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ソードブレイカー

偽善者に対してアレックスが喝を入れる。

ハンターキラーは目標の排除に失敗したらしい。ついさっき相棒から無線で連絡が来たが、ターゲットだった孫静の側近は部下を盾にしながら馬で逃げ出し、こちらに向かってきているらしい。


俺は孫策軍本陣にて背中にMk48 Mod0を背負いながら双眼鏡で戦況を確認していた。因みにいつもならMk46 Mod1を使うのだが、生憎いまは定期メンテナンスと修理を行なっている。だが今回は威力を重視した方がいいと判断出来たので7.62mm弾仕様のMk48を携行することになった。


「珍しいじゃないか、お前が目標を仕留め損なうなんて・・・」

<手間を掛けるな・・・いいところまで追い込んだんだが・・・>

「まぁいいさ。こんなこともあろうかと策を二重にしておいたんだろ?」

<まぁな・・・任せて大丈夫か?>

「任せろ。北側には第1大隊。東に第2.南に第3、西に第4大隊を配備させてる。奴等が逃げられることはないさ。俺は部隊を率いて目標の確保に回る」

<了解だ。こちらは確保した建物の確保を続行する。over>

「アイアンマン、out」


通信を終了させると俺は地面に突き刺していた髑髏を引き抜き、それを肩に担ぐ。すると目の前に見慣れた御仁がいた。今回の討伐で弓兵隊の総指揮を執っている祭殿だ。


「祭殿」

「おう、アレックスではないか。何かあったか?」

「はい、ライルが狙っていた目標がこちらに向かって来るとの報告がありましたので、自分は部隊を率いてこれを仕留めます」

「ほぅ、ライルにしては珍しい・・・彼奴なら確実に仕留めると思うたが・・・」

「まぁ・・・あいつもまだ病み上がりですし・・・不確定要素も戦場には必然ですからね」

「確かにな・・・自分の思うように運んだら戦は面白くないわぃ」

「はははは・・・相変わらずですね」


両手を組みながら笑い飛ばす祭殿。流石は孫呉の宿将にしてみんなの母親だ。こういう戦場でも余裕を崩さない。


「そうだ、前に話した酒が入りましたよ」

「なに⁉本当か⁉」

「はい、この戦が終わりましたら祝勝としてサイファーと飲んで下さい。あいつも喜びます」

「応っ‼だったらはよう行かんかい‼儂に酒を頼むぞい♪」

「Yes Ma,am」


酒を届ける約束をして俺は口笛を吹き、駆け寄ってきたイクシオンの首筋を撫でると跨り、そのまま目標が来るとされるポイントへと向かった。







戦線は入り乱れていた。各戦線の孫呉海兵隊は包囲を縮めつつ反乱軍を殲滅していき、対する反乱軍は突破口を作ろうと必死になっていた。だが反乱軍の練度では呉の最精鋭と呼ばれている海兵隊の相手が務まる筈がない。


むしろここまで持ち堪えられていることには賞賛に値する。俺は今のところMk48は使わず、髑髏やM1911A2を使い分けて敵を仕留める。


「はんっ‼そんな実力で反乱なんてな‼舐めるのも大概にしやがれ‼」


俺は次々と反乱軍兵士の首を髑髏で切断していく。敵は髑髏を振り回す俺を見て“江東の死神”や“無慈悲の鬼神”、更には“首狩り”と口にしながら逃げ出したり、中には降伏してきたりとヘッピリ腰になっている。


だが反乱を起こしておいて今更降伏なんて虫のいい話なんかではない。


次々と敵の生き血を髑髏に吸わせていると通信が入る。


<ストームからアイアンマン>

「こちらアイアンマン‼感度良好‼」

<レイヴンが情報をキャッチしました。目標の一団が馬でそちらに急速接近中です>


イリーナからの報告を受けて俺は街がある方角を見る。確かに馬を全速力で飛ばしながらこちらに向かって来ている一団の姿が確認出来た。


「了解したストーム‼これより目標の確保に向かう‼アイアンマン out‼」


通信を一方的だが終了させ、俺は近くにいた敵を仕留めると髑髏とMk48 Mod0を交換し、抱え撃ちの姿勢で構えると目標の一団に向かって7.62mm弾を撃ち込む。


「ぎゃはっ⁉」

「あぐっ⁉」

「ぐはっ⁉」


7.62mm弾の雨に敵は次々と落馬していき、中には落馬した際に馬に頭を踏み付けられて死ぬ奴もいた。


一定の数を減らしたら再び髑髏に持ち替え、連中の処へと駆け寄る。すると顔を軽く擦りむいた剣を手にした文官らしき男がよろめきながら立ち上がろうとしていた。


「よし‼そこを動くな‼」

「なっ⁉なんだ貴様は⁉」

「動くんじゃねぇ‼武器を捨てて両手を頭の後ろに回せ‼」

「ぐっ⁉そ・・・孫策の飼い犬が⁉我等の大義に歯向かうか⁉」

「ほぅ・・・じゃあその大義ってのはなんだ?」

「孫策はただ戦火を広げるだけだ‼民の為なら孫策を倒し、孫静様がこの国を治めるのがいい‼」

「・・・・・・・・・」

「見ておれ‼我等がこの国を手にいれて蜀を滅ぼし、曹操を滅ぼして天下泰平の世を「ふざけるな偽善者が‼」ひぃ⁉」


この偽善者野郎の言葉を聞いていると腹が立つ。俺は大声で喝を入れてやる。


「黙って聞いていればふざけたことを抜かしやがって‼貴様等のやってることがただ無益に戦いを広げてるだけだろが‼そんな連中が天下泰平⁉ふざけるんじゃねぇクソ野郎共が‼」

「う・・・うるさい‼戦狂いの貴様が何をいう⁉貴様など正義のもとに討ち取ってやるわ‼‼」


そういいながら奴は剣を片手に斬り掛かってきた。しかし俺は髑髏を構え直し、刺突を交わすと髑髏の刃をこいつの首筋に当ててやった。


「うっ⁉」

「本当なら殺してやりたいが・・・貴様は生きて捕獲しろって命令が出てるから今は殺さないでおいてやる。だが・・・・・・」


そういうと俺は髑髏の剣筋を外すと体を回転させながらこいつの腹に・・・・・・。


「一発食らわせないと気がすまない‼」

「がっ⁉」


この偽善者野郎の腹に強力な回し蹴りを食らわせる。奴は地面を転がり、少ししてからようやく止まった。俺は簡易手錠を奴の手首に掛けて無線のスイッチを入れる。


「アイアンマンからウルヴァリン」

<こちらウルヴァリン>

「報告する。目標を確保。繰り返す、目標を確保した」

<了解だアイアンマン。手間を掛けたな>

「後でウォッカをくれよ・・・アイアンマン out」


無線を切ると俺はこの野郎の手首を乱暴に掴み、そのまま本陣へと連行していく。こね後に雪蓮殿率いる本隊が市街地内部に突入を成功させ、ライルと合流を果たした。

それと同時に周囲にいた敵は駆逐され、市街地は孫策軍によって奪還。反乱軍から市民を解放させられることに成功した・・・・・・・・・。

反乱軍との戦いが続く呉。もう一つの戦線である烏程でも動きがあった。ここの鎮圧を任されているレオンと蓮華はここに孫静がいるという情報をつかむ。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[獅子と虎]

戦場と獅子と猛虎が駆け抜ける。

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