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第178話:Rock and Roll

目標の建物にハンター2が突入する。



新都に潜入した次の日の正午頃。俺達は目標の建物の屋根の上にいた。


ラペリングロープを固定させて待機している。手にはCQB仕様にバレルを交換したMk16 Mod1。

オプションパーツにはM961 パーソナルウェポンライトとエイムポイントT-1+エイムポイント3×ブースター、タンゴダウンタイプバトルQDショートフォアグリップを取り付けてあり、室内戦闘に特化した仕様となっている。因みに奇襲目的として既にサプレッサーは取り外されている。


俺達は物影に隠れつつ、合図を待っていた。


<ハンター2各員、現状を報告せよ>

「ハンター2リーダー、準備よし」


ダン曹長は隣でMk16 Mod1+Mk13 Mod0を抱える。


「ハンター2-2、突入用意完了」


ポーも手にM870MAGPULに初弾を装填して答える。


「ハンター2-3。OKです」


レニーはMk17 Mod0だ。壁の向こう側にいる敵がいれば彼女の出番になる。そして・・・。


「ハンター2-4、狩の準備よし」


俺も無線で準備よしと答える。作戦の第二段階だが、今朝方には既に目標の一段が到着している。こちらの潜入に気取られた気配は全くない。

入り口前や窓付近には衛兵が確認されており、孫策様率いる本隊が攻撃を開始するのを確認出来たら中佐達がそれ等を狙撃。

その際の発砲音を合図に俺達ハンター2が一気に室内へ突入。障害を排除しつつ目標を仕留める手筈だ。


目標の排除完了と同時に孫策軍がハンター3により確保された正門より市街地に突入。敵敗残兵を掃討する。これが今回のオペレーション“ハリケーン”の全容だ。

準備を進めていると街の外から声が鳴り響いてきた。


<ハンター3から報告、孫策様率いる本隊が攻撃を開始>

<了解した。反乱軍の様子は?>

<いきなりの攻撃に混乱して次々と討ち取られています>

<了解した。ハンター1-1から全ユニット。状況開始。繰り返す、状況開始だ>

「了解です中佐・・・・・・さて、野郎共。嵐の中に突入するぞ」

「「「了解」」」


ダン曹長の指示で俺達は屋根の淵に足を掛けて突入出来る姿勢を取る。下には見張りの敵兵が数名いたが、それは複数の銃声で全員が音を立てて倒れた。


中佐達による狙撃だ。その銃声を聞くと膝を曲げて足に力を溜め込む。


「突入する‼」


曹長の指示で俺達はほぼ同時に淵を蹴り、一気に室内へと突入。俺も抱え撃ちをしながら近くにいた敵の身体に銃弾を浴びせつつ室内へと飛び込んだ。


「て・・・敵だぁ⁉」

「こ・・・こいつら群狼隊⁉」


いきなりの出現に驚く敵兵。だが俺達は容赦せず敵に銃弾をお見舞いする。敵の数は少なかったので制圧には5秒も掛からなかった。


「室内制圧‼」

「よし二手に別れる‼俺とレニーは一階を制圧‼クラウドとポーは二階を制圧しろ‼」

「了解‼」

「了解です曹長‼行くぞクラウド‼」

「分かってるさ‼」


二手に別れて俺達は引き続き二階の捜索を実施し、曹長とレニーは近くの階段を降りて行って一階へと向かった。

混乱しながらも向かってくる敵兵を次々と仕留めながら部屋を捜索していく。


「フラッシュバン‼」


時にはポーが内部にフラッシュバンを放り込んで怯んだ隙に制圧したり・・・。


「フラグアウト‼」


敵しかいないことが分かっていたらM67を投げ込んで一網打尽にしたり・・・。


「くそがぁあああ‼」

「そんな攻撃が通用するかよ⁉」


ヤケになって斬りかかってきた敵には容赦なくグルカナイフで切り裂いてやる。

俺とポー。改めて感じるが俺達の連携効率はハンターキラーの中でもずば抜けて高い。実際に何度か中佐達をあと一歩の処まで演習にて追い込んだことがある。いつも逆転されてしまうが・・・。


そんなことを考えながら俺達は二階の部屋を片っ端から捜索していくが目標は見当たらない。そして一番端の室内を制圧し終わり、死体の顔を確認していた。


「くそっ⁉ハズレだ‼」

「こっちもだ・・・目標はいないようだな・・・」

「リーダー‼そっちはどうでしたか⁉」

「こっちもダメだ‼」

「逃げられたか⁉」


リーダーも一階を制圧して目標を捜索したがいたのは一般兵のみ。ここにいるというのは確認済みだが、どこにもいなかった。すると無線がなってそれにすぐ出る。呼びかけ先は中佐だった。


<ハンター1-1からハンター2>

「こちらハンター2、感度良好」

<目標を建物の右側で確認した。奴等逃亡しようとしているぞ>

「くそっ⁉逃がすか‼」

<奴は護衛を盾代わりにしている・・・くそっ⁉狙撃の邪魔だ‼>

<まずいです中佐‼逃げられます‼>

<分かってる‼・・・くそ⁉目標をロスト‼>

<こちらハンター1-3‼こちらからでも敵の追尾は不可能‼>

<了解・・・くそっ⁉>

「中佐‼自分達が追跡します‼」

<・・・・・・いや・・・我々はこのまま周囲の制圧にかかる‼後はアレックス少佐達に任せる‼>

「中佐⁉」

<命令だ曹長‼それに地の利は向こうにある‼気持ちは分かるが下手に動けば思う壺だ‼いいな⁉>

「Fuck!!」

<ハンター1各員はハンター2と合流‼建物の確保を維持するぞ‼>

<<了解‼>>


俺達は目標の排除には失敗した。だがそれはそれで構わない。周辺はすでに孫策軍が包囲していて、幸いにも奴等が逃げた先には少佐達ウルフパック本隊が展開している。

俺達は部隊の到着までの間、占拠した建物の維持に務めるのであった・・・・・・。

目標の排除には失敗した。しかし作戦が失敗した訳ではない。目標が逃げた先にはアレックスの部隊が展開していて、ライルからの報告でしばらくしてから敵の一団が姿を現す。


次回’“真・恋姫無線 海兵隊の誇りRe”

[ソードブレイカー]

剣破壊の猛者が立ちはだかる。

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