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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

校舎の泣き声

作者: 七星 破軍

「ここだよね~、噂になってる教室って~」


そう欠伸【アクビ】が聞いてくる。「そうだね」と返しながらその教室をの中を見てみる。その教室は机が4人一組になるように配置されその上にはパソコンが置いてある。まあふつうの[パソコン室]だ。ただ、うちの学校はわりかし生徒に寛大だからか知らないが放課後にほとんどの教室を使うことが許されている。この学校に進学して得したことの一つだったりするんじゃないかな。使えないのは校長室と職員室と宿直室位じゃなかっただろうか?もうすこしあるかな?


「さあ、早く中に入って確かめてみましょう。僕達は使ったことがないですからね」「そりゃ、授業じゃここよりも近いあっちのパソコン室を使った方が良いし、あっちの方が最新機種が揃ってるしな」

と工深【タクミ】と事武【ツトム】も言いながら教室に入ってきた。この男の子2人は彼氏とかではなく幼なじみだ。この4人で小さいときから今までずっとイロイロなことを経験してきた。まぁ、高校まで一緒になるとは思いもしなかったわけで、タクミは頭が良かったし、ツトムは逆に悪い。まあ多少不真面目なだけで、やればできるのはこの学校に入ってきてる事からわかる。タクミもうちよりもさらに上の進学校にいくこともできたのだが、「家が近いこの学校に、幼なじみ全員で通うのが良いんじゃないか」と良い笑顔で言っていた。


「焔【ホムラ】ちゃんも早く始めようよ~」


とアクビが私に話しかけてきた。私の名前は焔【ホムラ】だが本当にお父さんが付けたかった名前は[陥]の字を使った名前らしいのだが、それだけは止めなさいと両親族全員に止められたららしい。お父さんのことは尊敬しているが、この話を聞いたときだけはさすがに私も軽蔑の眼をしていたと思う。何でも穽陥【セイカン】と言う単語が好きらしいが、そう言われてどういう顔をすればいいのか私はさすがにわからなかった。



「ロッカーでは男の子が女の子のブルマーの匂いを嗅いでいました」


「ってそれ怖い話じゃなくて変態の話じゃねーかよ」


とツトムは言うが女の子にとっては十分に怖い話だ。知ってい男子でも知らない男子でも、ましてその人が好きであっても大体の子ならそんな現場に出くわしたら恐怖を感じると思う。


「ツトムはそう言うけど多分男女を入れ替えて考えてみれば十分怖い話だってわかるはずだよ。まぁ、怖い話の中でもまたジャンルは違うと思うけどね」


とタクミが苦笑しながら言う。まぁ、確かに今話してほしかったのは一種の生理的嫌悪の話ではなく、ある意味正道な怖い話だったのだが。


ッパン


「え~、けどラップ音は私の話の時だけでも今のも含めて4回は鳴ってるから、十分せいとおな怖いはなしだと思うよ~」


とアクビが言う。まあ多少増えたのかな?わかんないけど。


「増えてねーよ。増えたとしても誤差の範囲だろ」


とツトムが言うと「ふえたよぉ~」なんて言いながらツトムにポカポカと効果音が付きそうな感じのパンチを当てている。


パチン


そうまた鳴った。そう私たちの学校のこのパソコン室はラップ音がよく聞こえる教室なのだ。寒暖の差が高いときに特にそれが顕著になると言われているが、真偽のほどはわからない。が、特に代わり映えのしない毎日を過ごす学生には格好の娯楽であり、この教室で怖い話をするとラップ音が増えるなんて噂が当たり前のように流れていたりするのである。まぁ、増えたかなんていちいち数えないから集中度合いとかで変わるだろう。


「じゃあ次はホムラの番だね」


とタクミに促された。さてなにを話そうかな?……、そう言えば学校の七不思議を仕入れたからそれで良いか。どこの学校でもありそうな話だからまあ怖くないかもだけど。さてと、


「あ~、雨が降り出しちゃったよぉ~。傘忘れちゃったよぉ~」


と言う声が横から聞こえたので、窓の外を見ると確かに雨が降り出している。私はちゃんと傘を持ってきているが案の定アクビは忘れたらしい。まぁこうなる予感はしていたにで、


「ハイ、これ折りたたみ傘貸してあげるからちゃんと返してね」


とアクビに折りたたみ傘を渡した。「ありがとうホムラちゃ~ん」て言いながら私に抱きついてくる。アクビは見ていないがタクミも取りだそうとしてそれを渡しそびれた感じになっていた。目が合うとタクミはまた苦笑した。タクミはアクビが好きだからなぁーとか思いながら仕入れた話を話すことにした。



女子高生のスイレンさんはとても美しい生徒でした。

パンッ!

スイレンさんは毎日のように男の子に告白されましたが、すでに好きな人がいたので断り続けていました。

ペキペキ

ある日学校で一番かっこいいと言われているセリ君に告白されました。

メキメキ

学校1の美男美女カップルができるのか?と誰もが思いました。 が、しかし、やはりスイレンさんはセリ君をフってしまいました。

パンパン!


「うお、ホムラが語り出してから音がすげー増えた感じしねぇ?」


「確かにそうだね。まぁ話の雰囲気作りにも一躍かっていい感じだね」


「怖いよぉ~、もう帰ろうよぅ~」


と各々口を開いている。ってアクビはさっき自分が語ったばっかの癖して。…まぁ、続けることにする。



 それを聞いて黙ってられないのが学校で二番目に美少女と言われるクロユリさん。クロユリさんはセリ君が大好きだったのです。

ピキピキ


 クロユリさんはスイレンさんを呼び出してきつく問いつめましたが、やはり好きな人がいると言って相手にしません


 いつもいつも同じ理由のスイレンさんにとうとう耐えきれなくなった女子達はスイレンさんから距離を置き始めました。


 それを敏感に感じとった男子も次第にスイレンさんに話しかける人が減ってきました。でもスイレンさんはそれでも別によかったのです。


 しかし、この事態が悲劇を招きました。


 ある日少し調子の悪かったスイレンさんは立ち上がった拍子に立ちくらみを起こしてしまい、机の角に頭をぶつけて倒れてしまったのです。


 しかし、他のクラスメイトは教室を移動し終わっていてすでに誰もいませんでした。


 更に不運が続き担当の教師にスイレンさんは保健室に行くと言っていたと言いだす生徒が居たため、それを信じた教師もスイレンさんを探すことをしませんでした。



 スイレンさんは死んでしまいました



 理科の先生は自分を責めノイローゼになってしまい学校に来なくなりました。

バリ!バリ!


 クラスメイトも別に本当に嫌っていたわけではないのでみんな悲しみました。

ピキ!メキ!


 スイレンさんが死んでしまって暫くすると、1人の生徒がまるでスイレンさんに誘われたように亡くなりました。


 その生徒はスイレンさんがずっと想い続けていた想い人でした。

ピキ!メキメキ!


 スイレンさんが居た教室は今でもどこかにあるそうです。

バギャン!


 今でもそのどこかにある教室で想い人が来るのを待っているスイレンさんの姿が

バ!ギャ!ン!「キャーーー!」




「続いてのニュースです。本日午後5時50分頃○○県にある桑高校の教室が崩れ落ちました。この崩落に4名の生徒が巻き込まれ、うち3名の生徒が死亡、1名が意識不明の重体ということです。警察が調べたところによると、コンクリートの中から煙草の吸い殻が見つかったり鉄柱の本数が足りず、またその中の2本が長さも足りなかった為に木材等を挟んだりして長さを水増ししていたとのことです。警察はこの手抜き工事のせいで暴落が起こったものとして関係者への聞きこみをしているそうです」

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