ショックを受けたマン・ネリカ
マン・ネリカは、非常にショックを受けました。
自分が信じていたものを徹底的に破壊されてしまったからです。
「私が一生懸命に書いた小説は、街の人たちにも認められなかった。それどころか、ゴミクズだと言われてしまった。こんな小説を書いた人なんて嫌いだとも…」
もう小説なんて、書くのをやめてしまおうかしら。そんな風にさえ思ったのです。
けれども、もう一方の小説は人々に受け入れられました。絶賛すらされました。
これを、どう捉えたらいいのでしょう?
「“しょうせつのがっこう”の先生が言っていたコトは、本当だったのかも知れない。みんなに受け入れられる為には、特別なものなんて書く必要はないんだわ。基本に従って、ちょっとだけ外れる。その方がいいんだわ」
マン・ネリカは、そう呟くと、再び学校に戻りました。
そうして、今度はマジメに小説に取り組みました。学校の先生が言うように、当たり障りのない普通の小説を書き始めたのです。だけど、それは普通の小説などではありませんでした。マン・ネリカ自身は、そう思って書いていたのですが、実際には違っていたのです。
真剣に取り組んではいるのだけれども、どこか狂ってしまう。マジメに書いてはいるのだけれども、他の人の作品とは違ってしまう。マン・ネリカの書いている小説は、そんな小説でした。