交錯する計画
半分は華凛視点です
キーンコーンカーンコーン
「なるくん、帰ろ？」
「おう」
……………………やっぱ、元気無いな
「なるくん」
「ん？なんだ？」
「手、繋いでいい？」
「おう、いいぞ」
ギュッ……………
「…………………………不安なの」
「え？」
「昨日、牛乳女が言ってたじゃない？未来に絶対なんて無いって……………」
「まあ、その通りだけど………」
「私となるくんの未来は………………絶対じゃないの？結ばれるって言う未来は、確定事項じゃないの？」
「………………………俺も、分かんねぇ」
「っ！」
「でも、俺はずっとお前の隣にいたいよ、つか、いないと俺がダメだ」
「っ～～～～～～～～～～～………なるくん！」
ガバッ！
「うおっ！……………………まったく、危ないだろ？急に飛びついて来たら」
「えへへ！だって、なるくんが嬉しい事言ってくれるんだもん！」
「………………そうか」
やっぱ、紅華は笑顔が1番だな
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
華凛視点
ふふっ、今日もカッコよかったなぁ、鳴飛翔くん。……………………………………………隣に邪魔な雌がずっといたけど
「早く、私のものにしたいなぁ」
でもなぁ…………
「まだ好かれてるって感じはしないからなぁ」
「そんなもん、どうにでもなるだろ。それより、とっととヤっちまって堕とした方が早いんじゃねぇか？」
「いかにも屑の考える事だね、その汚い面をこっちに向けないでくれない？反吐が出るわ」
「へいへい、相変わらず俺が嫌いな事で」
「自分が好かれる要素があると思ってるの？はっ、片腹痛いわね」
「こりゃ一本取られたな！ははははは！」
「……………………………気持ち悪い」
こいつは勝又 克三、下半身に脳がついていて、本能で生きてる本物のクズ野郎だ。
もう1人、この学校に粕川 景翔って言うカス野郎はいるけど、あの子はちゃんと恋愛してから手を出してるからいいかもしれないけど……
「紅華ぁ………早く俺のものにしてぇなぁ」
こいつはダメだ、ヤる事しか頭にない。ヤリたいと思ったらそこら辺の女の子を漁って犯す正真正銘の社会のゴミだ
「はぁ…………こいつと手を組んだのは間違いだったわね………」
「おいおいそりゃないぜ会長さんよぉ、最初に取引を持ちかけてきたのはお前さんだろう？」
「遠くからずっと佐々木さんを見続けながら下半身の一部を起立させてたお前が哀れに思えたから、取引を持ちかけてあげただけよ」
「はぁ～、口の減らねぇ女だな、ま、契約を守ってくれるんだったら俺は構わねぇけどな」
「その契約の中に私の半径三メートル以内に近づかない事が書いておるのを忘れないでね。貴方に近づかれるだけで鳴飛翔くん用のこの身体が穢れるから」
「まったく…………お前に手ぇ出したら怖い事は充分理解してるから大丈夫だっての……………………幼なじみだしな」
「この世で1番憎い肩書きね、それ」
そう、こいつと私は幼なじみなのだ。信じたくない事に、家も隣で、幼稚園から高校まで全部一緒なのだ。私は嫌だったからありとあらゆら手を使ってこいつから遠ざかってきたのだが……………
「遠ざかっても結局同じ所にいるのは変わりないのよね…………」
「だから手は出さねぇっての、銀道さんに殺されたくねぇしな」
「そう、いい心がけね。そのまま警察に行ってくれてもいいのよ？私もその方が嬉しいし」
ちなみに、銀道というのは私の父だ
「嫌だね、まだまだヤリたらねぇんだよ！」
「……………………死ねばいいのに」
はぁ……………………まぁ、鳴飛翔くんを手に入れた後にこいつは処理すればいいか
待っててね？鳴飛翔くん、絶対に貴方を私のものにしてみせるから
「鳴飛翔くん、貴方は私に生き方を教えてくれた。人形のように生きていた私を、人として生きさせてくれた、私の道標なの」
もう絶対に、見失わない。確実に手に入れてみせる
裏で企んでますねぇ………
