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かずはちゃんの謎『巡り会う運命は偶然?それとも必然?』/短話『幸せは分け合うものだよ?』

遅れてすいません…


※一部主人公の発言が、表現として相応しくないと思われる部分がごさいます。

ご不快に思われた方には、申し訳ありません…


今後は極力、そのような表現・発言を控えた執筆をしていくよう努力致します。


 

「……ありがとうございました。……お兄ちゃん。

 この辺りに……私の家があります……。

 お兄ちゃんと、一緒にお話が出来て……今日は、とても楽しかったです……。」



 と、俺の右隣を歩くかずはちゃんが俺の家の近くに差し掛かった付近の場所で、突然そのように伝えてきた。



 俺とかずはちゃんはコンビニから出た後、2人で一緒にかずはちゃんの家の辺りまで、テクテクと会話をしながら歩いて来た訳であるが……


 どうやら俺の家の近所、ここら辺の住宅街にあるどれか一つが、『かずはちゃん』の家であるようだ。



「へー、ここら辺にかずはちゃんは住んでるんだ。

 意外と近所かもしれないね。俺たち……。

 それに実は、俺もこの近くに家があるんだよ。

 もしかすると、どこかでまた会える事があるかもしないね?俺たち……。

 それと、今日は俺も楽しかったよ。かずはちゃん。

 またいつか、どこか時間がある時に会う事が出来たなら……、また一緒にお話しようね?」



 と、俺はかずはちゃんにそう言って、繋いでいた右手をゆっくりと離す。



 もう家が近いと言うのなら、送るのはここまでで十分だろう。


 それに俺の方も早く帰って、静恵に色々とお礼を言わないといけないしな……



 俺はそう思い、離した右手でかずはちゃんにバイバイと手を振る。



 すると、それを見たかずはちゃんは……



「……はい!また、会いましょう。……お兄ちゃん!」



 と、言ってこちらにバイバイと手を振り返してから……、こちらからくるりと背を向け、ある一軒のお家に向かってそのまま歩き出すのだった。



 俺はそんな後ろ姿を、一応その姿が完全に俺からは見えなくなるまで見送る。



 もし俺が少し目を離した時に……、なんて嫌だしな。



 そしてついに、俺の視界からかずはちゃんが見えなくなるというところで、ピタリとかずはちゃんは立ち止まった。



「(おっ?あそこがかずはちゃんのお家かな?

 結構綺麗な大きいお家で……、なんか良いとこのお嬢さまの家って感じの家だなぁ。

 かずはちゃん、言葉遣いも丁寧だったし、もしかすると本当のお嬢さま……だったりして?

 まあ、それでどうという事はないんだけど……。)」



 と、俺はそんな事を思いながら、俺も自宅に帰ろうとその場から背を向けて……、ふと、そこに立ち止まる。



「(あれ?そういえば、かずはちゃんって……、苗字はなんて言うんだ?

 ここまで話しながら帰って来たけど、苗字はまだ聞いてなかったな……?

 しかも年齢や学年、それに在学している学校の名前だって、かずはちゃんからは聞いてないし……

 これじゃあ、本当に次会う気があるのか?って話だよな……。)」



 と、俺は意外とかずはちゃんについて、知らない事が多いんだなぁと、その時になって初めて気がついた。



 おそらく、あの身長とあどけない顔つきからすると、中学生?くらいだとは思うんだが……


 本人に正確な事を聞いていないことから、それも予測の域を出ない。



 もし中学生であれば、下校の時間に一緒になる可能性もあるが……、もし小学生であれば、確実にもう会う事はないだろう。(そもそも、帰宅の時間帯が全然違うから。)



 しかし、あれを小学生……いや、中学生と言うには



「デカすぎるよな……、主に一部の身体的特徴が。」



 と、誰もいない路地で一人、そんなことを呟く。



 そう……。今朝もなんかこんな感想を女性に対して抱いてしまったのだが……



 先程のかずはちゃんも三葉先輩程ではないけれど、十分に巨乳と言える程の大きな胸をしていたのだ。


 視認するだけでは少々分かりにくいかもしれないが……、近くで、それも肩と肩が触れ合う程の距離を歩いていた俺には、その大きさがハッキリと分かってしまっていた。



 おそらくDかE、そのくらいの大きさはあっただろう。


 なんと言っても、俺に手を振る際、ムギュッと目に見える形でそこが潰れていたので……。



 と、俺はそんなかずはちゃんの身体的特徴について、色々思い巡らしそうになって……



「……って!はっ!俺は本当に変態か!女の子の体、それも中学生くらいの子のそんな所を思い浮かべるなんて!

 いや、そんな事より……苗字!かずはちゃんの苗字についての方が気になるんだよ!

 もしかすると、友達の誰かの妹って可能性もある訳だし……、なんたって、俺のことを『お兄ちゃん』って呼んでたくらいなんだから。」



 と、俺は危うく変な方向に逸れて行きそうになった思考を元に戻し……、そのように言いながら、かずはちゃんの苗字について改めて興味を抱いた。


 別に知ってどうする訳ではないが、あんな風に懐いて色々話をしていた子の名前を、正確に把握していないというのは……、どこか変な感じがしたのだ。



 本人が意識的に言わなかったのか、はたまた唯上の名前を伝え忘れただけなのか、その理由は今となっては確認する術はないが……


 なぜかその時の俺にはそれが、どこか言葉で言い表せない不思議な感覚に陥らせていたのだ。



 そして、本人に直接聞いてはおらず許可を取っていないことに、少々の罪悪感を覚えたが……、俺はかずはちゃんの家の表札を直接見に行く事にした。


 また今度会った時に、ちゃんとそれをかずはちゃんに謝罪すると、心に誓いながら……



 そうして、いざ……、かずはちゃんが入っていった家の、その近くまで歩み寄っていた所で……



「あれ……?相太くん……?」



 と、背後からそんな声が突然聞こえてきて「えっ?」と思いながら、俺が振り返るとそこには……



「み、三葉先輩……ですか?」



 思わず疑問系になってしまったが、俺が振り返るとそこには紛う事なき三葉先輩、その人が俺の背後には立っていたのであった。



 突然の先輩の登場には流石に驚いてしまったが……、ここは一旦落ち着こう。


 まだ俺が、他所様のお家の表札を勝手に覗き見ようとしていたことは、三葉先輩にはバレていない筈だ。



 なので、それを勘付かれないようにテキトウな世間話でもして……



「相太くん?どうかしましたか?

 何やら少し動揺しているようにも見えますが……

 そういえばこんな時間に、こんな所に立ち止まって……、一体何をしていたのですか?」



 と、俺がテキトウな世間話を振るよりも先に、三葉先輩の方から俺が何をしていたのかと聞いてきてしまった。


 先輩は特に俺の事を怪しんでいる様子ではないが、純粋にこんな所で何をしているのかが気になったのだろう。



 少しだけ気になっている先輩……、静恵と同じく、俺の事を元気付けてくれた優しい三葉先輩。



 俺はそんな人に、変な奴だと思われたくなくて……



「い、いえ……。何かをしていたとか、そういう訳ではなくて……、そう!()()()()の子を見送っていただけなんです!

 俺もこの辺りの近くに家があるんで、それで……。

 と、とにかく!その子も無事見送れたので、俺はもう帰りますね?また明日です!三葉先輩!」



 と、誤魔化すように早口になりながら、俺はそう言うと、三葉先輩からの返答を聞く事なく逃れるようにして、その場を立ち去るのだった。



 後ろで三葉先輩の「また、明日……です?」と、戸惑ったような声が聞こえてきたが……、少しの嘘を三葉先輩についてしまった罪悪感から、俺の足はその声によって止まる事はなかった。



 そうして、長かったようであっという間に過ぎた1日が、新しい出会いと戸惑いの中、その1日の幕を下ろしたのであった……。





 ーーーー帰宅後・『静恵への贈り物』ーーーー


 帰ってから俺は、謝罪と感謝の言葉を共に静恵にプリンをプレゼントした。


 そして、それを静恵は「ありがとう!」と言って、受け取ってくれたのだが……



「お兄ちゃんにはいつも優しくして貰っているし、別にそんなに気にしないでいいよ……?

 だって私たちは、同じ家で暮らす『家族』なんだから。

 でも、せっかくのお兄ちゃんからの贈り物だし、ちゃんとプリン受け取るね?

 私のために美味しそうなプリンありがとう!お兄ちゃん。」



 と、優しい微笑みとともにそう言った静恵は「家族なんだから、幸せは分け合うものだよ?」と続けて言うと、俺が買ってきたプリンを半分わけてくれたのだった。



 俺はそんな静恵の優しさに改めて感謝しつつ、今度休日にどこか連れていってあげよう……。そんな風に俺は思うのだった。


ようやく、長かった1日が終わりました!

次からは翌日以降に突入です!


次話、かずはちゃんの正体が判明するかも?


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