・愛に変えるオマジナイ
「ひゃ」
朱色の墨汁をつけた筆であそこをなぞると冷たくて声がでちゃう。
「これなら、温めておいたほうがよかったかな?」
でも、もうはじめちゃったし、いまから温めるのも変だと思う。
あたしは冷たい感触をがまんしたまま、筆を動かしつづける。
「なんかヘンな気分。自分のあそこに墨汁塗るなんて」
ふと、顔の向きを変えると、姿見に映った自分の姿が目にはいった。
セーラー服の上だけを着ていて、下はすっぽんぽん。そして手には筆、あそこは朱に色づけられてる。
「なんか間抜けかも」
いっそ全部脱いだほうが、制服を汚す心配をしなくてよかったかな。いまから脱いだら、それはそれで汚しちゃいそうだし、全裸であそこに墨を塗るのもヘンタイっぽい気がする。「まっ、このままでいっか」
そんなことよりも、墨が乾く前に済ませちゃわないと。
あたしは自分のあそこをジッとみて、塗り残しがないことを確かめると、床に置いた半紙の上に腰をおろした。
墨汁が半紙とあそこの隙間をつぶしぴたりと吸いつかせる。
「1、2、3、4、5……どのくらいつければいいのかな?」
紙が動かないようジッとしたまま考える。
「6、7、8、9、10……もう大丈夫かな?」
まっすぐと腰をあげる。すると、あそこの水分を吸った半紙がくっついてしまい、剥がれないままもちあがってしまう。
くっついた半紙の端をもって、ゆっくりはがそうとする。ピリピリとした刺激があそこから伝わってきた。
「うひゃ」
はじっこを少しはがしただけなのに、思わずヘンな声が漏れてしまう。
でも、このままにして置くわけにもいかないので、破れないように時間をかけてちょっとずつ剥がしていく。
「うひゃ、うひゃひゃ……」
しばらくして、半紙を破かないまま、はがすことができた。
「うん、完成」
できあがったばかりの自分の魚拓ならぬ人拓をみる。なんとも言い難いその像に、あたしは上手い感想がつけられなかった。
とくに中心部分がしっかり写っていないのが気になる。
「ん~、墨が多かったのかな?」
まんべんなく均一に塗ったつもりだったけど、どうしてここだけ墨が多かったみたいにじんでいるんだろ。
「まっ、いっか」
完成した拓に息をふきかけながら乾かす。
これで準備の半分は終わった。あとは、ココに好きな子の精液をかけてもらえればオマジナイは完成して両思いになれる。
「でも、どうやってかけてもらえばいいのかなぁ?」