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第113話:死神の救済

人質救出作戦にアレックスが挑む。

相棒が指揮するハンターキラーが劉備軍の援護に向かっている頃、雪蓮殿率いる軍勢は行動を開始した。


交州への進軍である。


交州反乱軍の戦力で驚異となるのは地形を活かしたゲリラ作戦だが、俺達孫呉海兵隊を最前線に出し、練度で劣る国境付近に展開していた敵を殲滅。一気に進撃する。


だが攻勢開始から4日が経過した頃に問題が発生した。敵に占拠されている砲撃対象の集落に民間人が人質にされているとの情報が舞い込んで来た。


その場所は敵の重要拠点の一つで、人質がいなかったらウォーアックス隊による砲撃を行なう筈だった。そこで俺が指揮するソードブレイカー隊とウォーピック隊が市街地に突入する作戦が立案され、ガビアルに乗り込んで進軍していた。


「いいか⁉今回の作戦は人質となった民間人の救出だ‼既にレイヴンにより位置は判明している‼降車地点の200m先にある建物だ‼」

『了解‼』

「第2大隊と第3大隊が西から攻撃を加えている‼クソッタレ共の目がそっちに釘付けになってる間に一気に行くぞ‼」

「少佐‼人質の人数は⁉」

「情報では1人‼味方と民間人以外は全て敵だ‼」


そういうと俺はMk46 Mod1を手に取って初弾を装填する。部下達もHK416やHK417、HK417 DMR、M27 IARの初弾を装填して光学機器の電源をいれ、俺もAN/PVQ-31B ACOGの電源をオンにして戦闘準備を整える。


「中佐、降車地点に到着しました」

「よし‼‼民間人をクソッタレ共から救い出すぞ‼」

『Hooah!!』

「Retreat⁉」

『Hell!!』

「Semper fidelis!!」

『Hooah!!!!』


大声で叫ぶとガビアルが停車して後部ハッチが開放される。


「Oh right marine,s!!Let,s go!!Move!!」


俺達も一気に降車してガビアルの左右に展開。前方には戸惑う敵兵がいたが、照準を合わせると見つけた敵に対して発砲。

部下達も敵に対して発砲していき、ガビアルからもMk44 30mmチェーンガンによる攻撃が開始。


「敵を足止めしろ‼近付かせるな‼」

『了解‼』

「1-2(第1小隊第2分隊)と1-3(第1小隊第3分隊)は俺に続け‼人質救出完了後にウォーピック1とウィスキー4は急行しろ‼」

<ウォーピック1了解‼>

<こちらウィスキー4‼了解‼>

「時間が無い‼敵が撤退する前に人質を救出‼砲撃範囲から脱出するぞ‼いいな⁉」

『了解‼』

「行くぞマリーンズ‼」


そういうと1-2と1-3が俺の後に続き、他の部隊とガビアル、M1114が敵を釘付けにする為に攻撃を開始する。


作戦内容はこうだ。


交州反乱軍に捕えられている人質が監禁されている建物に二個分隊で突入。

その間にソードブレイカー隊とウォーピック隊は市街地内部、エストック隊と孫呉海兵隊第2大隊と第3大隊が外部で敵を釘付けにする。


人質を救出したらウォーピック1とウィスキー4が回収に向かい、部隊は市街地より脱出。最終にウォーアックス隊のM109A6PIMによる集中砲撃で敵を廃村もろとも排除する。


力がない民間人を救い出し、悪魔という敵から守護する今回の作戦は“ガーディアンエンジェル”。守護天使作戦だ。


途中の建物や路地裏から出現する敵に5.56mmNATO弾を撃ち込みながら前進。


「そこのボロ屋に敵が逃げ込んだぞ‼」

「少尉‼手榴弾をくれてやれ‼」

「了解‼・・・・・・手榴弾‼」


近くにいた少尉に対して逃げ込まれた空き家に手榴弾を投げ込むように指示し、窓から内部に手榴弾を放り込む。

数秒した後に中から敵の断末魔の叫び声と共に爆発音が聞こえ、壁の一部が吹っ飛んだ。


「目標の建物だ‼一気に行くぞ‼」

『了解‼』


そういうと俺は背中に背負っていた髑髏を手に取り、それを構えると一気に駆け出した。周辺には敵が複数展開していたが関係ない。俺は敵に向かって走りながら一歩手前で飛び上がる。


「はっ‼」


飛来しながら髑髏を振りかざし、反応が遅れた敵兵の首を刎ねる。


「き・・・巨大な鎌に斑目模様の服装⁉」

「こ・・・“江東の死神”⁉」

「見せてやるよ‼死神って奴の力をな‼」


少しカッコつけながら俺は震えて身動きが取れない敵兵を次々と刈り取る。敵は怯みながら反撃するが、俺の敵ではない。


因みに相棒が“江東の銀狼”という異名を持つように、俺も敵からは“江東の死神”という異名で知られている。


理由はただ単に髑髏を手に持って敵の首を刎ねる戦い方を得意とするからだ。

その光景はまさに死神だ。周辺の敵を刈り終えると髑髏からMk46 Mod1に切り替えて壁に張り付き、俺と1-2が突入して、1-3が周辺を警戒する。


HK416を構えた伍長が入り口手前に張り付くとポーチからM84を取り出し、ピンを抜くと構える。


「フラッシュバン‼」


そのまま建物内に投げ込んで起爆に備える。少し間を置いて起爆し、確認したら一気に内部に突入。入り口には敵が待ち構えていたが、突入と同時に制圧。


「エントランス制圧‼」

「ディーパー‼スミス‼入り口を見張れ‼」

「「了解‼」」

「シモンズとハモンドは一階‼ゲレロとセブリコッドは俺と二階だ‼行くぞ‼」

『了解‼』


そういうと担当する二階へとM45を構えながら上がり、上がった先にいた敵を仕留める。

どうやらこの建物は以前は旅館として機能していたようであり、中々の広さだ。


俺は襖を開けながら様子を伺い、やがては最後の部屋の前に辿り着く。耳を澄ますと中からは口論と思われる話し声。


俺達は左右に張り付き、セブリコット上等兵が少しだけ開けると内部にM84を投擲。


起爆すると襖が衝撃で吹き飛び、俺達は一気に突入。内部には拘束された人質と武装した敵。すかさずM45の照準を合わせて発砲。

敵は反撃も出来ずに制圧され、俺は新しいマガジンを装填して警戒する。


「クリア‼」

「クリア‼」

「クリア‼」


M45を構えながら跪いた人質に歩み寄り、俺はホルスターにM45を戻す。


「大丈夫か?」

「あ・・・・・・あなたは?」

「俺は孫呉海兵隊のものだ。君の救出に来た」

「え・・・えっと・・・・・・」

「俺はアレックス・ヴォード。孫呉海兵隊の副司令で孫策殿配下の将だ」

「お姉様の?」

「お姉様?」

「は・・・はい・・・・・・わ・・・私は雪蓮姉様と蓮華姉様の妹で孫翊、字を叔弼といいます」


名前を聞いて驚かされる。確かによく見たら長い桃色の髪にモデルを思わせるスタイル。加えて座っていることで露わになった脚は美しく、雪蓮殿が胸で蓮華が尻が自慢だとしたら、彼女の場合は美脚だろう。更に礼儀正しく眼鏡を掛けていることでかなり知的印象が強い。

それらの相違点を除けばよく似ている。


「あなたが孫翊殿・・・・・・お噂は予々」

「い・・・いえ⁉私の噂なんてお姉様達と比べたら些細なもので‼」

「・・・・・・と・・・兎に角‼急いでここを離れます。セブリコット」

「はっ‼」

「HQに通達‼パッケージ救出‼これより脱出する‼」

「了解‼・・・1-2からHQ‼」

<こちらHQ>

「パッケージ救出‼繰り返す、パッケージ救出‼これより脱出する‼」

<了解した1-2。HQから作戦行動中の全隊へ。パッケージを確保。これより作戦の第2段階へと移行する。射程範囲内にいる部隊は直ちに退却せよ。ウォーピック1とウィスキー4は1-2と1-3及びパッケージを回収した後に脱出せよ。HQ out>


通信を終了させると俺達は孫翊殿を連れて建物の外に出て、ウォーピック1とウィスキー4の到着を待つ。距離は200m弱だったのでそれほど時間は掛からず到着。

ガビアルやハンヴィーを初めて見た孫翊殿は驚きを隠せずにいた。


「孫翊殿はウォーピック1に乗せる‼1-3もガビアルだ‼4人はウィスキー4に搭乗しろ‼」

『了解‼』

「孫翊殿‼これに乗って下さい‼この街から脱出します‼」

「は・・・はい‼」


俺は孫翊殿を一番にガビアルへと乗せ、続いて1-3と1-2の4人が搭乗して、車長は確認すると後部ハッチを閉鎖。残った俺達もウィスキー4に搭乗して、スミス伍長が銃座に着く。


「よし脱出だ‼敵が前にいたら引き殺せ‼」

<こちらウォーピック1‼了解です少佐‼クソ野郎を挽肉にしてやります‼>


中央突破を指示するとガビアルのブッシュマスターⅡとハンヴィーのM134Dが見掛けた敵を片っ端から仕留めて行き、無謀にも立ち塞がった敵は28tもあるガビアルに踏み潰される。

やがてウォーアックス隊の攻撃範囲から脱出した俺達は雪蓮殿達が待つ本陣へと向かう。恐らくは久々である姉妹の再会の為に・・・・・・。

人質となっていた孫翊を救い出せた。後は残った敵を無人の町もろとも吹き飛ばすだけだ。

その任務を待機していたウォーアックス隊が実行する。


次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”

[パラディン]

交州に砲声が木霊する。

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