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第124話:スニーキングミッション

敵地への潜入。人質を何としても救い出す。

劉備軍は順調に成都にむけて進軍していく。道中で合流した敵部隊を吸収していき、現段階での兵力は5万に成長。現在も増強傾向にある。


そして15箇所目の支城である楽成城へと軍を進め、俺とクラウド、それに一刀君の3人で潜入していた。


「目標の位置は分かっているか?」

「ああ、大体の場所は把握している」


今から一週間前に武官と文官が降伏してきて、とある情報を齎した。


その情報とは、楽成城の城主で弓の名手である後の五虎大将軍で後将軍となる黄忠 漢升は劉璋を見限り、劉備軍に降伏するつもりだったが、成都から派遣された韓玄、郭石、区星という武官がそれに気付き、黄忠の子供を人質にして無理やり戦わせているという。


当初は罠の可能性も指摘されたが、逃げて来た民からの情報に加えて武官と文官の助け出して欲しいという必死な頼みに桃香ちゃんと一刀君は決断した。


“救い出す”と・・・。


そこで俺達は一刀を引き連れて楽成城へと潜入。桃香ちゃん達が外で引きつけている間に人質を救出。クラウドと一刀君が馬で脱出して俺が単身でそのクソッタレ野郎共を血祭りに上げる。


だがその前に見つかったら話にもならないので俺達はひとまず旅芸人の服装で潜入している。


馬車には俺達の得物とサプレッサーとエイムポイントT-1、フォアグリップ、AN/PEQ-16を装備させたMP7A1とUSP,45を隠している。

そして俺達は一週間の情報収集の後、人質の居場所を特定して陽動攻撃が行なわれる日に行動を開始。


敵がそちらに注意を向いている隙に救い出すという流れだ。


「・・・・・・ポーさん」

「なんだい?」

「これ・・・着替えてもいいですか?」

「そんな時間はないだろ?なぁ、クラウド♪」

「それはいえてるぜ。舞姫様♪」


俺達は旅芸人の格好の上にタクティカルベストを身につけて、横には女性がいた。

その格好は赤を主体とした和服に左目を隠した黒の長髪。帯に日本刀を差している美人だ。

なお、彼女の名前は・・・・・・。


「・・・頼みますから名前で呼んで下さい・・・女形の服って恥ずかしいんですから・・・」

「ははっ・・・悪かったって。一刀君」

「しかし・・・君って本当は女じゃないのか?」

「俺は男です‼」


言わなくても分かるが、この美女は日本文化の歌舞伎の一つである女形の格好をした一刀君だ。


南郷大尉が言っていた。北郷一族と南郷一族の男は修行として和の心を理解するべく、女形で舞いをするらしい。


しかしまさかここまで似合っているとは思わなかった。


特にこの格好を見た桃香ちゃんや関羽は思わず鼻血を出して気を失い、はわあわふわ軍師三人衆は妄想に意識が飛び、霞と星は襲い掛かろうとして、他の女性陣達は何だか自信を無くしたようだ。


「まぁ、冗談はさておき・・・・・・人質はこの先にある空き家・・・大胆にも城の近くで監禁されているようだ」

「黄忠の城の目と鼻の先にですか?」

「灯台下暗しという奴だ。劉備ちゃん達が陽動撹乱しているから注意はどうしてもそっちに向けられるからな。あと黄忠も必死だろう


確かに自分の子供が人質にされたら誰だって必死になる。その人質が無事に解放されるという保証はないし、何よりもこんな卑劣な手段を用いる奴等だ。

口封じで黄忠もろとも逆賊として殺害する可能性が極めて高い。


「しかし黄忠の子供とはな・・・ということは黄叙になるか」

「この世界でもやっぱり女なのかな?」

「・・・でしょうね。今までで性別が同じだったのは諸葛謹さんに神医、丁奉さん、それに徐晃くらいでしたから・・・」

「民の情報では黄忠も淑やかな女性ということだからな。しかし民にも兵にも慕われる心優しい御仁・・・・・・一度会ってみたいな」

「救出して韓玄達を駆逐すれば会えますよ」

「そうだな・・・・・・・・・隠れろ。目標の建物だ」


路地裏に隠れながら様子を伺う俺達。その視線の先にある空き家の前には武装した見張りが数名。呑気に雑談をしてやがる。


「あの建物ですか?」

「ああ、昨日の時点で中に子供がいるのを確認している。それにあんな場所に見張りを立てるなんて何かがあるとさか言いようがないだろ?」

「見張りは3人か・・・内部にも何人かいるだろう」

「どうします?」

「こちらから尋ねるんだ。入口から入らないと失礼だろう?もちろん入口前の連中にも“挨拶”してな」


そういうと俺はMP7A1と背中に預けている多節棍の百足を軽く叩く。するとクラウドもMP7A1を構え、一刀君も抜刀の用意をする。


「一刀君。君が先に行って奴等を誑かしてくれないか?」

「はぁ・・・・・・分かりました」


溜息を吐きながら一刀君は見張りのところへと歩き出す。一刀君の姿を見つけた敵兵は何の警戒もせずにナンパを始める。


「おい、見ろよ」

「なにがだ・・・・・・うひょー‼」

「凄え美人じゃねえか⁉」

「今日は兵隊さん」

「こんな場所にあんたみたいないいとこの嬢ちゃんがどうしたんだい?」

「連れを探していまして・・・・・・知りませんか?」

「そんな連れなんて忘れて俺等と遊ばねえか?」

「えぇ〜。どうしようかな?」

「いいじゃねえか♪」

「う〜ん・・・・・・そうですね〜。だったら・・・・・・」


一刀君は見事なまでの女声で誑かしていると、1人に近づいて攻撃範囲に入ると、素早く神龍双牙の天を抜刀して、1人の敵の喉を貫いた。


「ぐぁ・・・」

「・・・・・・地獄に落ちやがれ」

「なっ⁉・・・・・・」


残った敵兵は槍を構えようとするがそれは叶わなかった。MP7A1の照準を合わしていた俺とポーの放った4.6mm弾が額に命中して、瞬く間に制圧される。


入口前に移動するとクラウドは左手にグルカナイフを手にしてUSP,45を構える。準備が出来ると俺はクラウドの右肩に左手を置き、深く深呼吸すると短く二回叩く。


“やれ”の合図だ。


確認したクラウドは扉をノックして、少しだけ開いたら一気に突入。扉を開けようとした敵はクラウドのグルカナイフで刺殺され、俺も続いて突入。MP7A1で照準を合わせて室内で寛いでいた敵を仕留める。


「クリア‼」

「クリア‼制圧確認‼」


制圧を確認すると人質を探すが見当たらない。一刀君は神龍双牙を構えながら虫の息状態の敵に突きつける。


「言え‼人質の子供は何処だ⁉」

「ひ・・・一足遅かっ・・・た・・・な」

「なんだと⁉」

「さ・・・さっき・・・・・・韓玄様達が・・・連れて行った・・・・・・・・・い・・・いまご・・・ろは・・・くたば・・・って・・・・・・・・・」


一足遅かったようだ。人質は既に別の場所に移され、命が危ない。一刀君はこいつの心臓に刀を突き刺してトドメを刺す。


「こんな奴等がいるから・・・・・・この国は疲弊していくばかりなんだ・・・」

「一刀君・・・・・・」

「急ぐぞ。話からしてまだ間に合う」

「・・・・・・はい。奴等が向かうとすれば城壁だけです」

「黄忠を脅すつもりか・・・・・・作戦変更だ。人質を救い出したら一刀君は子供を連れて先に撤収してくれ。俺達で韓玄達をぶっ殺す」

「分かりました」

「捕虜は必要ない。黄忠配下の兵以外のケダモノ以下連中は全員殺してやれ」

「Rog」


そういうと俺達は直ぐに城壁へと急ぐ。この無益な戦闘を終わらせ、人としてのプライドを忘れたクソッタレ野郎を叩き潰す為に・・・・・・・・・・・・。

交州が孫策軍の統治下に置かれたちょうどその頃、徐州の隣にある青州。かつて跋扈した黄巾残党軍がいたが、現在は歌姫達の活躍で曹操軍の青州兵となった。そしてその青州で彼女達の歌声が響き渡る。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[歌姫]


彼女達の歌声が人々の心を掴む。

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