Ep.I 序
遠い何処かの御伽噺
ここはそこに生きる人間の生き様死に様全てが、記録されている場所。
そんな摩訶不思議な場所に迷い込んだ名も亡き少年、のちにレグウラと名乗ることとなるその少年は、白い霧がかかっているような意識の中で、遠い先、本を読んでいる人と出会った。
「ここは・・・?」
辺り一面が本棚に囲われ中央には大きな木が聳え立っている。その木を囲むように川が流れ潺の心地い音が心を洗い流すような、神聖な場所にいた。
目の前の大きな木の下に、誰かが本を読んでいる。ここはどこなのか、ありかを知っているのかもしれないと思った俺は、その人に聞くことにした。一歩踏み出した足は生い茂る草をかき分け、意識すらも怪しい中で橋を渡る、本を読んでいる君と目が合った、そんな君は本を閉じて立ち上がる
「やあ、よく来たね。」
「ここは、いったいどこなんだ?」
「ここは、大樹の書庫さ」
大樹の書庫、そこは人の生き死にすべてが記載されている本が並んでいる。生者も、死者も、すべてはその本の通りになる。背表紙にはその人の名前が書かれているとのこと。
「大樹の書庫・・・かぁ。」
ふいに自分の手を見る。そしてあたりを見回る、その後に本を読んでいた子がこちらへと近づく
「君にはこれから、王立学園に通ってもらう。」
これは実験だ
筋書きが決まっている物語に神の手の外にいる『異物』が、この物語にどのような影響をもたらすのか、見させてもらうよ。
そうだ、君に名前をあげよう。
『ゼフィール』
君は王になるべき男だ、そのための物語、これで私の罪も許されることだろう。
気が付くと、俺はある小屋にいた。
訳の分からないままことが進み、少しばかし困惑している俺は、ベッドから起き上がりあたりを見回すと、机の上に置手紙が一通、何かの手掛かりになるのだろうと、俺はその封を開け中を改める。
内容は、明日王立学園へ向かう馬車が来るとのこと、それまでは自由。
そして、王立学園に関しての情報も入っていた、五年全寮制、二年までは一般教養を身に着け、三年目以降は専門教科を学び始めるとのこと。座学だけでなく、武術や剣術も必要なのだとか。
まあ、なんとなくなりゆきで行けるだろう。
この小屋を出て、あたりの状況を把握したいところだが、帰ってこれる自信がない。だから、小屋の中を歩き回ることにした。
必要最低限しかない、すべて初めて見るもののはずだが不思議と用途と使い方がわかる。このくらいなら、何も困らなさそうだな。
そもそも、何故俺はあいつに会う以前の記憶がない?何故俺は王立学園に行かねばならない?俺は一体、誰なんだ?そんな疑問が頭からぬぐえなかった。それなのに時は残酷に進み、夕暮れ時となる。特にやるべきこともなく、布団に入り、そのまま睡眠へと入った。
気が付くとあの時と同じ場所にいた。奥にはあの時と同じ人間がいた、俺は決めていたことがある、あいつに出会ったら現状を問い詰めると、だから俺は、所かまわずあいつに向かって胸倉をつかむ
「野蛮だねぇ」
「これはどういうことかすべて説明しろ、ここはどこで、俺は、お前は誰で、こんなおかしい世界すべてをな!!おれが納得いくまで話してもらう。」
「いいだろう、君が望むなら・・・。まずは自己紹介だね、僕の名はライヴ。この大樹の書庫には君が眠っている時に来れる、夜であろうが昼であろうが。」
「どういうことだ??」
ゼフィールがライヴに幾度となく質問を繰り返してようやく理解した。
この大樹の書庫と呼ばれる場所も、もうひとつの場所も共に"物語"であると。
その物語の創造したのがライヴである、この物語と、大樹の書庫にある無数の人の一生の本は密接な関係を持っているとのこと。
背表紙にある名前の生き死に全てが書かれているが、唯一存在しない『ゼフィールの本』
この筋書きの決まった物語に、筋書きの外側にいるものを『異物』と呼ぶことにする。その異物は、この物語にどのような影響をもたらすのか・・・
ここにある本は好きなだけ読めばいいと・・・
全く関係のない人間の本を呼んだところで関係のない話だ。何も見ず、成り行きで進むのが一番良いと判断した。
これが俺の生き方だ・・・
《キャラクター紹介》
ゼフィール
異物として物語に存在している
白い髪に赤い瞳を持つ・・・
まるですべてを焼き尽くすような




