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第130話:優しい花

花の名前を持つ婦人が2人を訪れる。

韓玄達を倒し、無事に人質となっていた黄忠の娘を救出。


戦う原因がなくなった黄忠軍はすぐに降伏して劉備軍に降った。城内にいた民は黄忠の在命を必死に願っていたが、一刀達が黄忠を殺すつもりなどさらさら無いと知ったら、街全体で歓喜の声が挙がった。


そして俺達は進軍を停止して、黄忠軍の再編成と兵士達への休息を目的として3日ほど駐留することとなった。


その日の晩、俺とポーは当てがわれた天幕の外にブロウラーに地図を広げて周辺の状況を確認していた。


「劉備軍の別働隊は無事に綿竹関を制圧したようだ。これで北部は国境付近を除いて劉備軍が統治することになる」

「これで残る要所は3箇所だけだな。雒城に青白江、新都城。これらを制圧出来たら後は成都まで一直線だ」


これまでで劉備軍は背後からの不意打ちに備え、楽成城を攻める前に別働隊を事前に難航とされていた綿竹関へと向かわせていた。

機動力と破壊力がある霞と嵐と露蘭、軍師に雛里ちゃんを向かわせた。


雛里ちゃんを向かわせたのには理由がある。正史にて雒城で龐統は流れ矢に当たって死去。落鳳坡である。可能性としてあり得なくは無いので、万が一の配慮で一刀君が差し向けたのだ。


「しかしこの三つが問題だろうな。向こうの報告では綿竹関に張仁に厳顔、魏延の3人は確認されていない。いるとしたらこの三つのどれかだろう」

「この三人は劉璋軍の中でも屈指の軍勢だが・・・・・・」

「一番厄介なのは・・・忠義の武人・・・・・・張仁か」


ポーの答えに俺は頷く。張仁の忠誠心や武勇は有名で、張仁が指導した兵達も劉璋軍の中では最精鋭とされている。

俺達の行動を考えていると、不意に背後から気配を感じ取る。俺達は同時にUSP,45をCQCホルスターから取り出して構えるとそこには1人の御仁がいた。


「こんばんわ・・・お邪魔でしたでしょうか?」


そこにいたのは紫色のロングヘアに穏やかな物腰とあふれる母性の雰囲気を醸し出す反則的なまでに主張されている爆乳の美女・・・黄忠 漢升である。

俺達はUSP,45をホルスターに戻すとすぐに踵を鳴らして敬礼する。


「・・・黄忠様でありましょうか?」

「はい、性は黄、名は忠。字を漢升と申します」

「自分は劉備軍に助言役として参加しておりますライル将軍配下孫呉海兵隊第0大隊“群狼隊”所属のクラウド・レインディー二等軍曹であります」

「同じくポー・リーチェン曹長であります」


俺達が名乗ると黄忠殿は優しい笑顔で微笑み、軽く会釈をする。


「どうかされましたでしょうか?」

「いえ、ご主人様から聞かせて頂きました。璃々・・・・・・私の娘を韓玄達から救い出して頂いたと・・・」

「わざわざそのことの為に・・・・・・お心遣いに感謝致します」

「あらあら・・・お礼を言うのはこちらです。娘をお救い頂き、本当に感謝致します」


そんな状況で、俺達と黄忠様は口元を押さえて笑う。


「ふふ・・・・・・これじゃ堂々巡りですね?」

「本当ですわね。ご主人様が仰った通りのお方ですね」

「一刀君が何か?」

「はい、お二人の孫呉海兵隊の噂はここ益州にも届いています。国や主に絶対的な忠誠を誓い、その卓越された力で民と兵を守り、力を持たない人達に手を出す敵には鉄槌を下す心優しい天の軍隊と・・・」

「なんとも誇張された噂ですな・・・」

「全くだ・・・俺達はあくまで海兵隊員として任務をこなしているだけなのに・・・」

「ふふ・・・ご謙遜ですね。やっぱり噂通りのお方ですわ」


そう言うと黄忠様は俺達のすぐ前まで歩み寄り、俺達の顔を見る。その表情は桃香ちゃんや関羽とは違う美しさで、大人の女性に相応しい雰囲気だ。

俺達はそれに思わず顔を紅く染めて、視線を逸らしてしまう。

それを見た黄忠様は何か閃いたような悪戯っ子みたいに不敵に笑い、俺達の手を取る。


「どうかなさいましたか?」

「えっ⁉・・・い・・・いえ⁉なんでも・・・」

「そうですか・・・お2人にお礼をさせて頂きます。娘をお救い頂いた感謝の印として・・・我が真名“紫苑”をお預けいただけませんか?」

「真名を・・・ですか?」

「はい、お二人はもちろんですが、あなた様方の主様にも真名を預けさせて頂きますね」

「・・・分かりました。確かに真名を預からせて頂きました」

「それと・・・これもどうかお受け下さい」


そういうと紫苑殿は俺の両頬に手を添えて、顔を少し右に向けると左頬に唇を落とした。


「なっ⁉」

「ポー様にもですわ」


そういうとすぐに俺と同じように左頬に唇を落とした。あまりにもいきなりだったので俺達は2人揃って困惑してしまう。


「ふふっ・・・今日は遅いので失礼させて頂きます。また明日お会いしましょう」


それだけ口にすると紫苑殿は帰って行った。残された俺達はキスされた頬を触りながら、顔を真っ赤にさせるのであった・・・・・・。

紫苑殿率いる軍勢を組み込んだ劉備軍は雒城へと向かう。次なる相手は益州の猛者にして喧嘩士の厳顔と弟子の魏延。

有利な籠城を捨てて野戦を挑む厳顔に一刀が挑む。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[豪快の喧嘩士]

益州の地に雷鳴が鳴り響く。

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