コンクールの結果
マン・ネリカが出品した小説のコンクールの結果が発表される日がやってきました。
金賞・銀賞・銅賞とあって、マン・ネリカの小説は、見事に金賞を受賞しました。
「素晴らしいわ!マン・ネリカ!この学校からも、多くの生徒が作品を応募したけれども、そのほとんどは何の賞ももらえなかったというのに!」
長い“しょうせつのがっこう”の歴史の中でも、応募作がいきなり金賞を受賞した生徒など、数える程しかいません。突然、マン・ネリカは人々の脚光を浴びることとなりました。それまで見向きもしなかった生徒たちも、側にやってきてチヤホヤし始めます。
マン・ネリカは、そんな人々の反応に戸惑ってしまいました。
「これまで、あんなに受け入れられなかったのに。しかも、書いて応募したのは、自分では満足のいくデキの作品ではないのに…」と。
それでも、みんなから褒められて悪い気はしませんでした。そうして、勧められるままに、次の作品を書き始めます。
その後、マン・ネリカの書いた小説は、印刷され、本の形となり、出版されました。
売り上げは上々です。爆発的なヒットとまではいきませんでしたが、そこそこの数は、はけました。少なくとも、他の小説家の書く小説よりかは、よく売れました。
出版社の人からも、次回作を書くように言われます。マン・ネリカは、用意していた作品を渡し、さらに次の小説の執筆にかかります。
こうして、次から次へと新作を発表するマン・ネリカ。その作品は、どれも、それなりに売れていきます。けれども、大きく売れたりはしません。そこで、出版社の人から、1つの注文がつけられました。