第180話:獅子と虎
獅子と虎の姉妹。戦場を駆け巡る。
新都で中佐達が敵側近を捕らえる為に行動している頃、もう一つの戦線である烏程でも戦いが繰り広げられていた。
「ちぃ⁉よくもまぁこんなに集まりやがって‼」
「華蓮‼そっちにいったぞ‼」
「はい‼姉様‼」
俺と蓮華、華蓮は最前線で次々と出現してくる反乱軍兵士を斬り伏せていた。俺たちがここに進軍したのには理由がある。細作からの報告で彼女達の叔母である孫静がここにいるという情報が齎されたからだ。
俺達は互いに背中を任せながら敵にぞれ龍舌、江東大器、覇天双戟の鋒を向けつつ威嚇する。
「まさかこんなにも兵力を隠し持っていたとはな・・・」
「大方、傭兵や賊を片っ端から吸収していったんだろうな・・・・・・あの陰気臭い婆さんなら考えられる」
「しかし・・・叔母様はいったい何を考えているのでしょう・・・私達を裏切るだなんて」
「孫静叔母様は前々から姉様と対立していたから・・・・・・“姉様のやり方は無闇に戦を広げているだけ”と・・・」
何とも聞くだけで腹が立つものだ。俺の生まれ故郷でもあるイギリスの特殊部隊SASのモットーで“危険を冒す者が勝利する”という言葉がある。
保守派の連中は自分から危険には飛び込まず、都合がいい時にだけしゃしゃり出て来てあれこれ抜かす寝ぐら連中ばかりだ。
中佐と少佐もかなり以前から保守派の嫌がらせを受けており、特に雪蓮殿と恋仲に発展した中佐は奴らの事を毛嫌いしていた。
「まぁ、ここにあいつがいるって情報だ‼さっさとここを片付けて奴を捕まえるぞ‼蓮華‼華蓮‼」
「分かったわ‼」
「はい‼必ず叔母様に真意を問いただしてみせます‼」
そういいながら俺達は敵の真ん中に斬り込む。俺は龍舌の重さとリーチの長さを活かし、敵集団に飛び込むとそのまま振り回して敵の身体を一刀両断。足を斬り落とされて野垂れ回っている奴等には頭を潰す。
「孫呉を裏切り、民を苦しむ賊軍共よ‼我等に刃を向けたという大罪‼贖わせてやるぞ‼」
蓮華は江東大器の軽快さを糧に相手の攻撃を弾き返すと刺突を繰り出し、斬撃には横にかわして素早く懐に飛び込み、そのまま声帯を切断して確実に敵の命を奪っていく。
「ごめんなさい・・・・・・だけどあなた達を倒さなければ呉の民が苦しんでしまいます‼」
敵に詫びをいれつつ、覇天双戟による攻撃と中佐直伝のCQCで敵の身体を斬り裂き、時には相手の首に腕を回し混んでそのまま首の骨をへし折る。
通常の剣術だけなら雪蓮殿や蓮華に分があるが、彼女は武将であると同時にコンバットメディック・・・戦闘衛生兵でもある。だから人体の構造を知り尽くした彼女だから中佐はCQCの技術を教えたのだ。
敵を斬り伏せながら前進していると目標ポイント・・・・・・孫静がいるとされる山小屋に到着した。俺と蓮華達は入口に張り付き、扉を開けて突入の姿勢を執る。
「・・・・・・・・・・・・」
「「・・・・・・(コクリ)」」
二人が頷くと俺は一気に扉を蹴破って一気に内部へと突入をするが・・・。
「今だ‼撃てぇ‼」
室内には孫静ではなく敵弓兵がスタンバイしており、そのまま二本の弓矢が俺達の方へと放たれた。
「避けろ蓮華‼」
「なっ⁉」
「くっ⁉」
蓮華に向かって飛来する弓矢。間に合わないと判断した俺は彼女を突き飛ばす。しかし完全には間に合わず、左肩に一歩が突き刺さった。
「レオン⁉」
「レオン様⁉」
「くっ⁉耳を塞いで伏せろ‼」
そういいながら俺はM67手榴弾のピンを抜き、そのまま内部で爆発。そのまま俺は龍舌をその場に置いてM45A1をホルスターから抜き、構えながら室内に再度突入。敵は先程の爆発で爆死したようであり、制圧はすぐに完了した。
「制圧」
「レオン‼早く傷の手当を‼」
「装具を外して下さい‼すぐに治療します‼」
「ただの擦り傷だ。死にはしない」
「ダメよ⁉」
「今は作戦中だ。軽傷なんだから後回しで充分だよ」
「ダメです‼すぐに治療します‼」
「い・・・いや・・・だから大丈夫だ「「装具を取りなさい‼‼」」・・・Oh right・・・」
二人の勢いに俺は折れざるを得ず、仕方なく俺はその場で装備を外して二人からの治療を受けることになった。
治療が完了した辺りで周囲が制圧されたと報告を受け、反乱軍は降伏を始めたが孫静の姿はない。どうやら誤報だったようだ。仕方が無いので俺達は死傷者の把握と捕虜の搬送を完了させると治安維持部隊を残して一旦建業へと帰還する。
因みにこの後に蓮華が看病するといいだし、断ろうとしたが断りきれず看病を受けることになってしまったというのは別の話・・・・・・・・・。
建業より下流に進んだ一帯。南郷率いる航空隊と思春と明命が率いる部隊は反乱軍が潜んでいるとされる3箇所の集落へと向かう。
ナイトホークを操るグラディウス3も臨検する村へと急行する。
次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”
[グラディウス3]
夜鷹が蜂の巣に飛び込む。