出版社からの注文
出版社から、編集の人がやってきて、マン・ネリカに言いました。
「先生!マン・ネリカ先生!今度は、続き物を書いてくださいよ」
「続き物?」
マン・ネリカは、驚いて尋ねます。
「そうです。先生の作品は、いつも1作で終わりでしょ?本1冊で終わってしまう。そうではなくて、何冊にも渡る長編を書いて欲しいんですよ。何冊でも何十冊でも、読者の要望がある限りいつまでも続くようなそんな作品を!」
「でも、それだと質が下がってしまいますよ」というマン・ネリカの返答に、編集者は聞く耳を持ちません。
「質なんて、いいんですよ。どうでもいいんです。そんなのは、2の次、3の次!それよりも大切なのは、人気。わかります?読者からの、に、ん、き!」
「人気か…そうね。それは大切かもね。読者あっての小説だものね。わかりました。ちょっと考えてみます」
「じゃあ、ひとつお願いしますよ!」
そんな言葉を残して、編集の人はアタフタと出版社へ帰っていきました。
「人気か。なかなか難しい注文ね。これまでだって、別に読者のコトを考えて書いてきたわけじゃないし。私が読みたい小説を、基本に沿って書いてきただけ。ほんとは、もっと書きたい小説はあるのだけれど、そっちは封印して、できるだけ基本に忠実に、それでいて私が読んでみたいと思うような小説を書いていただけなのに…」
マン・ネリカは、そんな風に思いましたが、それでも編集者の指示に従って、がんばって書いてみました。今度は、本の最後に“おわり”と書くのではなく“つづく”と書いて、次の巻に続くように。そうして、読者が次の巻を楽しみにするような終わり方にしてみました。
それを出版社に届けると、一読して編集の人は大喜び!
「これですよ!これ!先生、やればできるじゃないですか!じゃあ、さっそく出版の準備にかかりましょう」
こうして、しばらくの後、マン・ネリカの書いた新作は印刷され、店頭へと並びました。これまでとは違って、続き物の小説です。読者が気になるような終わり方をしています。人気に応じて、続編が書かれる予定なのです。