6話
「今日はありがとうございます。そこで!皆さんが日本に伝えてくれた料理を振る舞いたいと思います。味を懐かしみながら楽しんで下さい!!材料費はバイトですので、安心して下さい」
しゃもじを持ちながら意気込むように話す日本くん。
中学生でも事情があればバイトは出来るので、それを利用したのだとか。
そしてテーブルに並べられているのはカレー、肉じゃが、コロッケ、ナポリタンにコーンピザ、冷やし中華に焼き餃子に醤油ラーメン。
「え、こんな料理伝えたか、、、?てか、カレーってこんなとろみのあるやつだったか?あと、肉じゃがは俺は伝えてねぇぞ」
「いえ、イギリスくんのビーフシチューです」
「は?」
「あー!分かる。何となく原型は思い当たるよ。でも、これは俺の料理とは違う!」
コロッケを見ながら首を傾げているフランスくん。
「ナポリタンって何!?何でピッザァにコーンが乗ってるの!?」
ナポリタンとコーンピザを前にして頭を抱えながら叫んでいるイタリアくん。
「おめー、これ絶対わざとやってるだろ、、、」
力尽きたように椅子にもたれ掛かっている中国くん。目の前には冷やし中華に焼き餃子に醤油ラーメン。
そして、タイくんは静かに「アライア」と呟いている。
「アメリカくんはどれを魔改造されたの?」
「俺は改造されていない!」
「わー、建国してから約三百年だもんね」
「アメリカさんが一番年下説出てる」
「韓国くんは北の子と一緒だった時も含めたら紀元前だよね」
「俺単体はまだ百年も経っていない説出てる」
なんて会話に耳を傾けていた。それにしても、、、日本くんって色々魔改造し過ぎなのでは、、、!?
夜、中国くんに大事な話があるからとリビングに呼び出され、ソファに向かい合って座る。
「相談?」
中国くんは頷いた。いつも元気な彼らしくない、重々しい雰囲気だった。
「気付いたら日本も韓国もオタクになってたある、、、」
「、、、え?」
重々しく口を開いた彼から出た言葉は『オタク』という言葉だった。
「日本はオタクの総本山あるし、韓国はネトゲ廃人あるし、、、ここにはいないあるが台湾もオタク第二国家あるし、、、。我も若者に追いつこうと『ぎゃるげー』とやらを中国語翻訳したやつを作ったら、「ダメ。萌えが何なのか全然理解していない」って台湾に言われたある、、、」
どうしたら良いあるか!?と嘆く中国くん。
「えっと、台湾さんにはあったことないので分からないけど、、、えっと、どんなゲームなの?」
興味本位で尋ねると、中国くんはパァァァと輝かせた。
「やっぱり我のことを理解してくれているのは菜羽だけあるよ〜!台湾は菜羽が描いたら出てくるある〜。何が欲しいあるか?我が何でも買ってあげるあるよ〜!!」
ゲームについて興味を示したことが余程嬉しかったのか、自分の財布まで取り出している。
「えっと、、、金塊」
冗談で言ってみた。
「任せろある!」
そのやり取りを一部始終見ていた日本くんがリビングに入ってくる。
「中国さん、僕にも金塊」
ニヤニヤとワクワクと、これならいける!という感情を足して三で割ったような表情をしている。
「おめーにはやらねーある」
「三人共、うるさい説出てる!今レアイベントの最中説出てる、、、五十時間ぶっ通しでやり続けたかいがあった説」
ズズズと激辛ラーメンをすすりながらパソコンと睨めっこをしていた韓国くんが呟いた。