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スキル習得と初クエスト

 「なら…ユイさん。何か今日出来ることってあるかな?」

 アバウト過ぎだろ!俺。

 「でしたらスキルを習得してみたらよろしいかと…」

 ユイさんは思ったより早い返答が帰ってきた。さっきまでちょっとした間があったのに。

 「それって、どうやったら習得出来るの?」

 スキルって簡単に習得出来ないと思うけど。

 「スキル習得は特訓すれば習得出来ます。

 まず、習得したい人の頃で特訓を依頼してそこで練習をしていくと習得が出来ます」

 ユイさんは素人でも分かるように説明してくれた。

 やっぱり、時間かかるんだ。

 「今、しばらくは討伐クエストしかし来ないようですし」

 ユイさんはクエストの書類を確認していた。

 「なら、スキル習得しますか」

 俺はスキル習得に気合を入れスキル習得の日々が始まるのだった。



 スキル習得の日々から一ヵ月が経った。俺は、かなりのスキルを習得した。

 調合、筋力強化、耐性、素材鑑定などを習得した。どれも冒険に役立つ物ばっかり。

 夜、寝所で疲れを癒やしている最中。寝っ転がっていると入り口から誰かが入って来た。

 入って来たのはマリスだった。久しぶりあったマリスは少し大きく見えた。

 「やー。元気だったかい?いい物を持ってきたんだ」

 マリスは笑顔で聞いてきた。

 「あぁ。…ところでいい物って?」

 マリスは自慢気な顔をして背中に背負っている大きい荷物を俺の目の前に置いた。その荷物の中には防具と短剣が入っていた。

 「こ、これは?」

 「これは村長からの贈り物さ。一回着てみてくれよ」

 俺は、マリスのリクエストに応え装備してみた。防具の大きさはピッタリだった。それに動きやすい。

 「ど、どうだ。似合うか?」

 「うん」

 マリスは軽く頷いた。

 「…あ」

 マリスは何か思い出したのかポーチからの一通の手紙を差し出してきた。差出しは村長だった。手紙の内容は。


 ―その防具と武器はお前の為に皆で造ったものだ。大切に使えよ。 


 村長はホントに優しいな。外見は怖いのに。

 よし、これで毎日頑張れる気がしてきた。

 「よし、渡す物も渡したし、カイの様子を見る事が出来たし、帰るとするか」

 そう言うとマリスは満足気な顔をして、荷物をまとめ始めた。

 「そうか、村長達にはお礼をって言っておいてくれ『ありがとうございます。』ってな」

 俺はマリスに伝言を伝える。

 「承ったよ」

 そう言い残し、村へ帰って行った。途中までは一緒には見送った。

 帰宅して防具を再び見ると涙が目尻からの溢れそうになる。人差し指で涙を拭う。

 「明日は初クエストだ!明日に向けて今日は寝るか」

 早めに寝る事にした。防具と武器を頭の上に綺麗に整えた。

 

 ―ピュピュピュ、ピュピュピュ


 朝だと告げる小鳥の鳴き声がとても近くに聞こえる。それは俺の寝床の上に巣を作ってしまったからだ。そのお陰で良い目覚まし時計になっている。毎朝なって休み難いのが難点だが。

 起きてまず顔を洗い、前歯を丁寧に磨くき、朝食を食べ出掛ける。そこまではいつもやっている事。しかし、今日からはやる事が増えた。それは…

 防具と武器を装備する事だ。そして、出掛ける。

 他の冒険者からしたら普通の事だが俺は、それが特別の何かに思える。

 「よし!行くか」

 俺は、気合を入れギルド署に向かった。

 


 「やっぱり討伐クエストしか無いのかよ」

 クエスト掲示板を隅から隅まで見たがやっぱり討伐クエストしか無い。だが、今の俺には多分大丈夫。

 「カイさんに向いているクエスト有りましたよ」

 掲示板を見て少し落ち込んでいた俺にユイさんは笑顔で声を掛けてきた。

 ユイさんは最初会った時とは打って違って少し明るくなった。

 前は暗く地味な娘だったが今はそんな感じはあまりしなくなった。それは、かなりの時間がかかったがユイさんと仲良くなったのが鍵だった。セシリーと一緒にお出かけしたりしてユイさんに自信を持たせる事が出来た。

 セシリーの私服可愛かったな〜。

 俺は、ユイさんが渡したクエストを見る。そこには…

 ―暴れザメの討伐

 どっちに討伐には変わりないんですね。もうちょっと安全なクエストが良かったな。タイトルからして危ないでしょ。『暴れザメ』とかそれに、肉食だし、俺喰われちゃう。

 俺は苦笑いしなが、ユイさんにどこが向いているのか聞いてみる。

 「ユイさん。そのクエストのどこがむいてるの?」

 「それはですね、カイさん泳ぐステータスだけ高いですよね?」

 笑顔のまま痛い事を言ってきた。特に「だけ」は痛い。

 「う、うん」

 「ですから大丈夫かと。水中なので…」

 水中だから暴れザメに余裕に勝てると言いたいんですね。

 たげどね、怖いのは怖いんですよ。

 しかし、せっかくユイさんが選んでくれたクエストだし…

 俺は腹をくくってクエストを受けることをした。

 準備を済ませクエストへ向かう。

 場所はサメって言う事あって海だ。

 俺は浅瀬から潜り暴れザメを探した。海の中は綺麗な景色が広がっていた。色んな魚が泳いでいる。その中でとても激しく暴れ回る魚がいた。よく見ると魚では無くサメだった。あれが今回のターゲットの『暴れザメ』。

 俺は、さっそく討伐する為サメに近づく。サメは存在に気づいたのかこっちに、突進してくる。

 それを可憐にかわす俺。

 サメは休まず攻撃を仕掛けてくる。流石、暴れザメって言われるだけの事は有る。

 俺も反撃に出る。短剣を使わず前歯で攻撃する。その一撃がサメの胴体に刺さる。しかし、サメは怯む様子はなく暴れ続ける。それからはサメの攻撃を避け、攻撃をするの繰り返し。

 数時間後、ようやく暴れザメを仕留めることに成功した。余裕なのは余裕だけど、しんどかった。

 …報酬ってなんだろう。

 暴れザメを依頼主に送る手配をした。これで一通りクリアした。

 ヘトヘトになりながらギルド署に着くとユイさんが笑顔で待っていてくれた。

 「初クエストおめでとう御座います。こちら、報酬です。」

 茶色いヌンチャク袋を前に差し出してきた。それを受け取り中身を確認する。中身は金貨が入っていた。クエストの難易度的には貰いすぎるだろ。

 「こんなに貰って良いの?」

 「はい!それが冒険者の特権みたいなモノですし」

 「どこか食べに行かれたらいいのでは?初クエストの祝として」

 思いのほかユイさんはいい案を提示して来た。

 俺はお言葉に甘えてどこか食べに行く事にした。勿論、一人ではないユイさんとセシリーと一緒にだ。ユイさんは最初は断ったが何とか説得することが出来た。

 「「「カンパーイ」」」

 お酒を持ち三人で乾杯をした。セシリーの紹介でケット・シーが開いてるおしゃれな居酒屋に来ていた。

 中は、思いのほか男性の冒険者が多かった。

 ユイさんとセシリーは椅子に座っていたが俺は、レストランでも有るお子様用の脚が長い椅子に座っていた。なんか恥ずかしんですけど…

 この恥ずかしさを酒で紛らす。

 しかし、こんなの良くあるな。俺は、周囲を見渡す。

 店の隅のテーブルで四、五人の小人が俺が座っている椅子と同じ明日に座っていた。あ、納得。

 「おまたせしましたニャー」

 テーブルに注文した料理が回っていく?

 「今日は僕の奢りだから…」

 セシリーはとても喜んだ。

 可愛い。

 そうして、俺達三人の宴が始まった。

 酒が廻って色々と盛り上がった。

 気づくと俺達は知らぬ部屋のベットの上に寝転がっていた。知らぬ間に寝てしまっていたのだ。

 俺は寝転がったまま部屋を見渡した。しかし、セシリーとユイさんは部屋の中には居なかった。

 すると、部屋にノックの音が響くノックの後に続きガチャと扉が開く音がした。そこには、ユイさんが居た。

 「おはよう御座います。カイさん起きてますか?」

 「ん、ユイさんおはよ」

 「昨日はありがとうございます。

 「全然だよ。こっちこそ何時もお世話になってんだし。

 ところで、ここって?」

 「ここは居酒屋が貸してくれた部屋なんでよ。いつもは宿がない冒険者に貸してあげているらしいです」

 そう説明して、俺が寝転がっているベットに座ってきた。

 凄いなあの居酒屋。

 部屋は意外に広いし、ベットもふかふか。

 俺がベットのふかふか感に堪能していると、また扉が開く音がした。そこにはセシリーがいた。

 「おはよう。セシリ…!?」

 俺は目を広く開いた。それは、セシリーがパジャマ姿だからだ。ヤベェ、パジャマ姿も可愛い。

 「あ、あの…セシリーさん?その格好は?」

 「ん?おはよう。カイくんとユイ。格好って?」

 セシリーは手で目を擦りながら自分の格好を見た。セシリーは状況を判断したのか顔を真っ赤にした。そして…

 「キャー!」

 叫び部屋から勢い良く出て行った。

 俺とユイさんはお互いに笑っていた。

 セシリーのレアな物が見れたな脳内保存、脳内保存。

 お互いに笑っていた。ユイさんがベットから立ち上がった。

 「セシリーの元に行ってきます。借りた部屋代こっちで出しときますね」

 「そんな、悪いよ」

 「いえいえ、コレは奢ってもらったお礼ですよ」

 ユイさんはそう言い残し部屋を出て行った。

 暫くして、俺もここを出る準備をした。準備って言っても大した物はない。

 所持金を確認する。奢った為、所持金はゼロ円だ。


読んで下さりありがとう御座います

コメント、評価お願いします。

レビューでも構いません。


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