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エリザベスと芋焼酎

お久しぶりです。

サクッとというよりは、勢いで読んで頂く作品になってしまった気もします('ω')

18歳での飲酒表現が御座いますので、R-15指定を付けさせて頂きました。

ごきげんよう。

わたくしロンド伯爵家が第一子、エリザベス・ロンドと申します。

…いや、こんな堅っ苦しい話し方やめやめ。

ないない、無理無理。

んぶふって良く分からない笑い声出ちゃうくらい、ない。

知識として、午前午後とか関係なく使える挨拶って覚えてた程度。

帰宅が午前様は当たり前、1DKのアパートで芋焼酎の水割り片手に深夜のお笑い番組をガハガハ笑って観てた20代半ばが挨拶で『ごきげんよう』なんて使わない。

いや、私と似たような境遇でも日常的に『ごきげんよう』を使ってる人は居たかもしれないので訂正します。

私がなかっただけです、すみません。

そう、20代半ばの私では有り得なかった。

エリザベス・ロンドは18歳。

ピッチピチの10代。

即ち、毎晩芋焼酎を呑んでいたのは前世の私…

こんな煌びやかな服は着た事ないし、煌びやかな空間で談笑するとかなかったし、周りの見た目が西洋過ぎる。

これがマリちゃんが読んでた小説にあるような転生ってヤツかな?

世界史で学ぶ国っぽくもないから異世界転生ってヤツかな?

ドレスの袖から出てた手首を抓ったら痛かったもんね。

ちょっと薄皮剥ける程抓った事は後悔してる、地味にヒリヒリしてて痛い。

まぁ、いつ死んだか知らんけど。

酔っても記憶はなくならないタイプだったから、きっと酒の失敗で死んだんじゃないとは思うけど。

思いたいだけだけど!!!

それより、最推しが主演の舞台チケット当たった記憶はあるのに舞台を拝んだ記憶がねぇ…

いや、最推しが輝き過ぎてて目が焼かれて潰れて記憶がぶっ飛んだ可能性もあるけど。

どっちにしろ覚えていないのがツラい無理。

集めに集めたグッズ達もどうなったかなぁ…同担でもあったマリちゃんに、私が死んだら継いで欲しいって酒の席では話したけど、遺言書に認めた記憶はないんだよなぁ。





てか、な〜〜〜んで今思い出しちゃったかなぁ〜〜〜!!!

今は現世の父親、ロンド伯爵主催のお仕事関係のパーティー中だよ〜〜〜!!!

貿易関係の仕事してるから取引先の人とか沢山だよ〜〜〜。

今後の商談にも関わる大切なヤツ〜〜〜。

我が家の家計にダイレクトで響くヤツ〜〜〜。

キラキラ輝くシャンデリアが眩しいな…

それよりも思い出せ、私。

社交マナーを思い出せ!!!

伯爵令嬢歴18年、教養とか諸々根性で思い出せ。

動きよ、体が覚えてないか!?

いや、意外とエリザベスの記憶あるぞ?

あるぞ、これ。

この国、ハッキリした目鼻立ちとハキハキ物が言えちゃう系女子が人気なのよね。

それに対して私って、少し引っ込み思案のサッパリした顔立ちで黙々と勉強してる系女子だった。

一昨年立ち上げられた国立大学に通えてるくらいには勉強出来るわ。

スペック低くないな!

地味って言っても、二重だし鼻低い訳でもないし化粧でいくらでも変えられる程度の地味だし?

フワフワしてて可愛い訳でもないけど。

中身、前世にガッツリ寄っちゃったけど。

え、あ、待って…

大学進学するってので婚約者の家と揉めて婚約破棄されたわ、そういや。

好意があったとか馬が合うとか交流多かった訳でもないし、逆に政略結婚って言うなら何でその家と?ってくらいの関係だったけど。

でも、今思えば元婚約者めっちゃ最推しに似てたじゃ〜ん!

推しは全人類の輝ける太陽であって欲しいから、前世を思い出した今は婚約破棄で良かったって心の底から思うけど。

あれ?

前世の最推しの顔が今世でも存在してるし、勉強楽しいし大学の就職率高いし、我が家は跡継ぎに弟居るし丸っとハッピーしかなくないか?

ないな、これ。

それでもさ、異国の珍しいお酒が口に含んでみれば芋焼酎で、前世で大好き過ぎたからって記憶まで思い出すのは我ながらどうかと思うけど…

もう、この芋焼酎がバチ糞美味いのが悪い気がして来た。

18歳で飲酒OKなこの国が悪い気がして来た。

開き直り始めると、これストレートだと私には強過ぎるのが気になって来るよね。

こんなに強いって、レギュラーじゃなくて原酒か?

甘味強いから白麹だとは思うけど。

軟水で割りたい…せめてロックにしたい。


「如何ですか?エリザベス嬢。お口に合わなかったでしょうか?」


「え!?いえ、そんな事は御座いませんわ!この鼻に抜ける独特の香りもわたくしは好ましく思いますし、甘みが強い所も大好きですわ!ただ、原酒ですとわたくしには強いので氷を入れるかお水で割りたいなと考えておりました。この地方の多くは少し硬めなお水ですから、甘みを引き立てるという意味では弱くなりそうですが…」


やっべぇ〜取引先の人居た〜!

芋焼酎ガン見しちゃってた〜!

さっきまでロンド伯爵とばっかり話してたから油断してた〜!

いや、父親を心の中でも伯爵呼びはどうなんだ?

じゃなくって、この男性の名前が思い出せない…

最近、飛ぶ鳥を落とす勢いで規模を拡大してる商会なのは知ってるけど。

異国の珍しい品を、平民でも頑張れば手を出せる値段のラインと希少価値〜!って貴族が好きそうな値段のラインで売り分けてるの上手いっすね、としか言えない商売してる人なのも知ってる。

んで、今度から我が家とも取引したいと思ってくれてて、父としても良い取引になりそうだとも。

まだ20代らしいし、見た目も良いから本人まで優良物件の売り手市場で実の妹さんまでくっそ美人って情報は、婚約者絶賛募集中の従姉妹から教えて貰った。

芋焼酎持って来てくれた神って印象しかなくなってたけど。

父よ、そんな大事な相手を残して何処行った。

夫人…母も何処よ、普段は心配性が爆発して傍を離れないじゃないか。

てか、ペラペラ喋って変に思われてないかな!?

お嬢様口調は体が覚えてたみたいで大丈夫だと思うんだけど。

会話続いたらどうしよう…めっちゃ嫌な汗出て来た。


「エリザベス嬢、以前にも焼酎を飲まれた事が?閉鎖的な国の趣向品ですから、他の商会での扱いはなかったと思っていましたが…どちらで?」


「!!!あ〜以前、他国の食文化等に興味を持ちまして、大学図書館で文献を読んでいたのです。多分、その時に珍しいお酒があるのだなと記憶に残っておりまして…これかなと?ふふふ」


やっべぇ〜〜〜!!!

めっちゃ珍しいお酒です、お近付きの印に皆様も是非って父にプレゼントされたお酒でした〜〜〜!!!

前世振りの芋焼酎でテンション上がり過ぎて余計な事まで言ってた〜〜〜!!!

そんな文献知らない…明日から図書館籠らなきゃ、調べなきゃ…ないなら、それっぽいの纏めてやろうそうしよう。

そこまで焼酎詳しくないけど!

そこそこの値段の何処でも入手可能なレギュラー買ってただけだけど!


「あぁ、エリザベス嬢は大学に通われていましたね。あそこの図書館は学生以外は利用出来ませんから少し羨ましく思います。良ければ、その文献の題名だけでもお教え下さいませんか?今後は焼酎も市場に出せたらと思っていますので」


「…神かな?芋焼酎以外も?米と麦も?」


「…え??」


「ひぇ!い、いえ!文献は一度に沢山読んでしまいましたので、今度改めて探してみますわ!分かりましたら、父経由でご連絡させて下さいませ。ほほほ」


「有難う御座います。楽しみにしていますね。…では、今日はこれで」


「あ、はひ…」


キラッキラした笑顔で去ってくれた…?

何か『今日は』の部分を強調された気がしなくもないけど、優良物件売り手市場男子は立ち振る舞いも違うのな。

ファンサの鬼かよ。

後光が見えて顔引きつっちゃったよ。

これで最推しみたいな狸顔が上に乗ってたら貢いでた、確実に貢いでた。

取り敢えずは無事に終わったから良かったけど。

誤魔化されてくれて何より〜〜〜!!!

でも、気軽に焼酎買えるようにしてくれるとか端的に言って神でしかないから〜〜〜!!!

狐顔の美丈夫、神でしかないから〜〜〜!!!

まだ名前思い出せなくてゴメンなさいね。

明日、父に確認しとこう。

これからの芋焼酎ライフの為に、文献もちゃんと探そう。

今日は疲れたから寝よう…

私はお風呂入って寝る。

作者はお酒をほぼ飲まないので、表現がおかしい部分があるかもしれません。

お手数ですが、何かあればご連絡頂ければと存じます。

宜しくお願い致します。

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