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第158話:髑髏

怒りに身を任せたアレックスに曹操軍の将が立ち向かう。

「ヨウヤクミツケタゾ・・・・・・ソウ モウトク・・・・・・」


俺は天幕の中にいた曹操に狙いを定める。中には曹仁、曹洪、更に許褚と典韋がそれぞれの得物を直ぐに構えていた。

その表情はすっかり凍りついていた。、先ほどまでいなかった筈の俺がいつの間にか自分達の前にいて兵士を突き刺していたから。


「くっ⁉アレックス‼‼」

「・・・ヒサシイジャナイカ・・・・・・ソウコウ・・・」

「何であんたがここにいる⁉」

「キマッテイル・・・アイボウヲキズツケタソコノクソガキノクビヲモライニキタダケダ・・・」

「ライルの事は聞いた‼あれは許貢の残党が勝手にやったんだ‼華琳の意思じゃない‼」

「そうだ・・・・・・それに我等はこれ以上の戦を望んでいない・・・我等はすぐにこの地より「カッテナコトヲヌカスナ」なっ⁉」


曹仁の自分勝手な言葉を聞き、俺は彼女達の頭上スレスレに髑髏を飛来させ、天幕を吹き飛ばした。そして回転しながら戻って来た髑髏を見ずにキャッチする。

ほんの少しでも動いていたら間違い無く自分達の首が飛んでいたと思うと彼女達は冷や汗が止まらなくなっている。


「カッテナコトヲヌカスナ・・・・・・アイボウヲキズツケタダケジャナク、ワガソコクニフコクモナシニセメコンデ・・・・・・アマツサエカッテニオワラセル・・・・・・・・・ソンナノガツウジルトオモッテイルノカ?」

「くっ⁉」

「季琳・・・今のこいつに何を言っても無駄みたいだぜ・・・・・・」

「あっ・・・ああ・・・・・・何という殺気だ・・・」


俺は殺気を隠そうとせず、髑髏を肩に担ぐ。その発せられる殺気に曹仁達はそれぞれ武器を構える。


「くっ⁉愛琳‼」

「あぁ・・・季衣と流流は華琳の傍から離れるな‼お前達じゃまだ敵わない‼」

「「はっ・・・はい‼‼」」


そういうと曹仁は大剣“飢狼岩剣”、曹洪は双短剣“餓狼風牙”を構えて俺に斬りかかって来た。


「はぁ‼‼」

「せりゃ‼」


曹仁は大剣で振り上げ、その直後に曹洪が右で振り下ろし、すぐに左で体を回転させながら斬りつけて来て再び右で刺突してくる。


「アマイゾ・・・」


だが俺も隙がある腹部に髑髏を見舞うが、それは曹仁により阻まれる。防がれたと同時に体を右に回転させて今度は反対側から曹仁を斬り掛かるが、今度は曹洪の短剣で防がれる。


「はっ‼」

「チィ・・・ジャマダ・・・」

「アレックス‼」

「どうしてもやると言うなら私達はお前を討つ‼‼」

「オモシロイ・・・ヤッテミロヨ・・・」


俺は左手で二人を挑発すると、それに乗せられて二人同時に斬りかかって来た。

連携が互いに取れている二人の攻撃を軽くかわし続け、時には俺も髑髏で攻撃を加えるがそれも防がれる。


互いに攻守が入れ替わる中、斬り合いは暫く続くが流石に二人は疲れが見えてきたようだ。しかし俺は疲れなど出ていない。体内からアドレナリンを発生させ、力の大半を戦闘につぎ込んでいる。


だから疲れなど発してはいない。俺は肩に髑髏を担ぎ直すと肩で息をする膝を付いた二人に歩み寄る。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「くっ・・・・・・化け物かよ・・・」

「ナカナカテコズッタガ・・・コレマデダ・・・・・・アンシンシロ・・・スグニアソコノガキドモモオクッテヤル・・・・・・ダカラアンシンシテ・・・・・・アノヨデマッテイロ・・・・・・」


俺は髑髏を構えて二人の首を刎ねようとするが、その刃が届く前に誰かに止められた。


「アレックス‼‼」

「キサマカ・・・カコウトン・・・」

「姉者だけでは無いぞ‼‼」


その言葉と同時に俺は夏侯惇の七星餓狼を弾き、直ぐに振り向いて飛来した弓矢を叩き落とす。


「でりゃあぁあああ‼‼」

「はっ‼」

「食らうなの‼」


その直後に今度は楽進、李典、于禁の3人による連続攻撃。流石に距離を置くとその直後に再び背後から気配を感じる。


「うぉらぁああああ‼‼」


襲いかかって来たのは鍛え抜かれた筋肉に傷だらけの身体。短髪の上に青巾を被った大男だ。


「鄧艾‼退け‼」


その男は巨大な旋棍を連続して殴り掛かるが、全ての攻撃をかわした瞬間に今度は頭上から俺の知っている男・・・・・・徐晃が赤龍偃月刀を構えて俺に斬りかかって来た。

直ぐに俺は先程の大男を蹴り飛ばすと髑髏でその一撃を防ぐ。


「アレックス殿‼‼武器を納められよ‼」

「ジョコウカ・・・・・・」


俺も髑髏を構えながら全員と距離を置く。すると辺りは完全に包囲されている状態だ。正面には徐晃と先程の大男・・・鄧艾に息を整えた曹仁と曹洪。

右には夏侯惇と夏侯淵。

左には楽進、于禁、李典。

背後には武器を構えた許褚と典韋、更に俺と同じ大鎌を手にした曹操がいた。


「フン・・・・・・ズイブントアツマッタモノダナ・・・」

「仲間を傷付けられた貴様等の気持ちも分かるが、我等も華琳様をやらせる訳には行かない‼」

「いくら“江東の死神”と言われるお前でも一度にこれだけの将を相手では勝てまい・・・退くなら今のうちだぞ」


夏侯淵の言葉に俺は眼を瞑って髑髏を地面に突き刺す。


「アレックス殿・・・其れがしは鄧艾と申す。貴殿の武勇は聞いております。されどもここで散らすのは不本意・・・どうか退いて頂きたい」

「・・・・・・・・・」

「アレックス殿・・・・・・頼む。我等はもはや戦をする気はござらぬ。ここは武器を納めよ」

「アレックス・・・・・・確かに今回は私の不注意が招いた結果・・・我等は今回は退く。しかしこれ以上続けるのなら私達はあなたを斬らなければならない・・・武器を納めて直ぐに下がりなさい」


徐晃、鄧艾、そして曹操の言葉を耳にするしかし俺は・・・・・・。


「フッ・・・フフフフフフフ・・・・・・・・・ハハハハハハハハハハハ‼‼‼アハハハハハハ‼‼」


天目掛けて高々と笑う。曹操達は何が起こったのか理解出来ていないようだ。


「何が可笑しい?」


高々と笑うと俺は顔を再び足下に向け、暫くしてから・・・・・・。


“カタカタカタカタカタカタ”


髑髏の由来ともなった髑髏の彫刻が歯と歯をぶつけだし、辺りに不愉快な音を発し出す。


「なんだ・・・・・・この不愉快な音は・・・」

「何という・・・・・・禍々しい殺気だ・・・」


髑髏の発する音は暫く続き、それがようやく止むと俺は顔をあげて瞑ったままの眼を開けた。

その眼は・・・・・・。


「・・・・・・アマリチョウシニノルナヨ・・・・・・ザコドモガ‼‼‼」


俺の殺気を表すかのように、灰色から殺意に満ちた深紅だった・・・・・・・・・・・・。

髑髏の真の力を発動させたアレックス。その圧倒的な力を前に束になっても徐晃達は勝てない。

曹操もその武を前に覚悟を決めるが・・・・・・。


次回“真・.恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[彼方の面影]

死神と化したアレックスに曹操達も立ち向かう。

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