向かって飛んで来た。ナイトホークは回避行動を執るが完全には間に合わず、機体後部に激しくぶつかった。


「うわっ⁉」

「くそっ⁉こちらスコーピオン3‼被弾した‼被弾した‼」

「掴まれ‼」


ナイトホークは徐々に回転する数が多くなっていく。

機内では警告音が鳴り響き、俺も必死にM134Dにしがみ付く状態だ。


「ハーグ‼ECLを引け‼」

「了解‼・・・くそっ⁉まずい墜落する‼‼」


機体が激しく振動を発し、回転しているので発生された遠心力により身体が張り付く感じに見舞われる。

コクピットでは機長と副長が必死に操作をしていた。


「出力上昇‼状態は⁉」

「フットペダルがまだ生きてます‼」

「くっ⁉Come・・・you son of a bitch!!‼‼」


機体は回転しながら、あろうことかジャンヌ4がいる建物に向かっていた。このまま向かっていけばジャンヌ4を巻き添えにしてしまう。だが機体の回転は徐々に小さくなっていた。


「掴まれ‼‼」


機体はぶつかる寸前でコントロールを取り戻し、メインローターを掠めながら一気に上昇。ナイトホークは少しふらつきながらも機体を安定させていく。

俺は助かったと感じ取りM134Dにもたれかかっていた。


「無事か⁉」

「し・・・死ぬかと思った・・・」

「副長、機体状況は?」

「トルク度干渉良し、テイルローター及びメインローター出力10%低下。油圧計若干低下。コントロール系統に振動あり。帰還したらオーバーホールが必要です」

「ジャンヌ4、そっちは?」

<こちらジャンヌ4・・・危なかったですが死傷者なし>

<グレイブ1からスコーピオン3、機体状況を報告しろ>

「トルク度干渉良し、テイルローター及びメインローターの出力10%低下。油圧計若干低下。コントロール系統に振動あり。墜落寸前でしたが基地には帰還できます」

<了解した。スコーピオン3は速やかに基地に帰還せよ。そちらの警戒はグレイブ4に引き継がせる>

「了解です」


大尉からの帰還命令を受けてここの上空警戒をグレイブ4に引き継ぎ、基地へと帰還した。基地に帰還したナイトホークはそのあとすぐにオーバーホールに出され、整備隊を泣かせることだろう。


ガナーである俺もM134Dの整備を手伝うべく、工具を片手にメンテナンスドックへ足を運ぶのであった・・・・・・・・・。

孫策軍と孫静軍が戦を繰り広げている頃、漢中南部に布陣していた翠達。漢中の先にある彼女達の故郷である涼州を話している中、翠の口からある女性の名前が出される。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[翠の過去]

錦馬超の過去が明かされる。

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