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憂鬱な登校『お兄ちゃん!一緒に登校する?/いや、遠慮しておく/もう!お兄ちゃん!』

登校タイム(基本頭の中の回想)

 

「はぁ…、こんなにも学校が憂鬱になったのは、生まれて初めてだよ…ほんと。

 別れたことがみんなにバレてないのが1番なんだろうけど…、どうせもうバレてるんだろうなぁ…

 なんて言っても…、あの麗奈の事だし。」



 などと、俺はそう呟きながら…、いつもと同じ…いや、いつもより幾分か重い足取りで学園へ登校していた。



『私立第一学園』そこが現在俺が通っている高校だ。


 自称進学校を語るだけあり、その大学進学率はソコソコ高く…、一応ここら辺の地域では人気の高校の一つである。



 だがそんな人気校の中でも…、俺の所属する1-Bクラスは、六貫2クラスのうちの成績の悪い方のクラスで…


 いわゆる、落ちこぼれの方のクラスと言われているクラスなのだ。



 そのため、クラスにはヤンキーもどきとかギャルもどきとかが…、進学校にもかかわらず1人2人はいる。



 ちなみに六貫というのは、6年一貫の学校という意味で、中学からエスカレーター方式で高校に進学出来る学校だという事だ。


 しかし6年間安定して進級できるという理由から…、勉強を全くしないバカが量産されてしまうという、大きな問題が発生してしまい…


 六貫のバカな方のクラスを除く他のクラスが、この学園の進学率を底上げしているという現状なのだ。



 そういう理由もあって、この学園は自称進学校と外部生から皮肉られているという訳だ。



 それでそんな学園での麗奈の立場はというと…


 麗奈は文武両道、才色兼備な生徒会長てして知られており…、当たり前の話だが、成績優秀クラスである方の1-Aクラスに所属している。



 そして、その成績と美貌で外部生からも注目されている麗奈は…、まさしく学園のアイドル的な存在で、憧れの的なのだ。


 なので、その注目度合いは計り知れないものがある。



 そんな注目の麗奈が別れたのだ…、騒ぎになることは避けられないだろうし、すぐにでもみんなに伝わる事だろう。



「静恵が今日の朝…、「気を紛らわすために一緒に登校しようか?」って言ってくれたけど…

 流石にそこまで、妹に頼り過ぎるってのは良くないしな。」



 と、俺はそう呟いて…、朝食での妹との会話の内容をぼんやり頭の中で思い出す…





 ーーーー自宅・朝食での食卓にてーーーー


「いい?お兄ちゃん?絶対に落ち込んだ姿を…、みんなに見せたりなんかしたらダメだよ?

 じゃないと、みんなに変な気を使かわせちゃうし…

 なにより!そんな姿を見せてる男なんて…、女の子に絶対にモテないんだから!」



 と、静恵はそう言うと…、食事を食べ終えた俺に向かって、ビシッと指をさしてくる。



 麗奈と別れた事について…、静恵がさまざまな励ましの言葉を、昨日俺に掛けてくれたので、そのお礼を朝食のタイミングで伝えたのだ。


 すると先程のセリフを、静恵は俺にそう言ってきたという訳である。


 

 まあ、俺がモテるかモテないかの話は別にいいとしても…、確かに変に周りの奴らに気を使われるのは、結構しんどいかもしれない。


 なによりその事に気を使われると、嫌でも別れたことを思い出しちゃうし…



「ああ、それはそうだな…。昨日あれだけお前に励ましてもらったんだ。

 それでクヨクヨしてたら、男として…いやお前の兄としての申し訳が立たないよ。

 とりあえずは、気を遣ってくれて…ありがとな、静恵。

 若干、学校に行くのが憂鬱になり掛けてたけど…、少しだけマシになったよ。」



 俺はそう言って、静恵の何気ない気遣いに対して感謝を伝える。



 俺はコイツには助けられてばかりだなと、少し苦笑しながらそう思い…


「今度静恵のために、なんかデザートでも買ってきてやらないとな」などと考え、食べ終わった食器を片付けようとしていると…



「そうだ!お兄ちゃん!もしそのことが気になって、朝の登校が憂鬱って言うなら…

 今日は私が一緒に登校してあげよっか?

 クラブの朝練もないし、途中まではおんなじ道だから…

 どうしてもって言うなら、私、一緒に行ってあげてもいいよ?」



 と、突然静恵が俺の腕に抱きついてきたかと思うと…、そんなことを笑顔で俺に言ってくる。


 

 静恵と俺は別々の学校で、静恵は現在…近所にある女子校、そこの中等部3年に在学している。


 色んな意味で平凡な俺とは違い…、色々と器用にこなすヤツで、女子校の生徒会に所属していたりする。



 部活と生徒会、それに勉強も両立していて…、俺とは違い…なかなかハイスペックな妹なのだ。


 そしてついでに言うと…その容姿もそれなりに整っていて、いつも「兄妹には見えないな」と他の奴らには、そんな事をよく言われている。



 そんな妹と一緒に…、昨日まで生徒会長と付き合っていた俺が、仲睦まじく登校していればどういう事になるだろうか?

 

 そんな風に俺が静恵と並んで登校していれば…、十中八九、俺の浮気が別れ話に繋がったと勘違いされてしまうだろう。


 それだけは俺の名誉にかけて避けたいところ…



 そしてそれだけならまだしも…、静恵にちょっかいかけて来る輩も現れるかもしれない。


 それだけは、俺の方が絶対に嫌なので…この話を了承する訳にはいかない。



 もしかすると、俺は静恵にからかわれてるのか?



 などと、少しだけ疑っては見たが…、静恵の表情は冗談を言っているようではなく、特に茶化しているという訳でもなさそうだ。



 俺はその様子を見て……



「いや、それはありがたい提案だけど…、今日のところはやめておく。

 たぶん、逆に変な意味で注目されちゃうと思うし…、お前にそこまでして貰っては、兄としての面目が立たなくなるからな。

 だから、その気持ちだけを受け取るわ…静恵。

 何から何まで色んな気遣い…、本当にありがとな。」



 と、少しだけ恥ずかしさが混じって後半小さな声になってしまったが…、もう何度目になるかわからない感謝の言葉を、ありのままの気持ちでそう静恵に伝える。



 するとそれを聞いた静恵は…



「……もう、別に私を頼ってくれてもいいのに……

 そうじゃなくて…、私がお兄ちゃんと一緒に……」



 と、そんな小さな声で…何かをぶつぶつと、独り言のように呟く。



 それが聞こえなかった俺が、「なんて言ったんだ?」と、そう聞き返すと…



「……っ!何でもないよ!お兄ちゃん!

 まあ…、ここはお兄ちゃんのことを立てて、無理強いはしないでおく!

 でも、最初に言ったこと!それだけは忘れないでよ!

 だって…、そんな風に落ち込んでるお兄ちゃん、私が見たくないから……」



 と、静恵はそう言うや否や…、「もう時間だ!」と叫び、そのままドタバタと忙しなくリビングを出て行く。


 後半はよく聞こえなかったが…、まあたぶん…、俺の心配か何かだろう。



 俺はそんか静恵を見送りながら…、自身の登校の準備に向けて、自室に置いてあるカバンを取りに行くのだった……

なんか細かい言い回しとか考えたときに、自分の語彙力のなさにため息が出てしまう…

語彙力アップのため、国語辞典買わなきゃ!(使命感)

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