表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/36

ビーバー村と村長

 俺はこの訳も分からない状況を整理して目的を決めた。しかし、まだ分からない事ばかりだが。

 「もう夕方か…寝どころ探さなくてはな」

 俺は、空が暗くならない内に寝る場所を探した。変な生き物に襲われない安全な場所を。

 あれこれ、寝場所を探したが全く見つからん。

 もう周りは暗くなり、空には無数の星が小さく輝いていた。それは、とても綺麗で見惚れてしまう程だった。

 「あぁ〜お腹空いた〜」

 ビーバーになってから何も口にしてない。てか、ビーバーって何食うの?魚?

 寝どころも見つかんねーし!もうビーバーいや…

 ビーバー…あっ、そうか。

 寝どころが見つからなかったら造ればいいんだ!

 寝どころ(ダム)を!

 俺はさっそく周りに落ちている木枝や葉っぱを集め寝どこを造っていた。

 ビーバーの本性なのか分からないがトントンと寝どころ(ダム)を造っていった。

 そして、あっという間に寝どころ(ダム)が完成した。

 俺は、さっそく中に入った。

 中は外よりも断然暖かく風も全くとは言えないが入ってこない。

 俺は、そこで一晩を迎えた。


 ピッピピピ〜、ピッピピピ〜、ピッピピピ〜


 かすかに聞こえる鳥の鳴き声、閉じている瞼からでも分かる朝の光。

 重い瞼を少しづつ開けた。

 そして、目の前には知らないこうけ…

「…はっ!はぁ〜」

 そういえば俺、ビーバーになってるんだった。

 はぁ〜

 「はぁ〜」

 二回もため息をつしてしまった。

 「ここで、グダグダ考えても仕方ないし、動くか…」

 動くって言っても何すればいんだ?仲間でもいれば良いんだが…な…

 そっか仲間か!ビーバーの仲間を見つければ何とかなるかも知れない!

 そうと決まれば出発だー!

 俺は川沿いを添って歩き始めた。下流か上流どっちかなんて知らん! 

 いきあたりばったりだ!

 仲間を探すために俺は、川をひたすら泳いだ。日は高く上り、朝よりも暑くなった。

 「……………っ!」

 泳ぎ続けて数時間は立っただろう。百メートル先ぐらいだろうか広く広がり水が溜まってる場所が見えた。

 「あれは………湖だ!」

 俺は、泳ぐスピードを上げた。

 八十メートル、七十メートルと距離を縮めていくと湖の隅に黒く歪な形をした物がいくつか見えた。

 そして、湖の入り口に入ろうとした時に…向こうから勢い良く二つの影が向かって来るのが分かった。

 それは、徐々に近づき俺の目の前で動きを止めその二つの影は水面から浮かび上がり姿を見せた。 

 その正体はビーバーだった。

「お主、何しに……」

 ビーバーの一匹が何かを言いそうになった途端、目を俺の下半身に目を向けた。そして、目が大きく開いた。

 もう一匹の方も見ると同じく目を大きくしていた。

 「?」

 俺は、二匹の目線が行っている下半身を見たが特に何も無かった。あるとしても体毛と男にとって大事な物があるぐらいだ。

 「お、お前、なぜ、は、裸なんだ!?」

 「え?」

 俺は数秒間言った意味が理解出来なかった。

 え?……さっき裸と言った!?

 俺、いま裸なの??

 俺は、二匹のビーバーを見ると服らしき物を着ていた。その後、俺は自分の身体を見た。水で濡れて一方方向に伸びている体毛しか無かった。     

 え……この状態で住んでんじゃないの?

 「え、マジ?」

 「マジだ。…とにかく着るものを持ってくる。ここから動くなよ」

 「このモノを見張っていてくれ…」

 「あぁ、分かった」

 一匹のビーバーは来た方向に戻っていった。もう一匹のビーバーは俺をもの凄い目で睨んでいる。

 怖いよ…君。

 待機して数分。服を取りに行ったビーバーが戻って来て俺に服を渡した。俺はそれを着た。さっきまで裸だったせいなのか少し違和感を感じる。

 「よし、着たか。よし、本題入るぞ…お主、名を何と言う」

 ……名?名前の事か?

 「…魁だ」

 言い忘れていたが俺の名前は長麻里魁。

 「カイと言うのか…聞かない名だな。」

 でしょーね。

 「それにしても変な名だな。」

 え、変な…名?ど、ど、ど、どこが変なの!?

 「まぁぁいい。それよりここに何しに来た。」

 「え、いや、村を探していたらここに来ましたと言いますか…」

 勝手に変な喋り方になっちったよ。

 「ふむ。まぁいい詳しい事は後で聞く。とにかく付いて来い」

 「ど、どこへですか?」

 「村長のとこだ」

 ふっ、何だ村長のところか、ってきり牢屋かとおもったぜ。ふっ。

 俺は警備をしてたのだろう二匹のビーバーに挟まれるような感じでこのビーバーの群れの長である村長のところに連れて行かれた。

 村長って言ってもヨボヨボのお爺さんだろ…と思っていた。

 その時までは…


 俺は、警備ビーバーに他の巣より少し大きい巣へと連れられた。

 その中には、警備ビーバーよりも少し身体が大きく前歯も綺麗で長いビーバーがいた。それに…ボスって感じのオーラが出てるような感じがした。

 「村長、裸で彷徨いてた者がいたので連れてきました」

 裸で彷徨いていたって…

 「お前、名をなんて申す」

 村長は名前を聞いてきたが声が半端無く怖い。そこら辺にいるヤンキーよりも怖い。

 「え、えっと、その…」

 「あ?」

 「ヒッ!」

 こ、怖い。俺が思ったのと全然違うんですけど。もしかしたら、殺される!?殺されますよね!?

 「か、魁です!」

 「ここに何しに来た。何が目的だ!」

 ヤバい、怖すぎておしっこちびりそう…

 「その、村と言いますか群れと言いますか 自分を受け入れてくれる所を探していただけです…」

 「なぜだ?」

 「それは、何故と言われましても…」

 言えない。異世界に転生して途方に暮れてるなんててか、言っても信じてくれなさそう。それどころか殺されそう。くそ、どうすればいいんだよ〜あ…

 「実は記憶喪失になってしまったらしく、名前だけは覚えてるんですけどそれ以外は…」

 これでどうだ?信じてくれるか…

 「…フッ、まぁいい」

 よ、良かった〜信じてくれ無かったらどうなってたか考えるだけでも怖え〜

 「おい、何か食事を出してやれ」

 村長は他のビーバーに俺に食事を提供するように指示した。そして、俺は一匹のビーバーが急いで何処かへ向かって行った。

 その時、外からもの凄い悲鳴みたいのが聞こえて来た。

 「…!?」

コメント、評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ