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朝の一幕・登校中『三葉先輩とかずはちゃん』

投稿遅れて、本当に申し訳ないです……。


身内の不幸で、ちょっとだけバタついてました。


感想で続きを読みたいという、ありがたいお言葉を頂いたので、モチベーションはかなり高いです!

 

「うーん……。流石にさっきのはやり過ぎたなぁ。

 静恵もあんなに真っ赤になるまで我慢してたみたいだし、今度からは少し注意しよう。

 でないと、静恵のことを際限なく撫で続けてしまうし。」



 俺は朝の一件を思い出してそう呟きながら、いつも通りの学校までの通学路を歩いて行く。



 今朝の登校前、そこで見せた静恵の照れたような顔はとても可愛らしくて、ずっと見ていたいようなものではあった。


 しかし可愛いからと言っても、別に俺は静恵を困らせたい訳では無いのだ。


 俺は静恵の照れた顔、そして焦るような態度を思い出して、そんなことを考えていた。



「(別に静恵が嫌がっているようには見えなかったし、単純に長時間撫でられることに羞恥心を抱いたんだろうな。)」



 だから、次同じことがあるとするなら、今度は静恵の反応を見てそれを行うことにしようと思う。


 それが良い兄妹関係を続けていくためには、必要であると思うからだ。



 と、俺はそう結論付け、静恵との朝の一件についての考えをまとめたのだが、考えないといけない問題は他にもあって……



「まあ、静恵の事は帰ってから考えるとして……、それより目下の問題は昨日の放課後の事だよな。

『かずはちゃん』の上の名前が知りたくて、その家まで近付いたちょうどそのタイミングで、まさか三葉先輩と鉢合わせするとはな……。

 あの時は思わず逃げだしてしまったが、ちゃんと事情を説明した方が良かったのか?

 まあ今となってはどうしようもないことなんだけど……。」



 俺は思わずそう呟いて、昨日の三葉先輩との別れを思い出す。


 あのときは後ろめたい気持ちで、思わず逃げるように帰って来てしまったが……、よく考えればありのままを先輩に伝えれば良かっただけのような気もする。


 なんでも、かずはちゃんを送った事は事実だし、そこで名前を聞き忘れて気になるというのも、別におかしな話ではないだろう。



「(あー、そこで話しておけばこんな風に、三葉先輩と会うのが気まずくならずに済んだのに……

 いつもながら、直感的に動くのをどうにかしないとな。)」



 と、俺は自身の直感的な言動に溜息を吐きつつ、昨日の家の付近にまで辿り着く。



 今からでもかずはちゃんの入っていった家を確認すれば、かずはちゃんの上の名前を知る事が出来るが……


 今の俺には、それをする気分にはなれなかった。



「はぁ……、今日俺、どんな顔して三葉先輩に会えばいいんだよ……。

 放課後までにはおそらく会う事もあるだろうし、一体どうすればいいのやら……。」



「そんな深い溜息をついて何かお困りですか?相太くん?」



「いえ……。別になんでもありませんよ。三葉先輩。

 って……えっ!?三葉……先輩?」



 と、俺が溜息をつきながら、その家の近くをそのまま歩き去ろうとしていたところ……


 背後から、三葉先輩の俺を心配する声が突然聞こえてきた。


 まさか今まさに考えていたその人が、いきなり俺に声掛けてくるなんて!



 俺は驚きを隠せないまま、声のした方を振り向くと、そこには三葉先輩ともう一人の女の子が……



「えぇ!!か、かずはちゃん!?なんでここに?」



 驚いて声を上げてしまった俺の視線の先には、三葉先輩の後ろからちょこんと顔を出す、かずはちゃんの姿がそこにはあったのだ。


 そしてその声でかずはちゃんは、三葉先輩の前に立つ人間が俺であることを認識すると、おどおどした顔から一転、パァっと輝かせると……



「また……お会い出来ました!……お兄ちゃん!」



 と、そう言うや否や、かずはちゃんは俺の前にぴょこんと飛び出し、ぎゅっと俺の手を取ってきたのだった。


 そして俺の手を取ったかずはちゃんは、ニコニコ笑顔で俺の顔を見上げてくる。



「(な、なんで三葉先輩とかずはちゃんがここに!?

 ていうか、かずはちゃんが先輩の後ろにいたってことは、もしかしてかずはちゃんと先輩は……)」



 と、俺が呆然としながら、三葉先輩とかずはちゃんの関係について考えていると……



一葉(かずは)!あ、あなた……。相太くんとお知り合いだったのですか!?

 そ、それにそんなにも相太くんに顔を近づけて、羨まし……、い、いえ!何もありません!

 はっ!もしや、あなたが昨日嬉しそうに話していた"お兄ちゃん"とは、相太くんのことだったのですか!?」



 突然声を上げた三葉先輩がそのよう言ったかと思うと、かずはちゃんとは逆の方……、俺の左側にピッタリとくっつくと、俺の手ではなく腕を取って自身の体に密着させる。


 そして三葉先輩と俺は、お互いの腕と腕を絡めているので、恋人たちが行うような腕を組む体勢となっていた。



 その様はまるで、俺を巡ってかずはちゃんと張り合っているようにも見える。



「(って……、どんだけ自意識過剰なんだよ……俺。

 おそらくかずはちゃんが引っ付いているのを見て、それを三葉先輩も真似しただけだろう。……たぶん。)」



 と、俺が突然の事態に動揺したままそんな事を考えていると……


 三葉先輩は説明を求めると言った様子で、かずはちゃんはニコニコとこちらを見上げて、各々俺のことをじぃっと見てくる。



 そんな2人から見つめられた俺は、とりあえず2人の頭にポンと手を置いて……



「とりあえず、学園に向かいながら話し合いましょう。

 俺たちの関係とか、先輩とかずはちゃんの関係を含めた話し合いをしながらでも。」



 俺は2人にそう言うと、周りの視線を意識しつつ、そのまま3人で話し合いながら学園に向かうのだった。



 ・・・

 ・・

 ・



「じゃあ……、三葉先輩と一葉(かずは)ちゃんは姉妹だったって事ですか?

 それで昨日、あの家が先輩のお家だったから俺とばったり遭遇したと、そういう訳ですね。

 すいません先輩。昨日は気が動転して逃げるように帰ってしまって……。

 あと、一葉ちゃんもごめん。勝手に名前の書いた、家の表札を覗こうとして。」



 と、俺は三葉先輩から大体の事情を伺い、あの時先輩とは会うべくして遭遇した事を理解して、そのように先輩に謝罪の言葉を述べた。


 まさか、三葉先輩と一葉ちゃんが姉妹だとは思わなかったが……、言われてみれば顔の作りや話し方など、何処と無く同じものを感じさせる所がある。


 まあ、別の部分でもそう思わせる所があるのだが……。



 とにかく今は、2人が姉妹であると知ったとしても。


 三葉先輩には逃げるように帰った事を、一葉ちゃんには勝手に家の表札を覗こうとした事を、真摯に謝る事の方が優先だ。


 そう思った俺は2人に先程の謝罪の言葉を述べたのだ。



 そして俺の謝罪を聞いた2人は顔を見合わせて、2人頷くと……



「「大丈夫ですよ。相太くん(お兄ちゃん)。

(……)私たちは気にしていませんから。」」



 と、2人口を揃えて俺の謝罪を受け入れてくれたのだった。



 その後話のまとまった俺たちは、3人仲良くお話をしながら歩き進め、気がつくともう学園の近くまで辿り着いていた。


 その間も、右手は一葉ちゃんが握り、左腕は三葉先輩が確保していた。



 もちろん、そんな姿で学園まで登校してきた俺が……、男子からは殺気立った目で、女子からは微笑ましいものを見る目で見られまくっていた事は、言うまでもないだろう……。



 学園の校門の前に差し掛かり、そんな視線がより一層強くなった事を感じていた俺は、ふと何かを忘れているような気がして考えてみると……、本日の日直が俺である事を思い出した。


 そしてそれに気づいた俺は、すぐさま2人に謝罪を入れて、早く教室に向かうべく、1人だけ先に学園へと走って行くのだった。





「一葉()相太くんのこと気になっているの?」「お姉ちゃん()……そうなんですね。」という、姉妹の会話を耳にする事もなく……。

今回で、かずはちゃん(一葉ちゃん)が正式に登場しました!


一葉ちゃんの特徴は、背が小さい、気の弱い、可愛い、微巨乳といった所です。


一葉ちゃんなりの相太へのアピールの仕方に注目です!


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