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「今朝、言ってた魔法が使える様になったて、これのことなの?」

「そうだよ」

「へー、そうなんだ、成長してるね」

「ミラのおかげだよ、ありがとう」

「どういたしまして」

 

 ミラはレイピアの長所を生かし速さ重視の剣技を繰り出してくるが、剣を横にして防ぐ。その後は膠着状態が続いたが、段々とミラ潰そうとするの雰囲気が研ぎ澄まされていき、それに応じて、ミラのスピードや力が上がっていく。

 ミラの神託という条件発動型のスキルでステータスが5倍になる。俺も常時発動型スキルの神威カムイを持っていて、ステータスが10倍になっている。そのおかげで、勝負が成り立っていていたが、今やスピードに追い付いていけてない。

 基礎値の魔力以外にポイントを全く振っていないのが不味かった。ほとんど無いにも等しいステータスが10倍になっても変わらないからな。

 そのせいで、防ぎきれなかったレイピアが腕や足が刺さる。もうこれ以上、剣の間合いで戦っていたら致命傷を入れられるまでそう時間はかからない。

 バックステップで距離を取り、まだミラにはばれていない無詠唱スキルを使うしかない。

 ミラは一直線に突っ込んでくるので、その直線上に魔法を放つ。


「アイスメイデン」


 レベル4の氷魔法である氷の巨大が槌がミラの上から降る。槌の冷気で周囲の草が凍り、ミラを潰そうとする。 

 ぶつかるまであと数ミリといったところで、ミラの姿がぶれる。氷の槌はミラがいた地面をえぐり、氷の剣山ができる。


「えっ!?」


 避けられた!?無詠唱スキルはミラにはばれてないはずなのに。そういえば、普通は無詠唱スキルを見たら驚くのに驚いていなかった。分かっていたということなのか。

 いや、今はどうでもいい、防御することに集中しなければならない。


「プリファレンス」


 俺の動体視力ではとっくに追えていないので、周囲の土を盛り上げることでドーム状にする。おそらく防げないので、転移魔法を使い土のドームの外に出る。

 ミラは俺に攻撃を仕掛けてきているだろうから背後から魔法を放ってやろう。ここまではミラにいいようにやられていたのでここらで俺のペースにしたい。

 いいところ見せたいとかいうわけでは無い。俺は安心してほしいだけだ。何故かは分からないけど心のなかで言い訳じみたことを考えながらも外にテレポートをする。

 ドームを出た瞬間に俺の頭に警鐘が鳴り響く。警鐘スキルはハーレライの外で魔法の試し打ちやスキルの確認を行ったときには身に危険を感じることが無かったので確かめることが出来なかったので咄嗟に反応が出来なかった。

 俺がテレポートを使い出てくることを予想したかのようにミラが後ろにいたのである。これが戦闘経験の差なのか。

 剣聖のオートガードが働いたが、追い付くはずもなく俺は意識が薄れていった。



**************************



 気が付いたら、保健室で横になっていた。

 窓から夕陽が差し込み、俺がかなり長い間、気を失っていたことが分かる。肉体的なダメージや負荷は無いはずなのに腕や身体が痺れて上手く動かせない。特別棟の特殊な結界の中に長い時間いたことが無かったが故の弊害か。

 段々と腕や身体の感覚が戻ってきて、左手に何か暖かく柔らかい感触があることに気づいた。

 左手の方を見ると、ミラが俺の手を握り寝ていたのだ。俺の看病をしていたら寝てしまったのだろう。

 ミラの可愛い寝顔を覗いていたら、扉の方から刺すような視線を感じ、チラッと見てみると扉の隙間からユリがニヤニヤしながら盗み見をしていた。

 俺と視線が合うといいもんみさせてもらいましたわ~的な笑みをし、ゆっくりと扉を閉める。

 放課後に話をする約束があって来てみたところミラが居て遠慮をしたのだろうが、覗き見をするのは流石に辞めてほしい。

 いや、約束を破った俺が悪いとは言えどもモラルというものがあるだろ。

 何故か1人で悶々としていたが、考えるのを辞め、この幸せな空間を楽しむことにした。

 しかし、幸せな時間ほど早くすぎるもので、楽しもうと思ってからすぐに、ミラの身体が一度、小刻みに震え、目が覚める。

 ミラは自分がいつの間にか寝てしまったことに気が付いたのか俺のことが心配だったのか顔を俺の方に近づけながら上げた。

 そして、柔らかいものが唇に当たる。

 俺はそれがキスだったということに理解するのにそう時間はかからなかった。

 俺もミラも自分たちがどういう状況に置かれているのかは分かっているが、突然の出来事に身体が動かなかったのだろう。

 永遠にも思えるくらい時間が長く感じた。いつまでもこうしているのではないかとさえ錯覚した。

 そんなとき、扉の方から物音が聞こえたので、流石にこんなところを見られるのは不味いので押しのけるために肩に手を置いたら、次の瞬間には俺はミラにベットに押し倒されていた。

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