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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

花嫁修業に必要なモノ

作者: 石榴

怪談絵本…を書いたら対象年齢(小学校低学年)でアウトだと気付いた1品。

をとりあえず久々に投稿してみました。

文字数800〜1000文字位目標でのチャレンジ。


改訂して和ホラーにエントリーする、かな?

とりあえず怪談絵本仕上げたら、考える。

というか、対象年齢的にアウトな作品ばかり出来上がるのはどーしたもんか……………。(遠い目)



昔むかし。

あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。


その日もいつも通りおじいさんが狩りに出かけた後、おばあさんは夕飯の下ごしらえをしようと冷凍庫からお肉を取り行く事にしました。


おじいさんが狩ってきたお肉は冷凍庫に入れておばあさんがご飯に使います。

子供も孫たちも近くに住んでいて、一緒にご飯を食べるので、お肉は沢山ないといけません。

大量に置けるように冷凍庫は大きくなくてはいけないので、家とは別の場所にいくつか作ってありました。



今日はさてどこの冷凍庫に行こうかと考えて。


「確かあそこの肉が食べ頃のはず」


お婆さんは思いついた場所へと向かいました。


その場所はおばあさんの思った通り、丁度良いお肉が沢山ありました。


つけ置いて溶かしていたので邪魔な毛はありません。

生きたまま凍らせたので、鮮度もよく、解凍したら柔らかい美味しいお肉になります。


「思った通り。食べ頃だ」


おばあさんは嬉しくなって張り切ってお肉を解体し始めました。


「ばあちゃーん、手伝いに来たー」


はりきって解体していると、外からそんな声が聞こえて、孫の1人が近付いて来ました。


「そうか。そうか。ありがとう」


おばあさんは嬉しそうに笑うと、持っていたナタを孫に渡しました。

孫は受け取ったナタで手慣れたように解体し始めました。


その手先をみておばあさんは満足そうにひとつ頷きました。


「だいぶ上達したな」

「ほんとーやったー」

「これなら成人して嫁に行っても問題ない」

「解体出来ないとご飯食べられないもんねー」



死にたく…ない

た、すけて、ころさ……で

さむ、い



ほのぼのとした祖母と孫の会話の合間に

小さな囁き声が混じりました。


つけ置いていたお肉の後ろに、まだ辛うじて生きてるお肉があったようです。

肌の表面が白くロウソクのようになっていて、細かい氷が付き出していました。



「あれぇー?これ、まだ生きてるぅー?」

「ん?これは昨日じい様が狩ってきたようだな。じい様はよぅけ狩って来る。これも生きが良さそうだし、旨い肉になるだろう」

「うん。うん。じぃちゃん位狩ってこれるお婿さん見つけないとー」

「人里に行ったら、生きてる肉もたーんとあるからな。旨い肉を見分けらるようにならんとな」

「成人してコレが取れたら街に行って、勉強してくるー」


まだ成人前の孫は、自分の額に生えている可愛らしい2本の角をちょん、と触りながらのんびりと祖母に告げた。


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