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第116話:針路を交州へ

蜀のはわわ軍師とあわわ軍師に続き、ふわわ軍師が現れる。

無事に劉備軍の撤退をサポートした俺達も益州に入り、劉備軍が駐留している白帝城で警備に当たり、翌日の昼間に回収にやって来たMV-22BとCH-53Kが到着。


既にブロウラーとスレイプニルをCH-53Kに載せ、そのまま先にヴェアウルフに向かって離陸して行った。俺も装備を身につけてHK416を片手に一刀達と話をしていた。


「ライルさん、本当にありがとうございました」

「気にする必要はない」

「だが私達は本当にお前には感謝している。機会があれば、また来てくれ。その時には歓迎する」

「分かった。楽しみにしているよ愛紗」


愛紗はそのまま手を差し伸べ、俺もそれを握って握手を交わす。


「それより一刀」

「なんですか?」

「劉璋軍を絶対に侮らない方がいいぞ。奴自身は無能だが、黄忠や厳顔、張任と有能な武将が多い」

「分かってます。油断ならないのは知ってます」

「だが君達ならやれると信じてる。期待を裏切るなよ」

「はい。必ず期待に応えてみせます」

「クラウドとポーも任せるぞ」

「了解です‼」

「俺達に任せて下さい‼」


一刀に伝えると俺は踵を鳴らして敬礼をして、一刀とクラウドとポーも同じように敬礼を返す。


「それよりライルさん、孫策に渡して欲しい親書がありますから渡してくれませんか?」

「分かった。それでその親書は?」

「はい。それならここに・・・・・・あれ?」

「どうした?」

「確かに隣にいたんだけど・・・・・・どこに行ったんだ?」


どうも誰かがいたようであり、一刀は辺りを見渡して探し出す。俺も探すが誰もいない。すると誰かの声が聞こえて来た。


「あ・・・あのぅ〜・・・ここでしゅ⁉」

「何処からだ?」

「声はするが姿が見えないな・・・」

「こっちでしゅ・・・」

「ポー、分かるか?」

「いや・・・何だか不気味だな・・・」


クラウドとポーも加わって探すが一向に見つからない。一応は気配はするが姿が見えない。何故か知らないが桃香達が苦笑いを浮かべているが今ひとつ理解できない。


「こ・・・こっちでしゅ‼下でしゅ‼」

「「「「下?・・・・・・うわ⁉」」」」


俺達が一斉に視線を下に向けると同時に驚いた。そこにいたのは朱里と同じ服だが、サイズが小さいようだ。

その子は声に驚いたのか、俯いてしまっていた。


「ふわわ⁉」

「・・・ふわわ?」


・・・“はわわ”じゃなくて“ふわわ”?


「・・・・・・えっと・・・どうしたんだ朱里?・・・・・・服の寸法を間違えたのか?もしくは縮んだのか?」

「はわわ⁉わ・・・私はこっちです‼」


後方から声がしたので振り向くと、そこには何時もの服装と身長の朱里がいた。それも拗ねながらだ。

俺は前と後ろを交互にみながら考えに至った。


「・・・・・・・・・・・・分裂?」

「「違いましゅ‼‼・・・はわわ(ふわわ)・・・噛んじゃった・・・」」


・・・・・・なんだ?・・・この小動物は・・・・・・。


俺は目の前にいる小動物が乗せているベレー帽を外して思わず頭を撫でてしまっていた。


「はわわ⁉なんで撫でるんですか⁉」

「ふわわ〜・・・・・・」

「いや・・・何と無くな・・・・・・まあ、冗談はおいといて君は?・・・」

「はわっ⁉なんだか軽く流された気がしますが、この子は私の妹の・・・」

「ふわわ⁉・・・せ・・・性は諸葛、名は均で字は子魚‼ま・・・まにゃは夏雅里(かがり/諸葛均の真名)でしゅ‼」


なるほど・・・それでよく似てるのか。しかし姉がこうなら妹も影響されるのか・・・。千里の気持ちも分からなくはない。





・・・その頃、交州の海兵隊野戦基地では・・・。


「だぁああああああ‼離して下さいアレックス様ぁあ‼」

「落ち着け千里⁉大体なにがあったんだよ⁉」

「何故か分かりませんが益州に行かなきゃならない気がして仕方が無いんですよ‼というか行くべきなんです‼」

「訳が分からん‼」

「しゅりぃいいいい‼‼かがりぃいいいい‼‼今お兄ちゃんが行くぞぉおおお‼‼」

「だから朱里ちゃんは相棒に任せとけって⁉あと最後のは誰なんだぁあああ‼⁉⁇」


暴走状態の千里をアレックスが必死になって取り押さえていた・・・。





俺は何だか相棒が救援を求めているように感じて、夏雅里から親書を受け取り、2人のベレー帽を正しく被り直させる。


「真名まで預けてくれるのか?」

「は・・・はい・・・・・・だって・・・お姉ちゃんやお兄ちゃんがまにゃをあじゅけてますから、私もあじゅけましゅ・・・噛んじゃった・・・」


・・・・・・連れて帰ってもいいかな?

そんなくだらないことを考えながら、俺は夏雅里から親書を預かり、一歩後ろに下がると再び敬礼をする。


「それじゃ、俺達は帰る。頑張ってくれ」

「はい、ライルさんもお元気で」

「ライルさ〜ん‼また来て下さいね‼ほら♪刀瑠ちゃんもバイバイしましょうね〜♪」

「あわわ(コクリコクリ)」

「にゃはは♪おじちゃんバイバイなのだ♪」

「また今度、メンマを共に語りましょうぞ♪」

「まったねぇ〜♪ライルお兄さ〜ん♪」

「今度あたしと馬で勝負してくれよ‼」

「・・・ライル・・・また会う」

「へぅううう・・・お怪我のないように・・・」

「べ・・・別に来たかったら来なさいよね‼べ・・・別にあんたの為じゃないんだからね‼月の為なんだからね‼」

「ライル♪アレックス達にもよろしゅうなぁあ♪」

「今度の模擬戦は私が勝つ‼」

「ま・・・またな・・・・・・ライル」

「恋殿を待たせるのは許さないですぞ‼」

「兄貴♪次は土産頼んだぜ‼」


全員がそれぞれの言葉を俺に送ると最敬礼で返し、直ぐにオスプレイに乗り込む。

全員の搭乗を確認した機長は後部ハッチを閉鎖して徐々に高度を上げて行く。


そしてオスプレイは機首を東に向かって飛行を始める。

雪蓮殿達が待つ交州へと・・・・・・。

劉備軍をとり逃したものの、荊州北部と中部を手中に収めた曹操軍。新野で治安活動に赴いていた牙刀と凪は警邏を行なっていた。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[牙刀と凪]

警邏でハチャメチャが起こる。

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