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第115話:馬一族の出会いと特別任務

狼と錦が出会う。

何とか曹操軍の追撃を振り切り、途中で出くわした劉琮軍による攻撃があったが全てを蹴散らし、無事に益州へと入った。道中には後方警戒にあたっていた劉備軍と寝返った元劉璋軍兵士も見れた。


そして益州に入ってから大体四半日で白帝城に到着。俺達は城内に入って全員で一刀達が待つ玉座へと向かう。


「失礼、北郷殿と劉備殿に面会を希望する」

「よくお戻りになられました。既に皆様がお待ちです。どうぞお入り下さい」


そういうと衛兵は扉を開けて、俺達は玉座へと入る。中には一刀と桃香達、更には会ったことが無い女の子が2人。


2人とも髪をポニーテールにして、片方は瑠璃色の服に白のスカート。眉が太くて目が大きい“男気”が感じられる背が高めの女の子と、色違いの服に胸元をリボンから小さめのネクタイ。オレンジ色の髪をサイドポニーテールにしたいかにも“悪戯好き”の印象が感じられる少女だ。


俺達は一刀達に歩み寄り、停止すると踵を鳴らして敬礼をする。


「ライルさん‼無事でよかった・・・」

「何とか無事で済んだよ。かなり際どかったがな・・・。それより阿斗は大丈夫だったか?」

「うん♪霞ちゃんや露蘭君のおかげで無事だよ。ほら♪」


そういうと桃香は抱っこしていた阿斗を俺に見せる。つぶらな瞳でこちらを見ている阿斗に歩み寄り、頬を優しく触ると指を握って来た。


「ライルさん、本当にありがとうございます。刀瑠やみんなを助けてくれて・・・」

「俺達は鈴々と一緒に橋を守っただけだ。この子を助けたのは霞と露蘭だよ」

「いややわぁあ♪そんなに褒めんとってぇなぁあ♪」

「それ程でも・・・あるぜ♪」


褒められて霞は両手を頬に添えて、露蘭は両手を腰に当てて大分に威張る。


「ぶぅううう‼鈴々も頑張ったのだ‼」


横から鈴々が両手を挙げながら近づいて来た。


「分かってるよ鈴々」


そういいながら一刀は鈴々の頭に手をおいて撫で始める。


「にゃはは〜♪お兄ちゃんに撫でられたのだ♪」

「こら鈴々‼今は仮にも軍議中だぞ‼ご主人様もあまり鈴々を甘やかさないで下さい‼」

「とかいいつつ、実はお主も撫でて貰いたく仕方が無いとみた♪」

「せ・・・星⁉」

「・・・鈴々だけずるい・・・・・・恋にもナデナデ・・・」

「へぅ・・・」

「ちょ⁉駄目よ月⁉駄目だから戻って来なさい‼」

「はわわぁ‼」

「あわわぁ‼」

「・・・なんだかこの光景・・・前にもあったような気がすると感じるのは私だけか?」

「心配するな白蓮。私も同じことを考えていたところだ」

「こらぁあ‼ヘボ君主‼恋殿に何するつもりですかですぞ‼」


一刀のナデナデをきっかけに先程の2人と俺達を除いて全員がそれぞれのリアクションを見せる。というか何人かは確実に嫉妬が入っているだろう。


「・・・それで一刀。さっきから気になってたんだが・・・そちらの2人は?」

「えっ⁉・・・あ・・・・・・はい。益州に入って暫くしてからなった俺達の新しい仲間です」

「あたしの名前は馬超っていうんだ。よろしくな」

「はいは〜い♪蒲公英は馬岱っていうんだよ♪仲良くしてね♪」


俺は表情を変えずに驚く。しかしどうでもいいが、騎馬戦術が得意な武将は何で大半がポニーテールをしているんだ?


「馬超殿と馬岱殿か・・・・・・自分は孫呉海兵隊総司令官兼第0大隊大隊長を務めるライル・L・ブレイド中佐であります」

「あんたが噂の“銀狼”って呼ばれてる将か・・・聞いてはいたけど、変な名前だな」

「ふ〜ん・・・だけどカッコいいね♪おじさん♪」


馬岱殿の一言が何気にぐさっと来た。なんで鈴々もこの子も俺のことをおじちゃんやらおじさんと呼ぶんだ・・・・・・?


「・・・・・・えっと・・・だ・・・大丈夫ですかライルさん?」

「いや・・・大丈夫・・・・・・気にしては無いから・・・は・・・はははは・・・はは・・・・・・はぁ〜・・・」


実は大丈夫じゃない。歳に関してはどうも慣れない。頼むからせめて兄ちゃんと呼んで欲しい。


「そ・・・・・・それで・・・君達は確か西涼にいた筈だが、なぜここに?」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・あたし達の国に・・・曹操が攻めて来たんだ」

「⁉」

「あたし達が潼関で曹操軍を迎え撃ったんだけど・・・・・・全部が読まれて裏を掛かれたんだ・・・」

「それで翡翠・・・馬謄叔母様が蒲公英達を逃がす為に抵抗して・・・・・・」


2人は悲痛な気持ちで何が起こったのか説明してくれた。

曹操軍による涼州侵攻は予測できていたが、まさか兵を二手に分けて来るのは予想外だ。だが長坂橋で夏侯淵と曹洪の姿が無かったのがようやく理解出来た。

だが、これで北側の領土は全て曹操の手に落ち、西涼の狼という異名を持つ馬謄が殺害されたというのが立証されてしまった。


「・・・すまない。・・・・・・お悔やみ申し上げる」

「いや・・・だけど何時か必ず・・・あたしの手で曹操を討ち取って、母様の仇を討ってやる‼・・・だけど今はご主人様や桃香様と一緒にこの国を押さえるけどな」

「蒲公英も頑張るよ‼」


そういうと2人は一歩下がる。


「事と内容は分かった。俺からも報告だ。長坂橋を爆破したから曹操軍は追撃して来られない。道中には劉琮軍が待ち構えていたが、全て撃破した」

「そうですか・・・だけどこれで荊州北部と中部か完全に曹操の手に落ちましたね」

「ああ・・・君達も早くこの国を落とさないと不味い状況になるぞ」

「分かっています。明日には進軍を再開させます。ですがライルさん」

「なんだ?」

「やっぱり・・・・・・一緒には来てくれないのですか?」


俺は沈黙する。確かに劉備軍の指揮下に入るのは一刀達が益州に入るまでの期間であり、それが成されたから直ぐに孫策軍に戻って交州平定に向かわなければならない。


「・・・ああ」

「えええええ⁉おじさん来てくれないの⁉」

「そういう契約だったからな。俺達も早く呉に戻って曹操に備えないと・・・・・・それと俺はまだおじさんと呼ばれる程に歳を食っちゃいない」

「そうなの?」

「そうだ」

「ふぅ〜ん・・・残念だったねお姉様♪」

「な・・・何がだよ?」

「ニシシシ♪だってお姉様言ってたじゃん♪ライルお兄さんと会えたらいいなぁって♪」

「な・・・なに言ってんだよ蒲公英⁉」

「おまけにライルお兄さんの馬に乗りたいって言ってたよね♪」

「¥$€%%°○*〒々^=÷〆‼⁉⁇」


馬岱の爆弾発言に馬超は顔を真っ赤にしながら解読出来そうもない羅列を口にして慌てる。

というか、悪戯をしている馬岱の笑顔もそうだが、慌てる馬超もなんだか保護欲に駆られてしまいそうなのは気のせいだろうか?


だが本音を言えば力を貸してやりたい。それは孫呉軍人だからとしてではなく、同盟国だからという理由ではない。

個人的に一刀の行く末を見てみたいのだ。だが軍人である以上は任務が完了した今、すぐにでも本隊と合流しなければならない。


俺は暫く考えて、ある妙案を思いついた。


「ポーとクラウド。2人とも前へ」


そういうと2人が前に出て来て一刀に敬礼をする。


「一刀、桃香。紹介しよう。右がクラウド・レインディー二等軍曹で、左がポー・リーチェン曹長だ」

「初めまして、クラウドだ」

「俺はポー・リーチェン。よろしくな」

「北郷 一刀です。でもライルさん、何がどうしたんですか?」

「それは今から話すよ・・・・・・気をつけ‼」


俺がそういうと2人は踵を鳴らして直立不動の姿勢でその場に佇む。


「クラウド二曹‼ポー曹長‼お前達2人に特別任務を言い渡す‼成都制圧完了までの間、オブザーバーとして劉備軍の支援にあたれ‼」

「「Sir Yes sir!!」」


振り返ると、唖然とした一刀達。だがその一刀は素早く復帰したようであり、俺に戸惑いながら話しかけて来た。


「え・・・えっと・・・・・・ライルさん?」

「なんだ?」

「状況が今ひとつ理解し辛かったんですが・・・・・・」

「要するにだ。この2人をオブザーバー・・・助言役として残らすから、存分に活躍させてやれということだ」

「いいんですか?」

「因みに、2人は武術にも優れてるぞ。クラウドは二刀流と暗殺の達人で、ポーは徒手格闘技と多節棍の達人だ。しかもこのポーは南郷の弟子でもある」

「武久さんの?」

「そうだ。それで了承してくれるか?」

「もちろん大歓迎です。ねえ桃香?」

「うん♪みんなもいいよね?」


2人は見渡して全員の表情を見る。全員が賛成の表情をしており、問題はなさそうだ。


「それでポーとクラウド。何か要望はあるか?」

「そうですね・・・・・・ならブロウラーを一台お貸し下さい」

「それとMP7A1と予備マガジンと弾薬を大量にお願いします」

「分かった。回収部隊に届けさせる」


その後に俺達は軍議をようやく再開させ、クラウドとポーは一刀の親衛隊に暫く身を置くことになり、必要に応じて部隊を任せられることとなった。


そして俺達は回収部隊が到着するまでの間、白帝城の守備を行なうのであった・・・・・・・・・。

劉備軍の撤退支援は完了した。任務完了したライル達はクラウドとポーの2人を残して交州の本隊へと向かう。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[針路を交州へ]

狼達が新たな戦地へと飛び立つ。

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